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エピローグ 竜子と癒羽
自身の放つ『異彩』によって瀕死の重傷を追った魔谷竜子は、今もなお集中医療センターで療養を続けている。意識は取り戻していて、騒がしく見舞いに来る新入生三人とその先輩一人から元気を貰っているらしい。退院出来る日も、そう遠くはないようだ。
「竜子さん、里桜ちゃんから伝言です。『夏には一緒にプールへ行くんですから、【異彩】は使わないで下さいよ?』ですって」
「……分かってるわよ。別に、使いたくて使っているワケじゃないし……火傷してたら、外出なんて出来ないものね」
「……いや、それが、そのう……『傷口に水がしみちゃいますからね!』って……」
「怪我をしていても連れて行くつもりなの!? あ、あの子は本当に……まったくもう!」