✒ 公爵様の御帰宅 7 / 君は誰だ!?
サブリエル
「 ニティ…… 」
創生王:ニテンス
「 案ずるな、サリー。
交渉はボクに任せよ 」
サブリエル
「 お願い致します、ニティ 」
創生王:ニテンス
「 サリーはボクの眷属となった。
眷属には、眷属を主とする隷属が必要となる。
眷属を護衛る盾となり剣となる者が必要なのだ。
本来ならば最低でも2名を使役させるのだが──、兄上程の逸材ならば1人でも充分であろう。
剣として盾としても、サリーを安心して任せられる。
兄上とサリーは夫婦であるし、サリーも見ず知らずの異性に護衛られるよりは幾分かマシであろう。
ボクなりの配慮だ 」
リィグレーシェド
「 “ 私のサブリエル ” に異性の護衛が…… 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
兄上がサリーの隷属となる事を拒むのならば、兄上以外の異性を2名、サリーの隷属とし護衛させる事になるな。
朝 ~ 夜までベッタリと護衛してもらう事になるが構わんかの? 」
サブリエル
「 ニティ、私の護衛は同性はいけないの? 」
創生王:ニテンス
「 サリーよ、女は何時しか母親となる者だ。
母親となれば、己が認め,忠誠を誓い,忠義を尽くす主よりも我が子を優先せねばならん者なのだ。
我が子を慈しみ,我が子へ愛情を注ぎ、我が子と信頼関係を育み、降り掛かる危険から我が子を守らねばならぬ役目がある。
我が子を守れるのは常に子供の身近に居る母親しか出来ぬ事だ。
己が我が子を赤の他人へ預け、我が子を蔑ろにし、我が子に寂しさや孤独感を抱かせながら、己が主に忠義を尽くすような母親等、母親に非ず!!
我が子を邪魔者扱いし、子育てを放棄する母親への罰は厳しいものだ。
我が子を〈 大陸神 〉から取り上げられたとしても〈 大陸神 〉へ文句を言う資格は無い!!
〈 大陸神 〉を恨み、罵倒し、責める資格も無い!!
嘆き悲しむより、己の犯した過ちと向き合い、悔い改め、一生涯後悔に暮れながら生きるのだ。
母胎に命が宿った時点で、女は母親となる。
子供を産めば、子供に対する義務と責任と使命を背負い役目を母親として果たさねばならぬ。
子供と母親の仲を引き裂いてはならんし、子供から母親を奪ってはならぬのだ。
それだけ子供にとって母親という存在が大切であり必要不可欠なのだ。
母となる女は護衛には向かん 」
サブリエル
「 ニティ、貴族の母親は産まれた子供を乳母に預けますし、子育ても丸投げするものよ。
平民だって子供を預けたり、家に残して共働きをしないと生活が苦しくて生きていけないの。
一家が路頭に迷わない為には子育てに時間を割く余裕はないの。
この時代ではニティの言う事は夢物語だわ……。
ねぇニティ、母親になる前の独身女性ではいけないの? 」
創生王:ニテンス
「 サリーよ、女は与えられた役目より、恋愛とやらに現を抜かし易いのだ。
感情を優先して役目を疎かにするであろう。
女は感情の起伏が激しく、私情を挟み易い。
身命をとして主を護衛するには力不足なのだ。
護衛とは、赤の他人である主の為に己を捧げ、自らの身体と命を張らねばならぬ。
危険が伴うが故に子供を産めぬ身体となる場合もあるのだ。
女には身体と命を張らねばならぬ護衛は務まらぬ。
女が己の身体と命を捧げて守る者は、世界に我が子のみ。
〈 大陸神 〉への信仰心が強く高いサリーならば、“ 分からぬ ” とは言うまい? 」
サブリエル
「 ニティの言う事は分かります。
分かりますけれど!
恋愛に現を抜かすのは男性も同じですわ!
男性だって、感情に流されて仕事に私情を挟む事は多少なりとも有りますわ!
“ 女性だけ ” みたいな言い方をしないでください!
確かに騎士であっても護衛であっても、身体や命を張らねばならない危険を伴う役目である事は重々承知はしています。
だからと言って、“ 女性だから ” という理由で挑戦する機会を奪うような事を言わないでください!!
“ 力不足 ” とか “ 向かない ” とか “ 務まらない ” とか決め付けないでください!
女性にだって、矜持があります!
信念だってあります!!
男性に負けない責任感も正義感も持っています!!
