✒ ずっと浄化タイム 2
創生王:ニテンス
「 ──資金等要らんわ。
材料は妖精に調達させれば良いし、人材は小人が居る。
ボクに全て任せよ 」
サブリエル
「 ニティ…… 」
創生王:ニテンス
「 サリーは見とるだけで良いからの。
孤児探しも妖精にさせれば良い。
人間の孤児だけでなく、亜人類の孤児も保護するからの 」
サブリエル
「 亜人類の孤児?
えっ──、亜人も居るんですか?! 」
創生王:ニテンス
「 勿論、居るぞ。
フォンオスコ公爵領地には少ないが居るには居るのだ 」
リィグレーシェド
「 ニテンス──、亜人類の孤児を保護してどうするつもりですか?
一体誰が面倒を見ると言うんです? 」
創生王:ニテンス
「 孤児の世話も教育も精霊にさせるから良い。
精霊は人間のように偏見も差別もせん。
分け隔てなく平等に接する事が出来るからの。
亜人類の孤児が暴走しても、精霊ならば無傷で止められる 」
リィグレーシェド
「 亜人の孤児達が成人したら何をさせるつもりですか? 」
創生王:ニテンス
「 決まっておろう!
サリーの親衛隊を作るのだ! 」
サブリエル
「 私の親衛隊……ですか?? 」
親衛隊──って、いきなり何を言い出すんですか、ニテンス様は!
私はアイドルではないんですけど……。
リィグレーシェド
「 ニテンス、親衛隊とは?
護衛の私が居るのに何故エルに親衛隊が必要なのですか? 」
創生王:ニテンス
「 亜人類は人間より丈夫で強いからの、屈強で強固な亜人類の親衛隊が山ほど居れば、他の領主や王族に対して牽制も出来よう。
仮に魔法省とやらの輩がサリーを捕らえに来ても赤子の手を捻るように簡単に撃退も出来るのだ。
ボクもちゃんと保護した亜人類の使い道を考えておるのだ。
サリーを衛る為の投資だの 」
サブリエル
「 ちゃんと下心──目的は有るんですね。
一寸安心しましたわ 」
創生王:ニテンス
「 ボクは人間に対しては慈善事業等せんよ。
使い道があるから利用する為に投資するだけだの。
亜人類は昔から自然との調和,共栄共存を望む種族だからの、人間よりも信仰心が強いのだ。
気が向いた時だけ心を向けたり,心を背けたり、普段知らん顔しているくせに困った時だけ神頼みしてすり寄るような都合の良い事はせんのだ。
目に見えん不思議な存在,不思議な力を素直に信じ、認めておるし敬意を払って暮らしておる。
投資も無駄にはならんよ 」
サブリエル
「 耳が痛い話ですわ… 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
自然界から離れて暮らすようになった人間より、自然界の中で生きておる生物の方が霊観を感受する佛性が強いからの。
人間は “ 虫の知らせ ” に疎くて鈍いのは霊観を感受する佛性が弱いからだの。
亜人類は人間と違い “ 虫の知らせ ” にも敏感なのだ。
騎士に居ると頼りになる存在なのだぞ。
兄上も覚えておくと良かろうて。
亜人類に喧嘩を売るようは馬鹿な事はせん事だの。
妖精も精霊も人間より亜人類に味方をする故、勝ち目はないと思う事だの 」
「 霊観を感受する 」とか「 佛性の強弱 」とか佛教と通じる部分があるなんて、何か不思議ですね~~。
もしかしたらニテンス様は前世の記憶がある私の為に分かり易く話してくれているのかも知れませんね?
創生王:ニテンス
「 亜人類の孤児院は裏山に建設するからの。
自然の中で暮らす方が野生の勘も研ぎ澄まされるからの。
因みにサリー親衛隊隊長はボクがなるからの!
副隊長は兄上だからの! 」
リィグレーシェド
「 エルを衛る為の隊なら、慎んでお受けしましょう 」
サブリエル
「 孤児と孤児院に関しては、全面的にニティへお任せしますわね 」
創生王:ニテンス
「 うむ!
豪華客船に乗ったつもりで任せよ! 」
リィグレーシェド
「 ニテンス、当主の私に出来る事はありますか? 」
創生王:ニテンス
「 これと言って無いかの?
