episode 5 エピローグ
暗い路地裏を、学生服を着た1人の男が前屈みになりながら、上機嫌に歩く。
途中、彼のポケットに入っていた携帯が震えだし着信を告げた。
上機嫌に歩いていた男は、携帯のディスプレイを見ては、その顔をさらにニヤリと口角を上げる。
「はいはーい、何ですか?俺に電話してくるなんて初めて?じゃあ、初めまして?」
電話越しの相手をおちょくるように、でも、その声色はどこか警戒しているようにも感じた。
「首尾?あー、ちょっと失敗ですかねぇ。まさかあそこで桜子のお兄様が来るなんてなぁ。しばらく仕事に缶詰状態じゃなかったわけ?
・・・その点を考えたら、俺だけの責任じゃないや。
まぁ、とりあえず今回は挨拶しに行った程度だし、また次回にでも・・・。
はは、そっちこそせっかく俺が呪詛を教えてあげたんだから、もっともっと面白くしてよね。」
男は何度か相槌をした後に、携帯の通話を切った。
しばらくその場に立ち止まり、携帯を見つめた後高らかに、狂ったように笑い出す。
愉悦だ。
これからどうなっていくのか、アイツが何をしでかしてくれるのか。
楽しみで楽しみで仕方ない。
「あー、今この瞬間が1番人生充実してる」
男は暗い路地裏に消えていく。




