✒ ずっと浄化タイム 1
──*──*──*── 翌日
食堂でニテンス様,新生リグ様と朝食を食べた終えた私は、食堂から浄化を始める事にしました。
食堂にあり、私の手に届く範囲の物にだけ軽く触れて浄化をします。
ニテンス様曰く熟練度が上がれば態々触らなくても浄化したい物を視界へ入れて願えば浄化する事が可能になるそうです。
目でピントを合わせる感じでしょうか?
そういうビデオカメラが昔ありましたね~~。
触らなくても浄化が出来るなんて素晴らしいですわね?
食堂の浄化が終わったら、シェフやコック達に許可をもらって厨房の中を浄化しました。
「 厨房の中が見違えた 」と喜んでもらえたので頑張って浄化をした甲斐がありますわ。
それからも私は、ニテンス様,新生リグ様と一緒に公爵邸内を歩き回り、浄化をしまくりました。
ずっと浄化のターンです。
正午を向かえた為、食堂へ戻ってからニテンス様,新生リグ様と一緒に昼食を食べます。
昼食を終えたら、私は再び浄化を始めます。
廊下であった侍女のトレモアとヤンミーに15時になったらティールームで一休みする事を伝えて、準備をしてもらう事にしました。
快く引き受けてくれたトレモアとヤンミーは顔を赤らめながら気恥ずかしそうに新生リグ様へ御辞儀をして去って行きました。
もしかしなくても、トレモアとヤンミーは新生リグ様に惚れてしまったみたいですわ。
巨漢デブゴンの容姿ではない今の新生リグ様に惚れない女性なんて居ない筈です。
独身の侍女達は新生リグ様にメロメロ~~~~ンみたい。
新生リグ様の美貌と美声が何れだけ危険なのかって事が、よぉ~~~~~~く分かりました!!
“ 妖精の悪戯 ” を解いてもらって一昨日迄の巨漢デブゴンに戻ってもらった方が良い気がして来ましたわ。
ニテンス様と私が傍に居なかったら、トレモアとヤンミーは侍女服のスカートを捲り上げて、下着を見せながら新生リグ様に迫っていたかも知れません。
どっちの容姿でもリィグレーシェド様は凶器なんですね~~~~。
──*──*──*── ティールーム
15時になったので、私はニテンス様,新生リグ様と一緒にティールームへ向かいました。
ティールームでティータイムを済ませたら、ティールームの室内も浄化するつもりです。
今日の紅茶はフルーツティーです。
透明な──ガラス製のティーポットの中にスライスされたフルーツが入っています。
フルーツアイスティーですね~~。
そしてティースイーツはフルーツ入りのパウンドケーキです。
豆乳生クリームを付けて食べすよ~~♥️
ニテンス様は無味なアイスフルーツティーとフルーツ入りパウンドケーキに御立腹みたいで、ムスッとしながら黙々と食べています。
不貞腐れながらパウンドケーキを頬張るニテンス様も可愛いですね~~。
癒されちゃいます♥️
私が調理した料理やスイーツしか食べても味がしないなんて気の毒ですよね?
今度、アイスフルーツティーとフルーツ入りパウンドケーキをニテンス様の為に作ろうと思います。
シェフみたいに上手には作れませんけどね……。
そうそう、私は前から気になっていた事があって、この機会に思い切って新生リグ様に聞く事にしました。
サブリエル
「 あの……リグ様、ずっと気になっていた事があるんです 」
リィグレーシェド
「 何でしょうか、エル 」
サブリエル
「 リグ様が所属されている王国騎士隊と王国騎士団は何が違うのですか? 」
リィグレーシェド
「 王国騎士団は≪ 王都 ≫や王城,東西南北の国境を衛る為に配置される騎士達が所属する騎士団です。
王国騎士隊は王国騎士団へ配属される候補生の騎士達を鍛える場所です 」
サブリエル
「 そうなんですか?
リグ様は騎士候補生を鍛える騎士隊で働いておられるのですね 」
リィグレーシェド
「 騎士候補生には貴族出身の令息が殆んどを占めています。
騎士となるべく必要な知識,礼儀作法,騎士道…等々あらゆるノウハウを学ばせ、徹底的に身体へ叩き込み、騎士に相応しい者へ育てます 」
サブリエル
「 徹底的に…ですか? 」
リィグレーシェド
「 そうですね。
何処の部署へ配属されても与えられた役目を果たせるように鍛えなければなりませんから 」
サブリエル
「 そうなんですね。
リグ様も指導されるのですか? 」
リィグレーシェド
「 私が指導する時は毎週金曜日に行なう実技テスト,中間試験で行うテスト,最終試験で行う最終テスト,配属先を決める事ですね。
それ以外の毎週月曜日 ~ 木曜日は平民出身の騎士候補生達を指導しています 」
サブリエル
「 平民も騎士になれるんですか? 」
リィグレーシェド
「 なれますよ。
騎士は多い方が良いですから。
騎士になれずとも兵士や自警団へ入隊すれば活躍する事も出来ます。
平民には剣術の前に読み書き,算術を学ばせます。
騎士道を学ぶのは読み書き,算術のテストに合格出来た者だけになります 」
サブリエル
「 そうなんですね。
孤児を保護して騎士に育てたりはしないのですか? 」
リィグレーシェド
「 孤児ですか?
