✒ 平穏な日々 4 / スイーツ作り
──*──*──*── 女性使用人専用厨房
食堂を出て女性使用人専用の厨房へ着いた私は、厨房を管理している厨房頭の侍女をしているネイトへ声を掛けました。
ネイトは新生リグ様とニテンス様が同行している事に驚きながらも快く厨房を使わせてくれる事になりました。
スイーツ作りをする時には必ず女性使用人専用厨房を使わせてもらっているので、大抵の事情を知っているネイトへ梨のパイとタルトタタンを作りに来た事を話しました。
ドレスが汚れないようにエプロンを着けて、髪の毛が落ちたり入らないように三角巾を頭に被せたら首の後ろで結びます。
ネイトが一緒に必要な食材,調理道具,調理器具を準備してくれました。
サブリエル
「 手伝ってくれて有り難う、ネイト 」
厨房頭:ネイト
「 これぐらい御安い御用です、奥様。
パイとタルトタタンを作るならエスタを呼んできましょうか? 」
サブリエル
「 お願い出来ますか? 」
厨房頭:ネイト
「 直ぐ呼んで来ます 」
新生リグ様,ニテンス様,私に頭を下げたネイトは侍女専用厨房を出て、エスタを呼びに言ってくれました。
創生王:ニテンス
「 サリーよ、エスタ…とは誰だの? 」
サブリエル
「 パイ作りが得意な侍女ですよ。
1人で作れたら良いんですけど……、私はパティシエみたいに器用に出来ませんから、ノウハウを知っていてパイ作りの得意な侍女に助けてもらうんです。
調理を始める前に食材,調理道具,調理器具を浄化しちゃいますね 」
私は食材,調理道具,調理器具に軽く触れて浄化します。
調理道具,調理器具は洗ってあるから綺麗だと思いますけど、念の為にです。
サブリエル
「 ふふふ、浄化魔法って便利ですよね♪
態々水洗いしなくても綺麗に出来ちゃうんですもの。
貴重な水を節約出来る凄い魔法ですわ 」
リィグレーシェド
「 確かにエルの言う通りですね。
エルの浄化魔法があれば、公爵邸で使う水量が減りますし、その分を領民へ回す事が出来ます。
水魔法を使える使用人達の負担も減らせます 」
サブリエル
「 一部屋丸々浄化が出来たら大掃除をする手間も省けて、もっと楽になりますわ 」
創生王:ニテンス
「 それならは地道に熟練度を上げる事だの。
1回使えば熟練度は1上がるからの。
ひたすら使う事だの 」
サブリエル
「 公爵邸中を触れば、熟練度もかなり上がりますわね。
リグ様、公爵邸中を浄化しても良いでしょうか? 」
リィグレーシェド
「 エルのしたいようにしてくれて構いません。
私も一緒に行動しますから、安心してください 」
サブリエル
「 有り難う御座います、リグ様(////)
早速、明日から始めても宜しいですか?」
リィグレーシェド
「 勿論ですよ、エル 」
サブリエル
「 ──浄化が終わりましたわ。
先ずは石窯の火を点けて、石窯の中を温めて──。
次は梨を切りますわね 」
食材,調理道具,調理器具の浄化を終えた私は、調理台の上に濡れ布巾を置いてから、まな板を濡れ布巾の上に置きました。
梨を手に取ると包丁を握って、まな板の上で梨を切り始めます。
創生王:ニテンス
「 サリーよ、濡れた布巾の上に木の板を置くのは何故かの? 」
サブリエル
「 まな板が動いたり、ズレないようにする為の工夫ですわ。
絶対にズレない訳ではないですけど、ズレ難くなるんですよ 」
創生王:ニテンス
「 そうなのかの? 」
リィグレーシェド
「 エル、器用に梨の皮を剥きますね 」
サブリエル
「 ナイフ使いが得意なセミフにコツを教えてもらったんです。
昔は包丁を動かして皮を剥いていたんですけど、特訓の成果ですね~~。
包丁を動かさずに皮を剥けるようになりました 」
創生王:ニテンス
「 梨の大きさが違うの? 」
サブリエル
「 パイとタルトタタンに使う梨の大きさは違います。
パイに使う梨は少し小さく切って、タルトタタンに使う梨は大きく切るんです。
切り終わった梨は鍋に入れます。
パイ用の鍋とタルトタタン用の鍋に分けたら、調味料を入れて──炒めます 」
?
「 奥様、お手伝い致します 」
サブリエル
「 エスタ!
