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悪役令嬢? いいえ、悪者令嬢でーす!

ジャンル:その他


登場人物

⚫︎アグリィ……主人公。異世界転生者。性格がひんまがっている。

⚫︎王子……アグリィの婚約者で、テンプレ王子。

⚫︎リープリヒ……ピンク髪の可愛らしい少女。平民上がりで、アグリィにいじめられまくる。


簡単プロット


 トラック転生で謎の異世界にやってきた主人公。

 転生先は公爵令嬢アグリィという少女だった。

「どうせ悪役令嬢でしょ。じゃあいい子ちゃんぶってても意味ねーし、どうせなら悪者令嬢になっちまえ!」

 前世では不良少女だった彼女は、完全なる悪者になることを簡単に決意してしまう。

 通っている学校に入ってきたピンク髪美少女、リープリヒをいじめ倒して階段から突き落とし、アグリィは断罪される。

 しかしそれでも彼女の悪は止まらずに、王子を殺しリープリヒを豚にして、「悪は悪らしく」と世界征服へ向けて動き出すのだった。

 異世界転生ってあるよね?


 アタシさぁ、ラノベとかは好きだったから色々知ってんだけどさぁ。

 でもまさか実際に異世界転生するとは思ってもみなかったよ。


 トラック転生? いわゆるアレよ。


 わかる? なんで転生ってトラックが定番なんだか。笑っちゃうよね〜。異世界トラック運転手でもいるわけ?


 そんで異世界転生したわけだけど、まぁ、簡単にアタシの過去話でもしときますかね。


 まぁ、自慢するみたいなんだけどさぁ、アタシって結構な美少女だったと思うんだよねー。

 でも周りの男どもが見る目なくってさぁ、全然告ってこないわけ。ウケるー。馬鹿じゃねーの?


 でさぁ、一人だけ「いい女だな」って言ってきた、見る目のある男がいたわけよ。

 でもそいつ不良なんだよねー。不良の仲間になんかなりたくねーわって思ったけど、そいつ金持ちの息子らしいのよ。じゃあダチになるしかないっしょ!

 ってことで不良のグループに入ってたわけだけど。


 気づいたら、いわゆる落ちこぼれ? 集団を率いる女王様になっててさ。

 結構楽しかったよねー。うん。今までボッチでラノベしか読んでなかったから、「これが本物の無双かー」って驚いた。


 でもまぁ、か弱い乙女に不運は訪れるわけですよ。

 最初にも言ったけど、トラックに轢かれた。ありゃ痛いね、まったく。死ぬかと思ったよ。


 死んだけどねっ!


 それで転生した先がどこだったと思う?


 一国の女王様? 村人A? 聖女? 平民? ヒロインポジの女の子?


 大外れー。アタシが転生しちまったのは、いわゆる悪役令嬢なのでしたー。


 名前はアグリィ。一国の公爵令嬢なんだってさ。


 さてさて、公爵令嬢アグリィことアタシがどんな物語を繰り広げるのか、お楽しみあれー。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 アグリィってさぁ、いわゆる悪役令嬢なんだよねー。

 大体みんな意味わかると思うんで説明は省くけどさぁ。


 悪役令嬢に転生させるって、神様ひどくね?


 まぁもちろん神様なんていねーと思うんだけどさぁ。それにしたって普通転生するならヒロインポジでしょ。


 でも同時に、最近流行りのラノベを思い出したよ。確か、悪役令嬢が全力で断罪回避するために奔走? するんだっけ?


 でもさぁ、それって面白いの?


 結局はヒロインが悪女なわけでしょ。じゃあさ、いい子ちゃんぶってたところで悪女には勝てねーよ普通。


 そこでアタシは考えたわけ。


 ヒロイン悪女に勝つんだったら、こっちも悪女になればいいよねー。

 相手の二倍、三倍。いやもっともっと真っ黒な、腹黒で意地悪なお嬢様になっちまえばいいんじゃね?


