✒ 公爵夫人の異変 2 / 不思議な力
──*──*──*── 厨房
自室を出て、新米メイドと共に厨房へやって来た私は、日頃からリィグレーシェド様のダイエット料理開発に快く協力してくれているシェフとコック達に「 試したい事があるんです 」と伝えて、未だ土が付いていて洗う前の野菜を集めてもらえないか話してみました。
私の突然の訪問に対して、嫌な顔をするどころか、快く招き入れてくれたシェフとコック達は、私のお願いを素直に聞き届けてくれました。
リグ様パワーは凄い効果ですよ!!
私が今から何を始めようとしているのか全く理解していない新米メイドに、シェフが用意してくれた綺麗な籠を持ってもらいます。
シェフもコック達も私がこれから何をしようとしているのか興味津々のようです。
私もこれからする事が成功するかドキドキしています。
成功しなかったら、しなかったで皆さんに多大なる迷惑を掛けてしまう事になるので、野菜洗いと野菜の皮剥きを手伝わせて頂こうと思います。
新米メイドが心配そうな表情と困惑している表情が合わさったような顔で私を見詰めています。
私は新米メイドに笑い掛けました。
「 手品が成功すると良いのだけど(////)」なんて言って、私は少しおどけて見せました。
籠の中に右手を入れて、土で汚れている野菜を1つ掴んで籠の中から出しました。
すると野菜に付いている土がみるみる内に綺麗になって行きます!
これは一体どういう事でしょうか!!
綺麗になった野菜は新米メイドが持ってくれている籠の中へ入れます。
もう1度、籠の中に右手を入れて土が付いて汚れている野菜を手に取ります。
籠から出すと野菜は洗われたように──、いえ初めから土なんて付いていなかったように綺麗になっています。
これは……もしかして──、もしかしちゃうのでしょうか??
八百屋で売られている綺麗な野菜よりも艶々していて美味しそうに見える野菜を新米メイドが持ってくれている籠の中へ入れた私は、コック達に「 調理台の上に野菜を並べてください 」と無理なお願いをしてみました。
コック達は嫌そうな顔をするどころか、何処かワクワクしている子供のように、テキパキと汚れている野菜を調理台の上へ丁寧に並べてくれました。
コック達に「 有り難う御座います 」と御礼を言った私は、調理台の上に並べられた野菜に対して、今度は触れるように軽く触ってみました。
態々野菜を持たなくても軽く触れてみただけでも野菜に付いている汚れ──土は消えて綺麗になりました。
私は並べられている野菜を次々に触ってみました。
やっぱり──というか、野菜は綺麗になります。
流石にこの不思議な現象に調理場に居たシェフ,コック達,侍女達も開いた口が塞がらないような驚いた様子で見ていました。
明らかに吃驚しているのが犇々と伝わって来ます。
「 手品……成功しちゃいました(////)」なんて笑顔で言ってみるけど、これがタネも仕掛けもある手品なんかじゃないって事は、私にも分かります。
これは……この力は────。
サブリエル
「 これって……魔法??
もしかして、私……魔法が使えてます?? 」
私は半信半疑に言葉を発してみました。
現に汚れていた野菜が綺麗になっている状態をガッツリと目撃してしまっているシェフ,コック達,侍女達,新米メイドは──、素質も無くて、魔法力も無くて、今まで1度も魔法を使えなかった私が、突如として魔法を使えるようになった事を認めざるを得ない状況みたいです。
私は自分が魔法を使えるようになった事が未だ信じられなくて──、コック達に厨房にある汚れ物を集めてもらいました。
調理台の上は汚れの目立つ調理器具や食器,食具が丁寧に並べられました。
私はコック達に「 有り難う御座います 」と笑顔で御礼を言ってから、順番に汚れ物を軽く触れて行きました。
調理器具も食器,食具も瞬時にまるで新品同様に次々と綺麗になって行きます。
サブリエル
「 これって……汚れを消して綺麗にするお掃除魔法かしら?? 」
呟いてから私はハッとしました!
サブリエル
「 これって実は凄いのかも?!
この魔法を使えば、貴重な水を節約する事が出来るかも!! 」
私は思わず喜んじゃいました。
水魔法を使える使用人が居てくれる屋敷では、水の心配をする必要が無いんですけど、水が貴重な事には変わらないんです。
節水が出来るなら節水をして、領民達へ届けたいと思うぐらいです。
シェフ,コック達,侍女達に許可を頂いて、厨房の中を粗方綺麗にさせてもらった私は、新米メイドを連れて今度は洗濯室へ向かう事にしました。




