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第四十七話 デート回(のつもり)

もう全然イチャイチャ描写が書けない。


前もって言っておきます。

力不足ですみません。


「はい。あ~ん」

「......あ、あ~ん」


 顔が熱くなっているのが自分でも分かる。そんな状態でも口に広がるクリームの甘味はハッキリと感じる。


 日葵の突然の介入から一転し、アオの機嫌は悪くなった。理由は俺が日葵の事をアオに伝えなかったからだ。完全に自業自得だというのは理解している。だから今回、元々久しぶりのデートという事もあってアオの願いをある程度叶えようと思っていたが機嫌の悪いアオの要望を断るのはマズいと判断。


 だから俺は、静かに怒るアオに言った。


”今日一日、貴女様の願いを叶えますのでどうか許してください”


正直、この言葉だけは言いたくなかった。それは恋愛の先輩である裕樹の助言の一つ。


”もし彼女の機嫌が悪かったらそう言え。そして、彼女の要望を叶えてやれ。そしたらかなりの確率で機嫌はマシになる。だけど、時にこの言葉が原因で更に関係を悪くする場合もある。もしかして私がそんな事で機嫌を直すと思ってるの?って”


 俺は恋愛について自分でも気合を持って言える程初心者だ。だから先輩である裕樹の助言に頼るほかない。


そして現在に至る。公園という落ち着ける場所から一転し、俺とアオの二人はスイーツバイキングなるものに来ている。勿論お金は全て俺持ち。だけど、これで少しでもアオに笑顔が生まれればそれで良い。その望みもあって目の前で美味しそうにケーキを頬張るアオは目に見えて嬉しそうだ。


 だけど一つ問題が生じた。それは人目を気にせずアオが俺に自分の使っていフォークで俺にケーキなどを食べさせてくることだ。完全に俺の脳内で予期していた事とは違う事をアオはしてきたのだ。


 なにがいけないかと言うと普通に恥ずかしい。スイーツバイキングだけあってそのほとんどが女性客で男性なんて本当に数人いるだけ。その味方のいない空間でやられる俺の身にもなれと言いたい。


「ふふふ」

(....これで喜んでくれるならいい.......そう思うようにしよう)


 しかし俺はスイーツバイキングの豊富な料理に静かに驚いている。名前からしてスイーツだけ取り扱っているのだとばかり思っていたがパスタなど普通の料理も充実している。女性客狙いなのか脂っこい揚げ物の姿は今のところ確認できていないが、それでも大人の男性でもお腹がいっぱいになる品が沢山だ。 


「ほら、信くん!」


 店内を見ていると前に座るアオが料理を差し出してきた。俺はそれを心を無にして口に納めた。




「苦しい.....」


 腹の空く昼時とはいえ糖分の塊達を摂取し過ぎた。それに加えパスタなどのおかず類もその前に食べていたので俺の腹は過去にないほど膨れている。胃の限界で口から出そうになる。


「さあ、次行くよ!」


 そんな限界寸前の俺と比べてアオは元気いっぱいだ。そのテンションのままに次なる目的地である洋服屋へ入っていく。


「ここに入るのか....」


 俺の目にはどう見てもメンズ物の服を取り扱っているようには見えない店が目の間にある。気持ちの悪さと一緒のレベルで入りたくない気持ちが襲い掛かってくる。しかし既にアオは店内に入っている。外で待つのはどうかと思い、俺は重い足取りで店内に入る。


「思った通りだ」


 視界に入るのはどれもレディース物の服だ。そしてそれを見て楽しくショッピングをする女性客達。この店の狙いは十代~二十代の若い人向けって感じか。


(......その分嫌な物を感じる)


 女性客から変な視線を感じる。元々視線なんて全然気づかない身体だったのに、アオと付き合ってから校内でかなり視線を浴びてきているからか。今ではどの角度から来ているのか直ぐに分かるぐらい視線に敏感になってしまっている。今のところ俺の通る道の直ぐそばで買い物を楽しんでいる女性客数人と店のスタッフの女性ぐらい。


 居心地の悪さを肌で感じながらアオの元へ行く。アオもこの店に来る理由は服を買うためだ。姿を見付けると楽しそうに服を選んでいる様子。


「ん~どれにしようかな」


 どうやら買う服はいくつかに絞られているようだ。


「迷ってる感じ?」

「うん。この二つで」


アオの持っている服は二つ。片方はこれからの季節にあったブラウン色のチェック柄シャツ。もう片方は少しアオのサイズに合っていないと思う白のパーカースウェット。


「俺はどっちも似合うと思うけど」

「信くんならそう言うと思った」

「.....」


 流石ですね。


「信くんは服に興味がないからね~」

「今どきの男子はこんなもんじゃないか?」


 裕樹なら少しはそこら辺に力を入れてそうではあるが、木村は案外俺と同じだろう。


 迷った末に、アオは白のパーカーを購入した。


「信くんってあれだよね」

「ん?」


 店を出て街中を歩いていると唐突にアオは俺に言ってきた。


「自分の意見をあんまり口で表現しないよね」

「あ~」


 確かに眠いだの、めんどくさいなどの言葉を言う時はあるが自分の心のそこからの願望を口にするのは少ない。ああしたい、こうしたいなどの事を言わない事をアオは気づいていた。


「一応心掛けてるつもりなんだけどね」

「はっきり言ってくれないと分からないからね」

「...はい」


中途半端な出来ですみません。


そしてここで発表です。


この作品、次回の章をもって最終章とします。


ここまで続けてこられたのは皆さまからの感想などの励ましや内容の褒め、時には厳しい意見も頂戴しましたがそれもあってここまでこれました。本当に感謝しております。中々時間の取れない環境での執筆と恋愛というジャンルでありながらそう言った空気を文字で起こすのが難しいのもありましたが、色々な人に読んでくれているという事があり書けました。


ありがとうございます。


ではまた次回、次の話から最終章となります。最後まで読んでくれると私個人としては嬉しい限りです。どうぞ最後までお付き合いください!

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