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エピローグ
未済と『劣等種』たちの決戦から、早くも一ヶ月が経っていた。
その勇姿と偉業は都市部の監視カメラでしっかりと撮影されていて、学園中の生徒がタブレット端末で視聴していた。未済に挑んだ彼らは、サステナ・カレッジで絶望するばかりだった『劣等種』たちの心に、希望の火を灯す事が出来た。
破壊された中庭は、彼らに感化された『劣等種』たちが力を合わせて復旧を図った。教職員の協力を受け、貯蔵されていた資材を使い、一週間も経たずに元の美しさの大半を取り戻した。あとは、花壇に植えた種が芽吹き、花を咲かせるのを待つばかりだ。
広々とした空で輝く筈だった星たちは砕け、いくつかに分かれて地に堕ちた。それでも、その破片は確かな未来を掴んで、輝こうと息巻いている。
――一筋の流星によって、明るい学生生活の幕が『斬って』落とされた。