 そりゃあ躊躇ったよ? アタシったら心が美しすぎるもんだからさぁ、

 でもでも、いい子ちゃんにして殺される運命に比べたらずっといいよねー。


 ってかさぁ、ここってどこ? どっかの乙女ゲー? それともただの異世界? ラノベ? そもそも知らないんだから、死亡フラグ回避なんかできっこないっての。


 ってことで、アタシは悪役令嬢――いいや、本物の悪者令嬢になる決心をしたんだけど。


 でも一応アグリィの立場としては公爵令嬢なわけじゃん? そりゃ多少のマナーとか覚えさせられるわけですよ。あーもーほんとウザい。

 そんでそのうち婚約相手無理やり決められてさー、案の定だけど王子様なわけ。


 んでその王子、ちょっとばかしいい男なわけよ。身長とか声とか理想的すぎじゃね?


 なんかアタシのこと好いてやがるのかして、目を逸らすのー。これマジ行けそう。


 悪者令嬢の物語は、この初恋(?)から始まったのですー。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 年頃になると王立学院に入れられたんだけど、勉強つまんなさすぎてアタシサボってやってたのね。


 そしたらなんか周りがシラーッとしちゃってさぁ。何この反応。ウケるーとか思ってたら、キタキタキタキタ!


 そう、マジモンのヒロイン!


 ピンク髪でちっちゃくてきゃーわいーい。


 ま、アグリィ様の美貌には負けるけどねー。


 でもでも、ヒロインのリープリヒにみんなメロメロになりやがった。

 なんであいつが!? アタシの乙女の魅力がわかんねーんですかねぇ。


 で、王子まであいつに惚れやがる。リープリヒ、平民上がりのくせに生意気すぎ。


 アタシ、ちょこっと、ちょこっとだけね、腹が立ったわけよ。

 慈悲深いアタシでも、さすがに堪忍袋の尾があってだね。それにあいつが無遠慮に触れて、叩き割った感じかなー。


『学年一の美少女』なんて噂されててさぁ。何それ。アタシの美少女基準度で言うと底辺なんですけどー。


 じゃ、早速お仕置き始めちゃいますかね! よーくわかるまで、リープリヒを痛めつけてやんねーと。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 お仕置きは簡単ですよー?


 なんたって、リープリヒは愚図中の愚図なんだから。


 まず、あいつがいない間に教科書破ってやったわけね。

 わかるでしょ、大体誰がやったかなんて。なのにあいつったらさぁ、


「私のノートを破ったのは誰ですか?」


 って大声で言い出しやがったの。

 あれはウケた。マジでお笑いのつもりかと思ったよ。


 んで、次はあいつがトイレに篭った瞬間に上から水ぶっかける。アタシの金と権力で別のやつに作業をやらせて、アタシはそれを見てただけだけどさぁ。


 そしたら、ずぶ濡れのリープリヒが泣き出してやんのー。糞尿ぶっかけてないだけマシだと思えっつーの。


 それで王子に泣きつきに行くわけですよ。馬鹿だねぇ。


 それで王子も本気になっちゃって犯人探しだって。いやー、王子がそこまでドアホだとは思ってなかったよねぇ。


 で、アタシも表面上は手伝うふりして、その間にもまぁいじめてやってたわけ。


 だっていじめるのって楽しいじゃん? ダメなことなんて言わせないよ、大抵の人間が陰でいじめしてるんだから。口だけで、本質的に悪いことだなんては思ってないのさ。


 それはさておき。

 靴を隠したり、お昼ご飯をぶんどったり、お洋服をビリビリにしたり。

 リープリヒがわかるまで、たっぷりいじめ抜くつもりだった。でもあいつ、全然気づかねー。だからアタシもつまんなくなっちゃってさぁ。


 ある日、階段から突き落としたんだよねー。


 すっきりしたー。あいつは顔に青あざ作って泣いてやがるし。


 突き落としたのは、別に深い意味はない。なんか面白そうかなぁって思って。実際、前世では階段から突き落とすことなんて日常茶飯事だったし。

 不良はそんなもんだよ? 甘く見られちゃ困るよねー。


 でも王子は、そんなくらいなことで火山みたいに怒ったわけよ。

 まぁ、いい加減アタシの仕業だってわかったってわけだよね。

 そんでアタシは、城に呼びつけられた。今から何が起こるか? わかるでしょ?


 悪者令嬢の断罪劇、だよ。

ご意見などございましたら、よろしくお願いします。

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