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星空舞う騎士の英雄譚  作者: 小鳥遊 白奈
聖女と幼魔女
19/25

理詰めの魔法

 “ミア視点”

「、、、君、何者?」

 目の前の少年の歪な運命に疑問が溢れた。

 本来運命とは、一人ひとり辿る道筋は違えど、一本の運命に収束するようになっている。

 その絶対不変の運命というのが“死”というのは占い以前の話なのは割愛する。


「何者って言われても困るな。君と同じただのヒューマンだよ。」

 少年は不自然な挙動を一切見せずにさも当たり前のように答える。

「そんなのはありえない。だって君は、、、」


 少年は首を傾げて次の言葉を待っていた。


「近い未来必ず、この世界を脅かす存在になる。」

 それが占い結果による堂々たる戦闘開始の宣言だった。


「パニッシュメント!」

「!?」

 不意打ちで光属性の魔法を短縮詠唱する。

 先制攻撃を意識したため、威力は抑えるしか無かったがここに来たばかりのルーキーを仕留めるには十分な威力だった筈なのだが…


 パラパラと土煙が舞う中、少年が取った行動は防御一択だったらしく、威力は完全に殺され、ほぼ無傷の少年がいた。


「事情も分からないまま殺される程、ヤワじゃないので…一応弁明込で、言い訳を聞こうか?」

 防御魔法を展開しながら、少年は魔道具と思しき本を構えて私の前に立ち上がる。


「私はただ平穏にレコットちゃん達と過ごしたいだけなの。だからね、あなたみたいな不穏分子は、真っ先に消すに限るの。その権限もある事だし、素直に死んでくれたら、痛いの少なくてオススメだよ?」

 ここに来たばかりという少年に向けるには些か不相応な明確な敵意と殺意を持って、自らの杖を構える。


「魔物じゃないんだから、話し合いって解決方法が一応あるんだけど?」

 そんな少年の提案を嘲笑う様に、追撃で魔法を放つ。


「黙って死ね。異種族の分際で、、、」

 だが、今の攻撃のせいで建物に穴が空いてしまい、少年を逃がしてしまう。


「私の魔法を初見で見切られ続けられてる…そんなこと有り得ない…。」

 私の魔法は短縮詠唱魔法…習得している中級魔法までなら威力は落ちてしまうが、無言で発動できる。

 ゼロ距離ゼロ秒発射に近い魔法を少年は魔法名だけで的確な判断を行い、自分の行動を選択している。


「逃げても無駄だよ!箱の中の鼠(テリトリー・ボム)!」

 詠唱後すぐに付近で爆破が起きる。

 自分が選択した範囲内にいる敵を直撃する被爆魔法、威力は中級の中でも比較的弱い部類の魔法なのだが、熟練した魔法使いが唱えれば、街中のどこに居ようが関係無く上位以上の威力の魔法が飛んでくる。


「行動見え見えだよ!罪を裁く雷(ジャッジメント)!!!」

 そして、煙に乗じて接近してくる敵を高位の魔法でとどめを刺す。

 レコットから貰っている情報通りならもう死んだはず、そう思っていた矢先だった。


「なんで生きてるの、、、?」

 そこには、ボロボロ状態で立ち尽くす少年が居た。


「最初の魔法が光属性の中級魔法、次が同じく中級の火属性。

 そこから君の次の魔法が雷か光の二択だと思った。」

 そういう少年の近くには避雷針になったであろうボロボロの剣があった。

 そして自身には強化魔法で光の耐性のみを上げていたらしい。


「ありえない。たった2回の魔法で私の得意属性を見抜いたっていうの?」

 動揺を隠しきれない。実際、トドメの高位の魔法は雷か光しか使えない、使えはしないがそれを見抜くための時間なんか全く与えなかった。

 追撃すら許されなかった彼が取った解答が、最適ではないにしろ彼の命を取り留めるまでに至った。


「知り合いに魔法職の子が居てね。詳しいんだ。」

 そういう彼は反撃する余力がないのか、片方の膝をついたまま喋る。


「どっちにしろ、これで…「ミアちゃん“おすわり”」」

 落ち着いて杖を構え直し、魔法を唱えようとしたが、皮肉にも守ろうとした友人の妨害で幕を閉じた。

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