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episode 1 突破口?


携帯で時間を確認する。この森に入ってから2時間弱ぐらい経ったのか・・・

あのアホォと別々に逃げてから、俺は森の中を警戒しながら歩く。


またいつあの蜘蛛女が現れるか分からない。物理がある程度効くならば、俺はまだ大丈夫かも知れないが、鈍足で力も弱い虎之助が遭遇してしまったら、間違いなくこの世とお別れすることになるだろう。



「気持ち程度だけど・・・」


足元に落ちてあった手頃な太さの木の棒を手に持つ。

正直、もうあいつに触りたくないし、リーチの長い方が安心する。


「あっ、そうだ。効くか分からないけれど、簡単な松明でも作っておこう。確か虎之助がライター持っていたし。」


あいつ、煙草吸わないくせになぜかライターだけ持ってる。前にシロサキサンガーとか言っていたような気がするけど、興味ないから忘れた。


持っていたハンカチを巻いて、その辺にあったツタで巻きつける。

とりあえずは、こんなものでいいだろう。もう遭遇しない事が1番ベストなのだけれど。


しばらく歩いていると、大木の根元に小さな空洞がある事に気がつく。

それだけなら特に気に留めなかったのだが、空洞の中にオレンジ色をした何かが見えた。


近づいて見てみると、それはどうやらリュックサックのようで、使い古されてはいるようだが、ここに置かれてそんなに時間が経っていないように見える。


コンパスでも入っているかも知れない。そう思った俺はそのリュックを開く。

予想に反して、中に入っていたのは1つのメモ帳だけだった。


そのメモ帳をペラリとめくる。


『俺はこの森にある日守神社を見にやってきた。何度もここへ来たことがあるのに、森から出られなくなり、さらには見たこともない蜘蛛の化け物すら徘徊している。

なんとか逃げる事に成功したが、いつ俺が死んでもいいように、俺が知っている事をここに残す。


大昔、この地方の村で暴れていた化け物が力のある巫女によって日守神社に封じられたと伝承に残っている。

代々の巫女によって封印が守られていたようだが、時代と共に神社は忘れられ、今では廃神社として有名なオカルトスポットになってしまった。

ただの昔話とばかり思っていたが、実際に蜘蛛の化け物を見てしまった。伝承は本当だったんだ。

しかし、なぜ今になって化け物が蘇ったんだ?上記にも記したが、俺は何度もこの地を訪れているが、今日まであれと遭遇した事がなかったのに』


と、ここでメモが終わっていた。まだ続きがありそうだが、書いてる途中にでも見つかったのか?


しかし、少なくとも多少なり情報を得ることができた。

もしかしたらこの森の何処かにメモを残してくれているかもしれない。


虎之助と、それからできたらメモも探してみよう。


手に持っていた簡易型撲殺松明を手に馴染ませるように素振りをしながら、先へと進んだ。

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