女性だって、やる時は殺るんです!! 」
創生王:ニテンス
「 サ、サリー…………殺ってはならんぞ… 」
サブリエル
「 あっ──?!
す、すみませんっ(////)
私ったら…………今のは言葉の綾です(////)」
創生王:ニテンス
「 よ、良いのだ……サリー。
許す故、落ち込むでないぞ?
ボクも言い過ぎたのであろう?
済まなんだな… 」
ニテンス様がオロオロしているみたいです。
きっと「 殺ります! 」発言が悪かったのね……。
うぅ~~~~どうして肝心な所で言い間違えてしまったのかしら……。
恥ずかしいわ~~(////)
今が正に “ 穴があったら入りたい ” 状況だわぁ~~(////)
リィグレーシェド
「 サブリエルは女性の護衛が良いのですか? 」
サブリエル
「 えっ?
あ……済みません(////)
私ったら……ムキになってしまいましたわ(////)
…………リグ様は今でも十分に御忙しい身ですわ。
私の隷属になってしまったら今まで以上に多忙になってしまいますわよね?
リグ様には、これ以上の負担を掛けるわけにはいきませんわ… 」
リィグレーシェド
「 サブリエル……。
私の身を案じて他の者を護衛──いえ、隷属するつもりですか? 」
サブリエル
「 えぇと…………私は………………リグ様が良いです(////)
リグ様が嫌でなければ…………リグ様に護衛……としてでも構わないので傍に居てほしい……ですわ…(////)」
そうしないと、フォンオスコ公爵領地が大変な事になっちゃいますし、フォンオスコ公爵領民が餓死して飢え死にしちゃいますからね!!
背に腹は変えられませんよね?
私が1人、巨漢デブゴンの──いえ、リィグレーシェド様の犠牲者となる事でフォンオスコ公爵領地とフォンオスコ公爵領民の希望に満ちた明日を約束されるなら、涙を飲んで私は生け贄に──、人身御供となりますよっ!!
私は腐っても一応は公爵婦人ですからね!
自己犠牲精神なんて大っ嫌いですけど──、覚悟を決めて決意をした自分を褒め称えたいですぅ~~~~!!
サブリエル
「 ──あくまでも、リグ様が嫌でなければですわ!
私はリグ様の想いを尊重したいですわ…!! 」
あらら?
この台詞は拙くないですか??
此処でリィグレーシェド様が私の隷属になる事を拒まれて、「 じゃあ、御言葉に甘えて他の者を護衛に── 」なんて言われたりしたら、フォンオスコ公爵領地とフォンオスコ公爵領民に希望に溢れたら明日ではなくて、絶望の明日が「 おはよう 」する事になるのでは??
こ、これは拙いかも知れませんわ!
言葉を間違えてしまったかも知れません!!
引いたら駄目だったのかも……。
押すべきでした?
グイグイ,ガンガンと押すべきだったのでは~~~~??
ど……どうしましょう…。
どうしたら良いのかしら……。
リィグレーシェド
「 ──サブリエルの想いは分かりました。
サブリエルの護衛を他の誰かに任せるつもりはありません。
私は自ら望んでサブリエルの隷属となります 」
サブリエル
「 ──えっ?!
あの──、良いんですか?
本当に良いんですか??
間違いなく今よりも御多忙になってしまいますわ!
お身体は大事なのでしょうか? 」
リィグレーシェド
「 大丈夫です、サブリエル。
私はサブリエルを護衛る剣と盾になりたいのです。
サブリエルと過ごせるなら喜んで隷属となります 」
サブリエル
「 リグ様…………、有り難う御座います(////)
嬉しいですわ♥️ 」
フォンオスコ公爵領地とフォンオスコ公爵領民の明日からは絶望から守られましたけど、私が明日から死んじゃいますね~~~~。
明日から毎日、巨漢デブゴンと四六時中一緒に過ごさないといけないんですよ?
ストレス死……しちゃわないでしょうか??
創生王:ニテンス
「 良かったではないか、サリー。
これで領地も領民も命拾いしたの! 」
サブリエル
「 ちょっ──、ニティ!?
何で今、此処で言っちゃうんですか! 」
創生王:ニテンス
「 めでたい事であるからに決まっておるだろう!
兄上の気が変わらぬ内に隷属契約を済ませてしまうぞ 」
嬉しそうに言ったニテンス様は、リィグレーシェド様と私に向かって、呪文……みたいなのを唱え始めました。
聞いた事のない発音です。
大陸語ではないようですね。