有り難う 」
侍女:エスタ
「 これから煮詰め始めるんですね。
パイ生地とタルト生地を用意します 」
サブリエル
「 石窯の様子もお願いします 」
侍女:エスタ
「 はい、奥様。
お任せください 」
エスタが石窯の温度と様子を確認しながらパイ生地とタルト生地の用意をしてくれます。
手慣れているエスタはテキパキと動いて、スイーツ作りに慣れていない私のサポートをしてくれます。
手助けしてもらえるって、有り難いですよね~~。
創生王:ニテンス
「 香ばしくて甘い香りが漂って来たの♪
香りだけでも美味しさが伝わってくるのぅ♥️ 」
サブリエル
「 ニティったら(////)
涎は拭いてくださいね 」
侍女:エスタ
「 奥様、此方の梨はパイ生地に移しましょう 」
サブリエル
「 そうね。
パイに使う梨は瑞々しさが残るぐらいで火から上げるのがポイントです。
炒め過ぎて焦げないように早目に切り上げます 」
侍女:エスタ
「 奥様、私は此方の梨を焦げないように煮詰めます 」
サブリエル
「 お願いします、エスタ。
濡れ布巾を用意して、調理台の上へ置いたら──、濡れ布巾の上に鍋を置いてあら熱を取ります。
エスタが用意してくれたパイ生地の中へ煮詰めた梨を入れるんですけど、シャキシャキ感を出す為に煮詰めていない梨も入れます。
前以て角切りにしていた梨を入れます 」
リィグレーシェド
「 何の為に切っていたのか分かりませんでしたけど、この為に残していたのですね 」
サブリエル
「 ニティ、梨を摘み食いするのは駄目です。
御行儀が悪いですわ 」
角切りにしている梨に手を伸ばしたニテンス様の “ いけない手 ” をペチリと軽く叩きました。
御行儀の悪いニテンス様を優しく「 めっ 」した私は、パイ生地の中へ角切り梨をなるべく均等に入れます。
角切り梨を入れた上に程好く煮詰めた梨を入れて均等になるように広げます。
その上に残った角切り梨を均等に入れました。
サブリエル
「 梨を入れ終えたら、長細いリボン状のパイシートを交互に編んだら上に乗せます。
残ったパイシートで縁を1周させますわ。
溶いた卵黄をパイシートの上に塗って── 」
ハケを使って溶いた卵黄を塗り終えた私は、ピールの持ち手を持ってパイを石窯の中へ入れます。
サブリエル
「 ──後は火加減とパイの焼き加減を見ながら焼けるのを待つだけですわ 」
リィグレーシェド
「 エル、それは何の道具ですか? 」
サブリエル
「 これはピールという名前の調理道具ですわ。
石窯を使う場合は、この木製のピールの上に生地を乗せて盛り付けるんです。
盛り付け終わったら、持ち手を持って石窯の中へ生地を入れます。
木製のピールは石窯の中へ入れて置けないので、直ぐに出します。
石窯の中で生地を移動したり、焼き加減を調整したり、上部まで持ち上げて焼き目を付けたり、焼けた生地を石窯から取り出す時には此方の──、金属製のパドルを使いますわ 」
リィグレーシェド
「 木製がピールで金属製がパドル…ですか? 」
サブリエル
「 ふふふ。
本当はどちらもピール若しくはパドルと呼ばれていますわ。
用途を区別する為に私が勝手に木製をピール,金属製をパドルと呼び分けているだけですわ 」
リィグレーシェド
「 そうなのですね 」
サブリエル
「 石窯の中へ入れたパイの状態や焼き加減を確認する時は──、こうやってパドルを使うんですよ 」
私は持ち手の長い金属製のパドルを持つとパイの下へパドルを滑り混ませました。
エスタのようには未だ上手に出来ませんけど、繰り返し挑戦して馴れる事が大事です。
失敗を恐れずに、でも慎重にパドルを動かしてパイを移動させます。
良い感じに焼き色が付いてくれてます。
表面にムラなく均等に焼き色が付くようにパドルを上部へ動かして表面に焦げ目を付けます。
サブリエル
「 もう少し……かしら? 」
侍女:エスタ
「 奥様、そろそろ出しても大丈夫です 」
サブリエル
「 そうなのね。
教えてくれて有り難う、エスタ 」
エスタからパイを取り出すタイミングを教えてもらった私はパドルを動かして石窯から焼き上がったパイを取り出しました。
焼けたパイをピールの上に移します。
木製のピールは持ち手が付いているので、持ち運びするのが楽ですし、器としても使えるので便利なんです。
サブリエル
「 リグ様,ニティ──、梨のパイが完成しましたわ 」
創生王:ニテンス
「 おぉっ!!
これがパイとやらなのだな?
良い匂いが漂っておるの~~♥️ 」
サブリエル
「 焼き立てで熱いですから触らないでくださいね。
火傷しちゃいますから。
パイは此方に移動させますね 」
私はピールの持ち手を両手で持って、空いている調理台の上へ移動させました。
創生王:ニテンス
「 早く食べたいの~~ 」
サブリエル
「 ニティ、食べるのはタルトタタンが出来てからですからね 」
創生王:ニテンス
「 …………分かっておるわ 」
◎ 今まで生きてきて1度もパイ,タルトタタンなんて作った事がないので、あくまでイメージで書いています。
正しい作り方は「 パイの作り方 」「 タルトタタンの作り方 」を検索してください。
因みに石窯でパイを焼いたりするのでしょうか??
ピザピール,ピザパドルも使うのでしょうかね?
◎ 変更しました。
侍女専用厨房 ─→ 女性使用人専用厨房




