⭕ 巨漢公爵のダイエット 5 / 痩せない謎……
リィグレーシェド様はティーカップに入っている紅茶を飲み干すと、私に大事な秘密を打ち明けてくれました。
秘密……って言うか…………リィグレーシェド様にとっては重大な秘密だったのでしょうね。
前世の記憶がある私には、今一ピンと来ないんですけど……。
リィグレーシェド様がどんな秘密を妻である私に打ち明けてくれたと思いますか?
リィグレーシェド
「 サブリエル…………私は……呪われているのです… 」
サブリエル
「 はい??
呪われている……ですか?
リグ様が──ですか? 」
リィグレーシェド
「 はい……。
幼い頃、私はとある魔女に呪いを掛けられてしまったのです…… 」
サブリエル
「 魔女…ですか?
──リグ様、呪いを扱うなら呪術師ではないんですか? 」
リィグレーシェド
「 あぁ……そうでしたね。
確かに彼は呪術師でした。
ですが、彼は “ 魔女 ” とも呼ばれていたのです 」
サブリエル
「 リグ様は男性──同性の呪術師に呪いを掛けられたのですか??
男なのに魔女…………。
魔男とは呼ばないのですね… 」
リィグレーシェド
「 まお…ですか? 」
サブリエル
「 魔と女で “ 魔女 ” と呼びますから、魔と男で “ 魔男 ” と呼ぶものだと思っていました 」
リィグレーシェド
「 あぁ……成る程…。
“ 魔男 ” ですか。
確かにそれだと男女の区別が付きますね。
男であっても “ 魔女 ” と呼ぶのが当たり前で当然だと思っていましたから気付きませんでした。
サブリエル、貴女の考え方は画期的ですね 」
サブリエル
「 そうなんですか??
何事も分かり易い方が良いかと存じます。
“ 呪術師 ” も男女の区別が付きませんよね?
男性の呪術師を “ 呪術士 ” と呼んで、女性の呪術師を “ 呪術婦 ” と呼び分けるようにすると男女の区別が付きますわね 」
リィグレーシェド
「 あぁ……確かにそうですね。
呪術士と呪術婦ですか 」
サブリエル
「 この呼び方が広まって定着すれば──、幼いリグ様に呪いを掛けたのは “ 呪術士で魔男と呼ばれていた人物 ” だと分かり易くなりますわ。
リグ様、呪いを掛けた魔男の正体は判明しているのですか?
呪いは “ 掛けた相手にしか解除が出来ない ” と書物に書かれているのを呼んだ事がありますわ。
犯人は捕らえているんですか? 」
リィグレーシェド
「 …………幼い私に呪いを掛けた魔男は……私に呪いを掛けた直後に命を絶ってしまってたのです。
ですから、魔男が私にどのような呪いを掛けたのか……未だに不明なのです 」
サブリエル
「 分からないまま…なんですか??
呪いに関する何等かの手懸かりはないんですか? 」
リィグレーシェド
「 何も…… 」
サブリエル
「 犯人が何処に所属している呪術士なのかも……ですか? 」
リィグレーシェド
「 そうですね…。
…………私の目の前で黒炎に包まれて亡くなったので、身元を調べる事が不可能だったのです… 」
サブリエル
「 呪いを掛けた本人が絶命して亡くなった所為で、リグ様に掛けられた呪いは分からなくて……、魔男が居ないから呪いを解除する手立てもない……ですか?
」
リィグレーシェド
「 そうなります。
私に掛けられた呪いを解く為に両親が多くの呪術師に依頼を出したてくれました。
ですが……誰1人として私に掛けられた呪いを解けた呪術師は居ませんでした… 」
サブリエル
「 …………リグ様は “ 呪いは解けない ” と諦めてしまわれたのですか? 」
リィグレーシェド
「 …………両親は諦めてしまいました。
けれども……私は未だ諦めてはいません。
諦めたくない気持ちが未だ私の中に残っていますから… 」
サブリエル
「 リグ様……。
…………私には…呪術の事はサッパリです。
魔法の使えない私には……リグ様に掛けられた呪いを解く事も出来ません……。
ですけど──、リグ様を応援する事は出来ます!
リグ様を支える事も出来ますわ!
私は……私に出来る方法で諦めないリグ様を助けます!
