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星空舞う騎士の英雄譚  作者: 小鳥遊 白奈
聖女と幼魔女
20/25

教会での依頼

「………どうしてこうなった?」

 僕は今、あの一件からレコットによる手厚い支援を受け、傷という傷は完治しその翌日にギルドからの通達で近くにある教会の依頼を受ける事になった。ギルドからの発行と言うのもあり依頼自体は受ける事にしたのだが…。


「ミアちゃんと私で陽鎖刀くんのサポートをする事になりました。

 ギルドからの報酬とは別に私から上乗せするから安心して受けて欲しい。」


 あえて、もう一度言わせて欲しい。


「どうしてこうなった?」

 教会への道中で、何度目かになるこのセリフ。


「依頼の内容の割には魔物を見ません…

 あの人達、こっそり陽鎖刀様を処分するかもしれません。」

 僕のすぐ斜め後ろからヴィッタちゃんが僕に小声で告げる。

 物騒な発言をシルフィーが苦笑で返し、僕は、そうなった時の対処は考えてあるとだけ伝え、詳細を聞く為に2人に近づく。僕らが追いついたのを確認してレコットがドアノッカーを叩く。


「レコットです!ギルドからの派遣で来ました!!」

 程なくしてドアが開き、中からシスターが出てくる。


「今回も遠方はるばるありがとうございます。

 外でお話するのもなんですので、どうぞ遠慮なく中へ。」

 物腰の柔らかそうな女性が出てきて対応をしてくれる。


「綺麗ですね………」

 中に入ると一際目立つステンドグラスに目を奪われるシルフィー。

「じゃー私と陽鎖刀くんで話聞きに行こか?ミアちゃんは周辺の警戒よろしく。」

 黙って頷いてこの場から離れるミアを、ヴィッタが視線で追うが、シルフィーから離れる気がないのかそこに留まる。

 肝心のシルフィーはステンドグラスや彫刻に目を奪われてしまい心ここに在らず状態だった。


「ヴィッタちゃん、シルフィーをよろしくね」

「承知しました。」

 僕とレコットは司祭に話を聞きに行く為に、先程のシスターと一緒に祈りの間を移動した。


 案内された部屋では、先程のステンドグラスに描かれてた絵に描いてたであろう人物の像の前で司祭と思しき男性が祈りを捧げていた。


「リルシャ、下がっていいですよ。ご苦労さまでした。」

 男性の言葉を受けて、シスターは部屋から退出する。

 退出とほぼ同時に、司祭は僕らに向き直り、軽くお辞儀をする。

「遠方から感謝してますよ。レコット。

 そちらは、お連れの方ですかな?シルディアにそっくりですな。」


「面影は有るかもね。彼は陽鎖刀くん。

 彼の他に、ミアちゃんや彼の仲間が2人手伝ってくれることになってる。

 だからサクサクッとやっちゃうね?」

 出てくるはずのない名前に動揺しながら軽く会釈をする。

 すると司祭は、軽く微笑み名乗りを返した。


「はじめまして、陽鎖刀くん。

 私はここの司祭をやっておる。べルートと言うもの…しがない老人じゃよ…」

「陽鎖刀と言います。」

 依頼の内容は至ってシンプル。

 教会の近くにある湖から魔物が溢れ出した原因を突き止め、取り除くというのが依頼の内容だ。


「司祭確認だけしたいのですが…一種類が確定すると同類しか出てこなかったりします?」

「陽鎖刀くん?」

 司祭は、困惑した顔で、、、


「私自身は、此の教会に防御魔法を展開するので手一杯なので詳細を知りません故、湖のほとりで見張りをしているリルシャの弟がいます、前衛は彼に頼り切りなので聞いてみるとわかるかもしれません。」

「私、あの子苦手なんだよねぇ…全然喋ってくれないし…」

 レコットが苦虫を噛み潰したような顔で言うと、司祭も困った顔をする。


「彼とリルシャがこの教会の生命線、故に二人で対処出来なくなる前に解決して頂けると助かります。

 必要な物があれば、リルシャに言いつけて頂ければ用意させていただきます」

 司祭はお辞儀だけすると、「せめて、勇者の加護を」と言って背を向けて祈りに戻ってしまった。


「じゃー問題の湖に行きますか…。」

 僕がそういう頃にはレコットは既に疲れた顔をしていたのは気の所為だと思う。


 ーーーシルフィーsideーーー


「このステンドグラスに描かれてる英雄、ご存知ですか?」

 陽鎖刀様達がお話を聞きに言ったあと、私に話しかけて来たのは、ここの常連だろうか?

 背の高いローブの黒髪の獣人の青年だった。

「天使なのに人に恋して滅びた英雄ですよね?」

 私がそう答えると、その青年は少しだけ微笑み、笑いかけた。

「それだけ聞くと、とんでもない英雄ですね」

 ヴィッタちゃんが捻くれたように呟くと獣人の青年は高笑いし、失敬と続けて。

 良ければ、一緒にお聞かせしましょうか?と青年が目配らせした先には子どもたちがいた。


「いいんじゃない?すること無いですし」

 ヴィッタちゃんがそう言いながら、少し離れた場所に移動し、私もそれを追う形で移動した。


 青年は、子どもたちの前で椅子にかけて、どこからか楽器を取り出し語っていく。


「今回は同じ獣人のお姉さんたちのリクエストで“小さな天使のお話”をしますね。」

 子どもたちは待ってましたと言わんばかりに先程まで賑やかだったのに一斉に黙る。

 そう、これは前述の通り。。。

 天使の身でありながら、人の子に恋し愚かにも散っていった英雄のお話。

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