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☀ 姉の代わりに巨漢公爵に嫁いだ取り柄のない子爵令嬢は、浄化魔法が開花しました。  作者: 雪*苺
【 翌日( 木曜日 )】サブリエル 黙視浄化を覚える
48/50

✒ リィグレーシェドの苦悩 2


?

「 ──リグ様?

  どうかされましたの? 」


リィグレーシェド

「 ………………エル? 」


サブリエル

「 はい♥️

  リグ様のサブリエルですわ(////)」


リィグレーシェド

「 …………私は何(なに)を?

  というか………… 」


 リィグレーシェドが両目を開けると愛しいサブリエルの顔が視界に入る。

 どうやら上から覗き込まれているようだ。


サブリエル

「 お疲れでしたのね。

  でも……そろそろ起きてくださいませ 」


リィグレーシェド

「 …………この体勢は…… 」


サブリエル

「 ふふふ♥️

  私の膝枕ですわ(////)」


リィグレーシェド

「 …………膝枕??

  エルの?? 」


 リィグレーシェドは29年間、1度も膝枕なるものをされた経験が無い。

 愛しいサブリエルの生膝の上に自分(リィグレーシェド)の後頭部が乗っている事を理解するのに暫く掛かった。


リィグレーシェド

「 ──済まない、エル!

  重たかったろう? 」


サブリエル

「 大丈夫ですわ。

  リグ様の寝顔を間近で見れて嬉しいですもの。

  私以外の膝枕では寝ないでくださいませね? 」


リィグレーシェド

「 膝枕はエルが初めてだよ。

  これからも膝枕はエルだけだ(////)」


サブリエル

「 膝枕は…ですか?

  他(ほか)の事も私以外とはし(・)な(・)い(・)で(・)ほしいですわ… 」


リィグレーシェド

「 エル…… 」


サブリエル

「 …………リグ様には何(い)時(つ)迄も私だけのリグ様で居(い)てほしいですもの…… 」


リィグレーシェド

「 ………………それに関しては済まないと思っているよ…。

  本(ほん)当(とう)ならば私もエルだけのリィグレーシェドで居(い)たいんだ… 」


サブリエル

「 …………分かっていますわ……。

  全ての貴族領主が忠誠を誓う為に王国に籍を置いている事も…………王命には逆らえず、忠誠を示す為に王命に従わざるを得ない立場である事も……承知していますもの…。

  ですけど…… 」


リィグレーシェド

「 エル… 」


 涙目になり悲しんでいるサブリエルの涙は今にも溢れ落ちそうだ。

 頭では理解していても心の中では未(いま)だに納得が出来ていないのだろう、両肩をプルプルと震わせている。

 他(ほか)の公爵家(け)当主の妻達も、サブリエルのように理不尽な王命に対して表向きは了承していても、心の中では納得が出来ずに悲しんでいる者も居(い)るのだろう。

 自分(リィグレーシェド)と同様に理不尽な王命に頭を悩ませている当主も少なくない筈だ。

 国王の娘──王女を妻に出来るのだから喜んでいる当主も居(い)るだろうが……。

 貴族領主は世代交代する度(たび)に≪ 王都 ≫へ赴(おもむ)き、忠義と忠誠を誓う為の儀式を行(おこな)い、王命に逆らえないようにと王隷紋という刻印を身体(からだ)の一部に刻まれる事になっている。

 この “ 王隷紋 ” の存在が厄介この上ないのだ。


リィグレーシェド

「 エル……泣かないでくれ… 」


サブリエル

「 ……無理を言わないでくださいませ……。

  リグ様が……嫁がれて来(き)た王女様……に、される事を考えたら…………胸が張り裂けそうですもの…… 」


リィグレーシェド

「 エル…… 」


 リィグレーシェドは両肩を震わせているサブリエルの肩に手を置くと抱き寄せる。

 こんなにも自分(リィグレーシェド)はサブリエルから想い慕われているのかと思うと嬉しさと熱い何(なに)かが一緒に込み上げて来(く)る。

 リィグレーシェドはサブリエルの両目に溜まっている涙に唇を近付けた。


サブリエル

「 リグ様……(////)」


 サブリエルは両頬を赤らめながらリィグレーシェドを上目遣いに見上げる。

 まるでこの後(あと)の展開を期待しているかのように見えてしまうのはリィグレーシェドの自惚れだろうか。


リィグレーシェド

「 エル──、これからは……2人きりの時は……その──、“ リグ ” と呼んでくれないかな? 」


サブリエル

「 えっ…………でも……リグ様は歳上ですし……呼び捨てなんて……(////)」


リィグレーシェド

「 これから朝まで深く愛し合う者同士なのだから、“ 様(さま) ” は止(や)めよう。

  大好きなエルには “ リグ ” と呼んでほしいんだ。

  嫌(いや)…かな? 」


サブリエル

「 嫌(いや)だなんて、とんでもないですわ!

