第二十話:王国から来た兵団
カツキによって、絶滅した巨大カンガルー「プロコトドン」ことムラサキケマンを仲間としてヒロキ達へと加わった。
そしてそのまま旅を続けた。
その途中にも、様々な危険な生き物に襲われては戦い、夕方になっては安全な場所にテントなどを設置して、そこで一泊する…といった繰り返しの旅となった。
そして長い時間が経過して、いよいよ遠くから砂漠まで見えてくるようになった。
「いよいよここまで来たか……」
「あぁ、ここまで長く旅をしたな」
「ですが、これでもまだついていないのと当然ですわ」
「だろうなぁ……ここからが本番だからな」
すると、ムラサキケマン、スミレ、ガーデン、ルビー、サファイア、ダイヤが何かがいると察したのか、茂みの方を向いて警戒し始めた。
「ガルルルッ!」
「ガアァオォッ!!!!」
「ガアァオォッ!!!!」
「グウゥアァッ!!!!」
「……」
「……」
その様子に気づいたヒロキとカツキとショウブは思わずその方向に向いた。
「どうしたんだ?」
「何かを警戒しているようですね」
「……なんかいるな?」
すると、茂みから五匹のディノピテクス、三匹のユタラプトル、一匹のマカイドゥロスを引き連れている数十人の男達が現れた。
「誰だ?」
「君達はいったい何者ですか!?」
ショウブとヒロキはそう聞いた。
すると男達はすぐにその質問に答えた。
「我々はカンブリア王国のオルドビス兵団だ」
「お前達は何者なのかを聞かせてもらおうか?」
そう聞かされた三人はそれぞれ自己紹介をした。
その時にジャングルから来て、エルフ族の村長から手紙を届けに来たことを話した。
「そうか……お前達だったか。
よくぞご無事で何よりです」
「お前達が目指していた王国はまさに我らカンブリア王国だ」
「既にこちらへシリアラクダとプテラノドンを引き連れている使者達がいる。
お前達を探すためにな」
「ついでにお前達は我々と同じ人間……敵対するつもりはないから安心せよ。
ここにいる五匹のディノピテクス、三匹のユタラプトル、一匹のマカイドゥロスは我らオルドビス兵団の一部でしかない」
「そこにいる飼い慣らした獣達はカルノタウロスとケレンケンに騎乗している兵士達が護衛をするから安心せよ!」
すると、背後から九匹のカルノタウロスと7羽のケレンケンに騎乗している兵士達が集まった。
「団長、周囲の危険生物を排除した」
「ご苦労だった」
「プテラノドンに徘徊をさせたが、砂漠には問題はありません。
ですが、最近では砂嵐が続いているため、巻き込まれる可能性がある……とのことです」
「よし、すぐに出発するぞ」
こうして、ヒロキ達はオルドビス兵団に護衛されながら、目的の王国であるカンブリア王国へ向かった。
サバンナからだいぶ長い間、旅を続けたが、その途中でシリアラクダとプテラノドンを引き連れた兵士達が辿り着いて、合流を果たし、そして全員で砂漠にあるカンブリア王国へ目指した。
長旅に疲れていたカツキはスミレと一緒に眠り、ショウブはガーデン達を引き連れながら兵士達と共に警戒しながら周囲を見ながら歩いた。
そしてヒロキは団長と一緒に歩きながらこの世界についての興味深い話を聞くことができた。
ちなみにプテラノドンに乗っている兵士達はプテラノドンとともに上空から見張りながら飛び、シリアラクダに乗っている兵士達は、カツキとスミレを乗せて寝かせながら、兵団の荷物を運んでいた。
「そうか……エルフ族の村長から聞かされていたか……」
「うん、この熱帯大陸にはエルフ族、温帯大陸には鬼族、冷帯大陸にはドワーフ族が支配しているって聞かされたんだ」
「なるほど、だがソイツらだけじゃねーぞ」
「えっ?」
「実は、エルフ族、ドワーフ族、鬼族以外にも場所は異なるが、他に四つの先住民族がいる。
その場所というのは、それぞれの大陸の洞窟に住む地底民族と海に住む海底民族がいる。
エルフ族、ドワーフ族、鬼族はそれを地上民族と呼ばれているんだ。
その地上民族、地底民族、海底民族……これらを合わせて先住民族として一つにまとめられているのだ」
「なるほど……」
「地上民族がエルフ族、ドワーフ族、鬼族だ。
だが、奴らは地底民族と海底民族の存在はお互いに知らない……なぜなら、住む場所が異なるからだ」
「それで、その地底民族と海底民族というのは?」
「地底民族はそれぞれの大陸にある広くて深い洞窟に住んでいるそうだ。
まず、この熱帯大陸には河童族、温帯大陸にはゴブリン族、冷帯大陸にはオーク族がいるそうだ。
後、海底民族として、海に住んでいるセイレーン族がいる」
「……じゃ、じゃあ……アレも彼らが!?」
「ん?」
「……実は僕、前にジャングルにあった洞窟で、古代都市があったのを見たんだ。
しかも、ジャングルにも古代遺跡があって、古代都市とは別のものを見たんだ。
確か、古代都市には番人が眠っているらしいけど、古代遺跡もそうなんですか?」
「あぁ、そういうことか。
確かにあの古代遺跡と古代都市はソイツらが作った。
地底民族達は、大昔から存在しており、地下に眠る地下世界に隠された秘密を守り続けている……まぁ、地上民族も海底民族も同様にこの世界の秘密を守っているんだけどな。
俺らからな」
「ど、どうしてですか!?」
「……我ら人間は、本来ならこの世界にいてはいけない存在だ。
この世界に隠された秘密を俺らから守っているんだ……その秘密があるとされているのは洞窟と深海の海底、そして山の頂上に存在している。
女王様はその秘密を知りたがっているけどな」
「ってことは……もしかして!?」
「あぁ、お前らに持たせた手紙は、女王様に秘密を教えるための条件だ。
幸いにもお前らはエルフ族と仲良くしているようだから、信頼して手紙を渡したのだろう。
まぁ、だからと言って、信用はできないがな」
「えっ?」
「……エルフ族がどう思っているのかは知らねーが、少なくとも場合によってはお前らのことを裏切る可能性だってある」
「ま、まさか……」
「そういやお前、ジャングルにある拠点にネオタマンドゥア、ハルパゴルニス、ディノニクス2匹、ディノケイルス、そして家畜としてのドードーがいるんだろ?
もしかしたら、ソイツらを拠点ごと人質にしているのかもな?」
「そ、そんな……」
「まぁ、ジャングルへ帰る時は我らも一緒に行くことになっているから安心しろ」
その頃、アローラ達はというと、その日も全員寝ていた。
しかし、相変わらずに周囲にはティタノボアなどが倒された後があり、しかも全部綺麗に骨だけ残った。
そんな中、様子を見に来たマーニー達と一緒に来た村長は驚いていた。
「すごい……しっかり守っておるわ」
「クソジジイ、どうします?」
「ふーむ、じゃがこのままじゃと、あの子達の体力がもたぬ。
今は大丈夫そうじゃが…ヒロキ君達がいつ帰ってくるのもわからん。
むしろちゃんと手紙を届けさせているのかもわからん。
じゃから、ワシらが持ってきた食料を与えるとしょう。
そしてヒロキ君達には悪いが、この拠点を改良させてもらうぞ」
そう言って、村長の指示で、エルフ族達は頑丈な柵などを設置し始めたのでした。
(……無事に王国へ辿り着くんじゃぞ……)
村長は、ヒロキ達が無事で王国へ辿り着くことを願った。