そうですね……今まで試みた事はありません 」
サブリエル
「 孤児の中にも〈 エナ 〉は居ますわよね?
保護されるのですか? 」
リィグレーシェド
「 …………保護──と言うよりは連行に近いかも知れませんね。
〈 エナ 〉を探して連行するのは主に魔法省です 」
サブリエル
「 魔法省ですか?
魔法使いが沢山居そうですわね 」
リィグレーシェド
「 そうですね。
取り敢えず〈 エナ 〉は魔法省へ入れられる決まりとなっています。
魔法省から騎士隊へ移動する者も多いです。
私も魔法省から騎士隊へ移動した1人ですよ。
魔法省には、魔法師,魔術師,魔導師,呪術師,治療師の5分類されています。
神殿に所属している治療師は “ プリースト ” と呼ばれて区別されています 」
サブリエル
「 どうしてリグ様は騎士隊へ移動されたのですか? 」
リィグレーシェド
「 あぁ…それは……単純な理由ですね。
『 魔法省に居ても君は痩せないだろうから、騎士隊へ入って痩せたまえ 』と言われて騎士隊へ移動しました 」
サブリエル
「 あ……何か済みません……。
聞いてはいけませんでしたね… 」
リィグレーシェド
「 ははは…。
そんな事はありませんよ。
私は魔法省で研究を続けるよりも騎士隊で身体を動かす方が好きでしたからね。
移動してもらえて私は感謝しています 」
サブリエル
「 えぇと……騎士隊へ入られて効果はありましたか? 」
リィグレーシェド
「 さっぱりでしたね。
呪い…ですから。
抑運動して呪いが解けるなら、とっくに解けています。
用事で魔法省を訪ねる時がありますけど、『 最初の頃より何で太ってるんだ? 騎士隊で一体何をしてるんだ?? 』と毎回聞かれます 」
サブリエル
「 呪いの所為で痩せられない事を話さないのですか? 」
リィグレーシェド
「 魔法省で正直に打ち明けていたら、間違いなく実験台にされていたでしょうね…。
【 原因不明の呪いを解明する為に 】という名目で様々な魔法の餌食になっていましたよ。
人体実験を正当化してくれる大義名分を手に入れた魔法省は魔の巣窟ですね 」
サブリエル
「 魔法省って怖いんですわね… 」
リィグレーシェド
「 ですから〈 ノマ 〉のエルが浄化魔法を使える事を魔法省の者に知られる訳にはいきません。
王城へ行く事になっても決してエルは魔法省へ近付かないように注意してください 」
サブリエル
「 心しますわ 」
リィグレーシェド
「 他に聞きたい事はありますか? 」
サブリエル
「 …………リグ様、私──公爵領地内に居る孤児を保護したいですわ!
公爵邸の敷地内に孤児院を立てて、12歳まで孤児院で読み書き,算術教養,作法を教えたり、生活力を身に付けさせたいですわ。
12歳になったら公爵邸で使用人として働くか、騎士隊へ入団するか、成人後に孤児院を出て1人立ちして他の働き口を探すのか選んでもらうんです。
〈 エナ 〉には魔法省へ行ってもらう事になるかも知れませんけど──、魔法省へ行かなくても公爵邸で使用人として働く事は出来ますか? 」
リィグレーシェド
「 〈 エナ 〉が必ず魔法省へ入らなければならない事はないですよ。
本人が望むなら公爵邸で使用人として働いてもらって構いません。
神殿へ入り、世俗から離れて聖職者として生きる道を選んでもらっても構いません 」
サブリエル
「 そうなんですね。
選択肢は多い方が良いですわね 」
リィグレーシェド
「 孤児を保護するのは良い案だと思いますよ。
孤児の面倒を見るのは大変です。
継続させる事が出来るかが問題です 」
サブリエル
「 そうですよね…。
簡単な事ではないと思いますわ。
だからと言って孤児から目を反らし続けて知らん顔するのは良くありませんわ。
孤児も大事なフォンオスコ公爵領地の領民ですもの。
教育を受けさせるのは大人の義務ですし、責任ですわ。
孤児にも教育を受ける権利はあります 」
リィグレーシェド
「 エルの思い,考えは分かりました。
公爵邸の敷地内は広大ですから孤児院を建てるのは構いません。
それには必要となる資金と人材,材料を調達しなければいけません 」
サブリエル
「 そうですわよね… 」
何を始めるにも先ずは資金──お金が必要ですわ。
世界が違っても時代が違っても、お金が無くちゃ始められないのは同じですわね~~。