  …………嬉しいです(////)」


リィグレーシェド

「 それなら良(よ)かった。

  早速、私の名前を呼んでくれるかな? 」


サブリエル

「 …………リグ…………さま? 」


リィグレーシェド

「 それは駄目だよ。

  小さく “ さま ” って聞こえた。

  もう1度、ほら── 」


サブリエル

「 リ……リグ…(////)」


リィグレーシェド

「 違うかな。

  私は “ リリグ ” ではないし。

  もう1度── 」


サブリエル

「 ………………リグ……(////)」


リィグレーシェド

「( 名前を呼ぶだけなのに、何(なん)でこんなにも可愛いんだ(////)

   本(ほん)当(とう)に──エルは狂おしいな……。

   理性が何(ど)処(こ)かへ吹き飛ばされてしまいそうだ… )」


サブリエル

「 あの……リグ…………(////)

  …………そろそろ…………良(い)いですか? 」


リィグレーシェド

「 うん?

  あぁ、ごめん……考え事をしていたんだ。

  そろそろ──何(なん)だったかな? 」


サブリエル

「 …………(////)

  リグ……は意地悪ですわ…。

  ──意地悪は止(や)めてくださいませ!(////)

  “ 様(さま) ” を付けて呼びますからね! 」


リィグレーシェド

「 ははは(////)

  済まないね、エル。

  意地悪なんてするつもりはないんだよ。

  あまりにもエルが可愛いから…ついね(////)」


サブリエル

「 …………私って可愛いのですか?

  自分では分かりませんわ… 」


リィグレーシェド

「 エルは世界一可愛いよ。

  私の天使だからね 」


サブリエル

「 言い過ぎですわ(////)

  私よりも可愛い女性も天使のような女性も沢山居(い)ますもの… 」


リィグレーシェド

「 例えそうであっても、私の天使も私が愛して止(や)まない1番もエルだけだよ 」


 リィグレーシェドはサブリエルの長く伸びたく(・)す(・)ん(・)だ(・)金髪を手に乗せると “ チュッ ” と軽く口付ける。

 たったそれだけするだけで、当のサブリエルは顔をトマトのように真っ赤にさせて照れるのだから、これが可愛くなくて何(なん)だと言うのか。

 恥ずかしそうに俯いているが、これからもっと恥ずかしい夫婦のスキンシップを始めるというのに、サブリエルは毎晩こんな感じで恥じらいの度が過ぎる。

 全く恥じらいのないサブリエルも魅力的ではあるだろうが、恥じらいのあるサブリエルの方が見るのも接するのも面白いのは否定出来ない。


リィグレーシェド

「 ──あぁ、もう痕(あと)が消えかけているね。

  これは何(い)時(つ)付けた痕(あと)だったかな? 」


サブリエル

「 ──っ(////)

  ま、未(ま)だ消えてませんし、付け直(なお)さなくても…… 」


リィグレーシェド

「 それは駄目だよ。

  “ 私だけのエル ” だという大事な証(あかし)なのに。

  消えてしまう前に上(うわ)付(づ)けしないとね 」


サブリエル

「 …………あの…………私……さっきから……ずっと…その……(////)」


 サブリエルは身体(からだ)をモジモジとさせながら顔を赤らめている。

 リィグレーシェドは口から涎が垂れないように左手で口元を隠しながら「 トイレかな? 」なんて言ってみる。

 サブリエルは益(ます)々(ます)顔を赤らめて、熟したトマトみたいに赤い顔で「 違いますわ! 」と強く否定して来(く)る。

 両目に涙が見える。

 本(ほん)当(とう)に違うのだろう、サブリエルは怒った表情でリィグレーシェドを上目遣いに睨んでいる。


リィグレーシェド

「( エルは怒っても可愛いな(////)

   う~~ん……私は先にキスマークを付けてしまいたいんだけどな…… )

  違うなら、どうしたのかな?

  どうしてエルはモジモジしてるのかな?

  これから始める(キスマークを付ける)事が恥ずかしい? 」


サブリエル

「 ~~~~~(////)

  言わせないでくださいませ!(////)」


リィグレーシェド

「 エル、私は超能力者ではないんだ。

  声に出して教えてくれないと分からないよ?

  ちゃんと口に出して教えてくれるかい? 」


サブリエル

「 …………やっぱり…リグ…………は意地悪ですわ(////)

  察してくださいませ…(////)」


リィグレーシェド

「 えぇ?

  教えてくれないって事かな?

