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大学生とダンジョン  作者: あっぷるびねがー
5/9

5.幸運な探索者

ダンジョンランク

ダンジョンを攻略難易度、モンスターが溢れ出た際の脅威度を基に設定されているランクである。

上からS、A、B、C、D、E、F、Gと区分けされている。

例外として特SとSS、初心者用が存在する。



「あー、契約できる精霊見つけるならどこがいいんだろう。レベル上げも兼ねたいしなー。なかなかいい場所がない。」


契約対象見つけるのは後回しで地道にレベル上げを目指そうかな。

レベル上げに重点を置くのであれば、Gランクに潜るのが良さそうだよな、パーティー組まなくても潜れるし。





午前中を準備と行き先の決定に費やしたので、昼飯を手早くとってダンジョンへ向かう。向かう先は『粘性沼』、粘性体いわゆるスライムが出現するダンジョンだ。


スライムという魔物は結構昔から馴染みの深い魔物だ。様々な物語に登場し、時には雑魚敵として、あるいは相棒として、はたまたとんでもなく強い存在として描かれることもある。しかし現実は違った、もちろんダンジョン出現から数年は、それに感化された指揮クラスがテイムや契約を交わしたのだが、特に成果は得られなかった。


理由は、どんなになついても強くなっても真名が解らないからだ。

魔獸も精霊も悪魔も、段階を経て意志疎通が出来るのだがスライムだけはそうはならなかった。唯一の面白い報告はテイムした同種のスライムが10体を越えた辺りで合体してひとつになったということだろうか。





ダンジョンに到着してすぐに、準備運動を行い突入する。

6階層ほど行ったところで、休憩のためにセーフティーエリアに向かっていると壁に奇妙な窪みがあるのを見つけた。数秒ほど考えた後一気に歓喜が駆け抜ける。


「ボーナス部屋か……!」


隠し部屋、ボーナス部屋、シークレットエリア等々多くの呼び名を持つ場所。1つのダンジョンにつき1つしかない上に階層や場所が固定されているわけではなく、1度入られると次に出現する時期すら解らない凄まじい程の幸運が必要とされるものだ。高難易度のダンジョンであればあるほど入手できる物はより希少な物となる。


「ここのボーナス部屋の発見報告はまだなかったはず。協会への報告の有無も含めて考えないといけないけどとりあえず後回しだ。」


窪みにすぐに近くにいたスライムの核となっている魔石を取り出し填める。すると、立っていた場所の底が抜けた。


「えっ……!?」


薄暗い中を高速で滑り落ちる。


「こんなのありかよっ!!」


30秒ほど経て滑落が終わると、ボーナス部屋の特徴であるとされるそのダンジョンの特徴である魔物が掘ってある白い扉の前に出た。体に着いた砂ぼこりや土を払うのも忘れ、扉を開くとそこにはしっかりと大きめの宝箱があった。ランクGのダンジョンといえどもボーナス部屋なので期待が高まる。


内部にはいると中は乳白色の壁に囲まれていた。


周囲の観察もそこそこに宝箱に手をかけあける。


「すげぇ………。」


入っていたのはスキルスクロール×2、ネックレス、そして真っ黒な石。

真っ黒な石は何か分からなかったが、残りは簡単にわかった。

1つ目のスクロールは、清掃。

2つ目のスクロールは、敵や人物に使用できるタイプの鑑定。

ネックレスは、肩代わりのネックレス。

どれも中級者に入るために必要となってくるものだ。合計するとなかなかの額になる。


「よっし!これはかなりの儲けだろ!しかし、この黒い石はなんだろう?」


光沢が全くなく、重みはそこそこ、サイズ的には握り拳位の真っ黒な石。しばらく考えたが全く思い付かなかったのでスクロール2つを使い、ネックレスを着けて石は袋に入れ部屋から出る方法を探した。


割りとすぐに見つかった入り口とは別な扉をくぐり歩き出した瞬間にまた底が抜けた。


「もういいよっ!!!」


来たときと同じくらいの時間を経て、たどり着いた先は17階層の印である黒と茶色のマーブル模様の壁だった。


「階層飛び越えすぎだろ……。」


気を取り直してどんどん下り、最終階層の20階まで降りてきた。残りはボスだけなのだが、ここのボスはむちゃくちゃ弱いことで有名なのだ。

一ヶ所から動かず、攻撃は強い酸性を持つ液体を飛ばしてくるだけ。

なのにボスなのは大きさと、それゆえの核の潰しにくさからだと思われている。



時間は掛かったものの一撃離脱を繰り返し、消耗させ核を砕き宝箱の中身を袋に入れて帰路についた。

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