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番外編 大人の話

そういえば二人のこういった内容の話は書いたことが無かったなと思い書きました。

二人も大人になりましたね


「私達マンネリ化してる気がする」

「..........」


 突然、そのような話題を彼女の葵からされた。話があると呼び出され待ち合わせの場所に着くなり思いもしない話題に流石の信介も言葉が出なくなった。高校を卒業して大学生活をそれぞれ謳歌している中、恋人関係は比較的良好だと信介は思っていたのだが実の所、彼女の葵はそうは思っていなかったらしい。


(店の中に殆ど客がいなくて良かった~) 


 待ち合わせに二人が来たのは古びた喫茶店。今は昼時を少し過ぎたあたりで店の中には二人以外客はおらず、カウンター奥には古い老夫婦が並んで仲睦まじい姿で立っている。


「.....マンネリ化と申しますと.........最近そういったことをしていないからという意味で宜しいでしょうか」

「......はい」


 信介も薄々そうは思ってはいたが特に気にしていなかった。この話は人の三大欲求の一つに関係する話。正直な所あまり他の人の目がある場所で話したくはなかった。ただ葵に対して言いだすことでもないとも考えて今日まで過ごしてきた。

 

「そもそも思い返してみればスキンシップとかキスとかも私からが多いし、さ....さそうのだって」

「いやそれ以上はやめよう。十分理解してるから」


 交際期間約三年。恋人関係の男女が歩む段階は既に超えている。だが今問題になっているのは経緯だ。確かに信介は自分から葵に対して手を出すことは滅多にない。それは純粋に恥ずかしいという気持ちではなく、そういった欲が限りなく低いのだ。それを葵も理解しているのだと分かってはいたと思われる。


 だが今ここで自分で言葉にして説明をしなければ理解を示してくれない。


「.........その、俺が葵に手を出さないのは一緒にいるだけで満足している部分が大きいです。正直に言うと」

「うん........うん....でも」

「はい、だから今こんな事態に陥っています。そこは素直に謝ります。すみません」

「私のことを大事に思ってるから手を出してこないって分かってるけど、でも流石に付き合った年数からだともう私に魅力がないって思ってるんじゃないかって考えるようになって」

「本当にごめんなさい。全くもってそのような意図はありません」

「他の女の人を相手に」

「してないです!」


 ついに不安から涙を流し始めた葵に全力で謝る。


「こういった話をするのは初めてだけどそういった欲があんまり無くて。まず大学とバイトで普通に忙しいし疲れてそういう気分になれないから」

「面倒になったとか」

「この問題は全部俺が悪いんです。葵は全く非がありません」


 説明をすればするほどどんどん葵がマイナスな感情の方へと向かっていく。


「別に全く興味がないって訳じゃない。俺だって男だから。でも頻繁にその波が来るってことじゃない」


 信介は喫茶店で自分は何を説明しているのだろうかと疑問に思うのを振り払いながらなんとか説明を続ける。


「私の考えすぎ.....?」

「いえ、その考えをさせてしまった俺の責任です」

「私に魅力を感じる?」

「はい」


 感じない筈がない。付き合ってからその想いは変わらない。


「わ、わたしが今まで誘う時迷惑だって思ったことも........ない?」

「ないです」


 普通に恥ずかしくなる質問だ。


「.....分かった。その言葉、信じる」

「ありがとうございます」


 それから一年も経過しない内に新しい命が葵のお腹にいることにその時は知らぬまま信介と葵のこの話は一度終わった。


 結論からして話し合いでお互い歩み寄って良かったとこの問題を無事に乗り切った信介は深く思った。





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