あれば相談する故、安心せい。
亜人類には実技訓練でモンスター討伐もさせる予定でおる。
解体場の建設も必要だの。
モンスターから取れた素材,魔石,臓物,肉類は商業ギルドと提携して売買すれば良いの。
儲けは領地開拓の資金へ回せば良かろう。
信用,信頼の出来る商業ギルド探しと提携契約に関しては兄上に任せて良いかの? 」
リィグレーシェド
「 分かりました。
尽力しましょう 」
創生王:ニテンス
「 うむ、兄上の人を見る目を信じておるぞ! 」
サブリエル
「 あの……ニティ、出来ればで良いんですけど、奴隷商で売買されている成人前の子供達も保護出来ませんか? 」
創生王:ニテンス
「 奴隷か。
奴隷ならば奴隷商人から買わなければならんの 」
サブリエル
「 そうですよね… 」
創生王:ニテンス
「 ふむ…。
ならば奴隷商を丸ごと買い取ってしまえば良いだけだの 」
サブリエル
「 奴隷商を買い取る?
ニティ、そんな事が出来るんですか? 」
創生王:ニテンス
「 出来るぞ。
奴隷商を買い取り、外装はそのままで中身を孤児院に改装すれば良い。
小人にさせれば良いし、奴隷の世話は精霊にさせれば良い。
手始めにフォンオスコ公爵領地内にある奴隷商を乗っ取──いや、買い取ろうかの 」
サブリエル
「 ニティ、“ 買い取る ” じゃなくて “ 乗っ取る ” って言い掛けました? 」
創生王:ニテンス
「 な、なんの事かの?
ボクはちゃんと “ 買い取る ” と言ったぞ!
奴隷商人に妖精を憑依させて乗っ取る訳がなかろう? 」
サブリエル
「 ニティ──、“ 妖精を憑依させる ” って何ですか? 」
創生王:ニテンス
「 はて……。
そんな事、言ったかの…?? 」
サブリエル
「 ニティ!
何かとんでもない事をしようとしてませんか? 」
創生王:ニテンス
「 しとらんよ!
す、する訳がなかろう?
サリーに誓っても良いぞ? 」
サブリエル
「 どうして疑問系なんですか? 」
創生王:ニテンス
「 ち、誓おう!
サリーに誓う! 」
慌てふためいちゃってえ~~~、ニテンス様ったら可愛過ぎます♥️
ニテンス様が私の知らない所で良からぬ事をしようとしているのは明白ですわね。
だからと言って私はニテンス様が今からされようとしている事を止めるつもりは毛頭ありません。
責める気もないですし、思う存分してくれて構わないとすら思っていますわ。
人間──奴隷商人に妖精を憑依させて奴隷商を乗っ取る…………完全に悪役のする事じゃないかしらね??
ニテンス様は妖精と精霊を生み出す存在ですから、悪役ではないですけれど……やる事は完全に悪行ですわね~~。
奴隷商人に妖精を憑依させる事が出来るなら、奴隷を調達する奴隷商人(?)にも妖精を憑依させたらどうなのかしら?
そうすれば、奴隷として人身売買される人間も亜人類も多少は減るんじゃないかしら??
ニテンス様と2人きりになったら相談してみましょう。
この国から奴隷を完全に無くす事なんて出来ないと思いますけど、ニテンス様に協力してもらえたら、減らす事は出来るんじゃないかしらね?
奴隷商に態々お金を支払って奴隷を買う必要がなくなりますし、タダで未成年の子供達を保護する事が出来ますものね!
浮いたお金を領地開拓資金へ回す事も出来るもの!
流石にこんな話を新生リグ様の前で出来ませんわよね?
私って……意外と腹黒いのかしら??
…………だけど、妖精を憑依させた人間はどうなるのかしら?
まぁ……、私が知る必要もないですよね?
サブリエル
「 ニティ、何事も程々にしてくださいね?
騒ぎになるような事が有れば、面倒事が増えそうですもの。
休暇中のリグ様に負担を掛けるような事になっては── 」
創生王:ニテンス
「 心配性だの。
ボクは人間じゃないからの、失態なんかしないのさ。
仮に失態しても上手く揉み消すから安心せい 」
サブリエル
「 頼もしいですわね~~ 」
「 揉み消す 」って──ニテンス様……。
都合の悪い犯罪の証拠を権力を悪用して、証拠隠滅を計って、事実を隠蔽する警察の上層部や政治家みたいですね~~。
根回しをしないで簡単に出来てしまうなんて、やっぱりニテンス様は凄い方なんですよね…。
サブリエル
「 そう言えば──、モンスターを倒すと魔石……ですか?
拾う事が出来るんですか? 」
リィグレーシェド
「 エルは魔石を見た事は── 」
サブリエル
「 ありませんわ。
魔石を落とすのはダンジョンに生息するモンスターとばかり思っていましたもの 」
リィグレーシェド
「 ダンジョン…ですか?
“ 秘境に聳え立つ ” と言われている古の遺跡の事でしょうか? 」
サブリエル
「 古の遺跡……ですか?
初めて聞きましたわ 」