諦めてしまったら、其処で終わりですから──。
呪いを解く方法を模索し続けていれば、必ず見付けられます!!
リグ様、人間のする事に “ 絶対 ” なんてないんです!
今は未だ解けない呪いにも必ず何処かに綻びは有りますわ! 」
リィグレーシェド
「 サブリエル…… 」
サブリエル
「 私は──いいえ、フォンオスコ公爵邸で働いている皆さんも、フォンオスコ公爵領民も、リグ様の味方ですわ!!
皆さん、リグ様の事が大好きですもの。
解けない呪いを受けていたって関係ありませんわ。
リグ様は、リグ様ですもの!! 」
なんて、私は心にも思っていない事を熱心に口走りました。
何処かで聞いたような事のある言葉を並べ立てて最もらしい事を言ってみました。
贅沢な暮らしをさせて頂いてますし、好きな事だって好きなだけさせて頂いているんですから、これぐらいのヨイショするぐらいどうって事ないですよ!!
私は両手でリグ様の両手を握りしめながら、上目遣いを忘れません。
巨漢公爵デブゴン相手ですから、ムードもヘチマも有りませんけどね!!
リィグレーシェド
「 サブリエル……有り難う御座います(////)
この身が “ 呪われている ” とサブリエルに打ち明けたら……避けられると思っていました…。
私と目も合わせてくれなくなり、口も聞いてくれなくなると…………思っていました。
私に “ 金輪際、会いたくない ” と拒絶されてしまうだろうと……覚悟していました 」
サブリエル
「 ふふふ……。
それはそれは杞憂でしたわね。
リグ様は私にとって恩人ですからね!
大事な恩人様を拒絶したり、避けたりなんてしませんわ!
これからも変わらず私は、リグ様だけのサブリエルですわ(////)」
財力,権力,人望,地位,名声を兼ね備えている優良物件の御機嫌を損ねるような事は言いませんよーーー!!
カ◯ゴン先生宜しく巨漢公爵デブゴンなのは否めませんけど、目を瞑って差し上げまっす!
今の暮らしを続けたいですからね、私は口から偽りの言葉を吐き続けますよ~~!!
リグ様は私の言葉に感激しているのか喜んでくれていますから、今まで以上に良好な夫婦関係を続けられそうです。
悪魔の儀式こと●●●●だけは全力で遠慮しますし、拒否させて頂きますけどね!!
リィグレーシェド
「 …………長話が過ぎてしまいましたね。
私は書斎へ戻ります 」
サブリエル
「 書斎へですか?
御休みになられるのではないのですか? 」
リィグレーシェド
「 今夜中に目を通さなければならない仕事がありますから 」
サブリエル
「 リグ様!
働き過ぎは身体に良くありませんわ。
リグ様だけの身体ではないんです。
ちゃんと身体を労ってくださいませ!
根を詰め過ぎると大事な時に身体が思い通りに動かなくなりますわ 」
リィグレーシェド
「 サブリエル…… 」
サブリエル
「 きちんと休憩を挟んでくださいませ。
纏まった休みは頂けないのですか?
私……リグ様が働き過ぎて過労で倒れるなんて嫌ですわよ 」
リィグレーシェド
「 そうですね。
心に留めておきます。
私の心配をしてくれて有り難う、サブリエル 」
サブリエル
「 御休みなさいませ。
私の愛しいリグ様…… 」
私はリグ様の右手の甲に軽い口付けをしました。
リィグレーシェド様は左右にも前後にも肥えているデブゴンですけれど、長身なんです。
頬や額に口付けをしようにも届きませんからね!
リィグレーシェド
「 御休み、サブリエル……(////)」
一致ょ前に照れた様子の巨漢公爵デブゴン──いえ、リィグレーシェド様は私の自室から退室されて行きました。
まかさ、リィグレーシェド様が幼少の頃に呪術師から呪いを掛けられていたなんて思ってもいませんでした。
リィグレーシェド様にしてみればとんでもないカミングアウトだったのでしょうけれど、前世の記憶を持つ私には、やっぱり今一ピンと来ない内容でした。
日本にも呪術師──陰陽師の末裔が居てオカルト系や心霊系のTV番組に良く出演して活躍していたのを見てましたけど、日本の呪術と異世界の呪術って違うのかしらね??
◎ 訂正しました。
掛けたの魔男は…… ─→ 掛けた魔男は……