  じゃあ、今夜は何(なに)もしないで、このまま寝ようか? 」


サブリエル

「 えっ!?

  な……何(なに)もしませんの?? 」


リィグレーシェド

「 そうなるよ。

  エルがモジモジしている理由を教えてくれないのだから仕方無いよね?

  私はエルと朝まで気持ち良(い)い事をしたいんだけど……、エルは違うみたいだからね? 」


サブリエル

「 ──ちがっ……(////)

  私も…リグ……と気持ち良(い)い事がしたいですわ(////)

  夫婦ですもの!

  ………………あの……その…………ずっと……欲しくて…(////)」


リィグレーシェド

「 うん?

  えぇと……何(なに)か欲しい物があるのかい?

  欲しい物があるなら、私に気にせず買えば良(い)い。

  その為の小遣いは毎月渡しているし 」


サブリエル

「 も、もう!

  違いますから!

  その “ 欲しい ” じゃありませんわ!(////)

  私は──リグ様が欲しいんですわ!! 」


リィグレーシェド

「 エル、今── “ 様(さま) ” を付けたね?

  何(なに)かエルにペナルティを与えないといけないかな? 」


サブリエル

「 ペナルティ……ですか? 」


リィグレーシェド

「 そうだよ。

  何(なに)が良(い)いかな? 」


サブリエル

「 …………リグ……顔がニヤニヤしてますわ(////)

  変なペナルティは止(や)めてくださいませね? 」


リィグレーシェド

「 う~ん、そうだな~~~ 」


サブリエル

「 無視しないでくださいませ!(////)」


 サブリエルは涙目でリィグレーシェドを上目遣いで睨んでいる。

 満更でもなさそうに見えてしまうのはリィグレーシェドの自惚れだろうか。


リィグレーシェド

「 何(い)時(つ)も私からしているから──、今夜はエルからしてもらおうかな?

  どうだい? 」


サブリエル

「 ど……どうって何(なに)がですの?

  私からって──、私はリグ……に何(なに)をしたら良(い)いんですか? 」


リィグレーシェド

「 エルは何(なん)だと思う? 」


サブリエル

「 ………………えと……その……(////)」


 サブリエルは口に出して言えないのか、モジモジしながら口の中でモゴモゴと何(なに)かを言っている。

 声に出して言えないような恥ずかしい事を考えているのかも知れない。


リィグレーシェド

「 エル、許して。

  私が悪かったから(////)

  今夜はエルから私にキスをしてくれないかな? 」


サブリエル

「 えっ…………キス……ですか?? 」


 そう言ったサブリエルの顔からサーーーと血の気(け)が引いた後(あと)、直(す)ぐに耳まで赤くなる。

 どうやらサブリエルが考えていた事はキスとは全然違う事だったようだ。

 一体何(なに)をしようとしてくれていたのか気になってリィグレーシェドは仕方無い。


サブリエル

「 …………あの、キスですか?

  本(ほん)当(とう)にキス……で良(い)いんですよね? 」


リィグレーシェド

「 うん?

  エルは私にキス以外の事をしてくれる気でいたのかな?

  今からでも変えようか? 」


サブリエル

「 キ、キス──で良(い)いですわ!

  私にも出来ますもの! 」


リィグレーシェド

「 それは頼もしいね。

  じゃあ、今から私の口にしてくれるかな? 」


サブリエル

「 …………えと……いきなり口ですの?

  リグは……私の口にしてくれる前には額(ひたい)(オデコ)や頬にしてくれますのに…(////)」


リィグレーシェド

「 ふ~~ん、エルは私の口にキスするのが嫌(いや)なんだね? 」


サブリエル

「 ち──違いますわ!(////)

  あの……恥ずかしいですから……両目を瞑(つむ)ってくれませんか? 」


リィグレーシェド

「 分かった 」


サブリエル

「 あ、後(あと)──、少しだけ口を開けて欲しいですわ(////)」


リィグレーシェド

「 口を?

  舌でも入れて絡めてくれるのかな? 」


サブリエル

「 も、もう!

  そう言う事は、思っていても口に出さないでくださいませ!(////)」


リィグレーシェド

「 すまないね(////)

  どうやら緊張しているみたいだ…(////)」


 「 ははっ(////)」と嬉しそうに笑ったリィグレーシェドは、瞼を落として両目を閉じると口を少しだけ開ける。

 サブリエルの両手がリィグレーシェドの両腕を掴んだのが分かった。

 自分(リィグレーシェド)の唇に柔らかい何(なに)かが優しくソッと触(ふ)れて、重なった感触がした。

◎ 全て、リィグレーシェドが見ている夢で御座います。

  精霊からマッサージを受けたお蔭で(?)、幸せな夢が見れているようです。

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