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第十八話 デート前日夜 信介side


「それで結局明日新城とデートすることになったんだな」

「ああ」



信介は、新城との日課の連絡を終えると友人で彼女持ちの近藤に相談を持ちかけた。


一応誘ってくれたのは新城の方なのだが、行き先などの選定を念の為した方が良いのかと。


新城とも先程同じようなやりとりをしていたのだが、『私が決めるから大丈夫だよ!』とやる気満々なのが伝わる元気な声で言われてしまった。



「だったら良いんじゃね?新城の方が考えてくれるなら信が考える必要性無いだろ」

「う〜ん、俺の生きて来た人生だと何が正しいのかさっぱり分からない」



そもそも信介が休日に誰かと出掛けること自体が珍しいのだ。


近藤や木村と出掛ける事はあっても、それは殆どが近藤の後についていくので行き先など考えずに済んでいた。



「まあ、でもあんまり買い物とかに文句は言うなよ。特に『長い』『疲れた』は言わない方がいいぞ」

「なにそれ。経験談?」

「あ〜〜〜.......そんなところ」



アドバイスをくれたらしいが、こういう時の近藤からの言葉は大体が自分がやらかしてしまった出来事を元にしての助言な事を友人である信介は知っている。


その証拠に、図星ととっても良い反応を近藤は声だけで示した。



「そう言えば何処に行くんだ?」

「あー、話し合って駅前にある大型ショッピングモールになった。あそこなら何でも揃ってるから」

「確かに出掛けると言ったらそこだな。あっそうだ!」

「ん?」

「もし昼飯になったら俺のオススメする店に行ってみろよ。落ち着いてて飯も旨いぞ」

「分かったよ。ありがとう」

「おう!じゃあデート楽しんでこいよ」



通話を止めると近藤からメッセージで先程近藤からオススメと言われていた店のモール内の場所とどの時間帯が1番空いているかと情報が送られてきた。


改めて『ありがとう』と送った。


時刻は、既に日付を超えているので明日ではなく今日になってしまった。


流石に約束の時間に遅刻をするのはヤバいと感じて急いで寝に入ろうとする。


しかし、まるで翌日の遠足が楽しみ過ぎて前日の夜から寝れなくなる小学生のようにいつもならあっさり寝られる時間でも全然眠気がやってこない。


信介も薄々気付いていた。


勿論同い年の女子と休日に2人っきりで出掛けると言うので緊張している事。


それと同時に自分が数時間後の事を考えて楽しみにしている事を。


近藤や木村と出掛ける時とはまた違う幸福感が身体から発せられてくるのが分かる。


しかしそれを何故感じるのかは、今の信介には分からなかった。





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