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episode 3 困惑


2人の後を追いかけ、無事に高塔山までやってきた。

今宵は新月の為か、一寸先も見えない。

念の為懐中電灯は持ってきているが、山を登るにはいささかの不安が残る。


そんなに大きな山ではないから、遭難することはまずないだろう。と、思う。

道に迷ったとしても最悪朝になればすぐに帰れるだろう。


「少しだけ、辺りを見て回って帰るか。」


深入りして、俺まで帰れなくなってしまったら、ますます状況は悪化するだろうし。

ばぁちゃんにも何も言わずに出てきてしまった為、俺たちの現状を知る者が誰もいなくなってしまう。


周りや足元を懐中電灯で照らしながら、用心深く進む。

綺麗に舗装されている訳ではないが、車1台通れそうな道を真っ直ぐに歩く。

車で行っているんだから、最低でもここは通るはず。今から2人が戻ってきていたとしても、行き違いになる事はまずない。


「あっ。」


しばらく歩くと、見たことのある車が姿を現した。

そう、白咲さんのファミリーカーだ。

車が停められている場所は少しだけ開けたような場所で、地元の人もここによく車を停めるんだろうなとある程度推測できる。


ここから先は車が通れそうにない為歩いて頂上まで向かったんだろう。

しかし、ここに車があると言う事をはやはりまだこの山にいる事が分かった。


「2人は、まだ頂上にいるのか?」


車の周りを懐中電灯で照らす。

その光に反射されてか、タイヤらへんで光る何かを見つける。


「ん・・・?」


それを拾い上げてみると、小さい赤い石の付いた


「ピアス?」


だった。ファミリーカーの近くに落ちているからホスト2人組のどちらかの物なんだろう。

あっ、でも虎之助はピアスをしていないから、おそらく白咲さんの物と思われる。

それをそっとハンカチで壊さないように包み、ポケットへとしまい込む。


とりあえず、頂上へ進むか。

少し細くなった道をゆっくり、辺りを照らしながら歩くが、特に変わった所はないし、2人の姿も見当たらない。


頂上付近にまで近づくと、ザワザワと木々が風で揺れ出す。暗がりのこの状態で聞く風の音は少々不気味だ。

その時、風の音に紛れて何かが木々の間を通り抜けていく。


反射的にそちらへと懐中電灯電灯を向けると、そこには忘れたくても忘れられないほど整った顔の美青年、白咲 新がいた。


「海くん・・・か?」


「白咲さん、良かった。帰りが遅かったので心配したんですよ?」


ライトの光が当たっているせいだけではないだろう。白咲さんの顔は少し蒼白めいて見えた。

そして、白咲さんと一緒にこの山へ向かった昔馴染みで白咲さんの腰巾着である虎之助の姿が見えないことに気がついた。


「白咲さん、虎丸は?」


「海くん、1つ聞きたいのだが・・・ここに来る間に武将のような格好をした、その、人間ではない何かを見なかったか?」


武将・・・?困惑気味の白咲さんを少し落ち着かせる為、また事情を聞く為に1度ファミリーカーの元まで戻ることとなった。





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