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第十八話 デート前日夜 葵side


新城は、信介と翌日のデートの予定を立て終わると早速中条と宮野の2人に報告をする。



「千鶴!遥!」



メッセージでは時間が掛かると判断した新城は自分を含めた3人だけのグループに通話で報告する事にした。


何故メッセージではダメかと言うと、信介と休日に2人っきりで出掛ける事の喜びを今すぐ自分の口から言いたいのだ。



「どうしたの?」

「何?」



時間は既に日付を超えて5分程経ち、普通ならこの時間に通話など友達であっても少し躊躇う所なのだが2人は案外あっさりと通話に参加して来た。



「あのね!明日ね!信くんとお出掛けする事になったんだ!!」

「............え」

「私達の知らない所で凄い急展開なんだけど」



2人はとても驚いた様子だった。


新城は中間試験の勉強を見てやった事をお礼と言う名目で出掛ける事にしたのを2人に伝える。


そうすると2人は「あ〜」と納得した様子だ。



「でも、ハッキリと信には“デート”とは言ってないんでしょ?」

「い、言ってはないけど!」

「まあこれで、少しは葵の事を“ただの友達”から“少し気になる異性”ぐらいまではランクアップしたいよね」

「そうだね〜。信も今の所、葵を友達としか認識してなさそうだし」

「うっ......」



新城も気付いていた。


信介が自分の事を友達でしか認識しておらず、異性の恋愛対象としての目で見てくれていない事を。


だからこそ信介に振り向いて欲しくて、今まで知り合って来た男子とは違い一生懸命アタックした。


名前だって生まれて初めて男子を名字ではなく渾名のように呼び、一緒に居られる時間を多く取りたくて休憩時間の少しの時間でも信介に会えば話す様にしている。


何だって初めてだった。


だから新城は自分のやっている努力が正しいのか分からない。


でも、やるからには頑張りたいのだ。


ただ、それが信介に通じてないと分かるから内心少し自信を無くしそうなのだ。



「でも槙本くん。別に恋愛がしたくない訳じゃないみたいだから頑張れば葵にだってチャンスはあるよ」

「ん?」



すると、宮野はそのように言った。


新城はそれに疑問を感じた。



「ん?何で信が“恋愛をしたくない訳じゃない”って遥が知ってるの?」



中条も同様だった。



「前試験勉強で皆んなで槙本くんの家に泊まったでしょ?その時皆んなが槙本くんの部屋物色しに行った時に丁度そう言う話になってね」

「物色って」

「それで信は何て言ってたの?」

「う〜ん。友達から聞いて恋愛がめんどくさそうだとか。でも、友達の様子から少し羨ましいとも言ってたかな」

「おお。じゃあまだ葵にもチャンスがあるね!葵、頑張ってよ!!」

「うん!」



決意を固めて新城は信介とのデートに挑む。





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