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episode 2 束の間の休息


「はい!!らっしゃいっ!!」


築35年の俺の家とは違い、セキュリティ抜群のタワーマンションに住む虎之助に軽く殺意を覚えながら、部屋の中へと案内される。


「お邪魔します。」


「兄様っ!!私怖かったです!!」


桜子ちゃんは虎之助に抱き着き、涙目に訴える。そんな桜子ちゃんを落ち着かせるかのように、頭を軽く撫でる虎之助を見ると、やっぱこいつも兄なんだなぁって思う。


桜子ちゃんの実態を知ってるが為、俺は盛大に戸惑っているが。

きっと、怖かったのはあの女の方だろうなぁ。


「桜子が無事で良かったよ。ほらほら!ひとまずなんか美味しいものでも食べようよ!僕色々と買ってきてるんだよね〜!」


大きなダイニングテーブルには様々な料理が並べてあった。

そう言えば、晩御飯ファーストフード店で軽く済ませただけだったな。


お言葉に甘えて、3人で料理を囲みながら先程までの出来事を簡単に虎之助に話す。

ただ、桜子ちゃんが撃退した、と言う点は彼女からものすごく睨まれたので、ぼかして伝える事になったが。


「ほはぁ〜、なんか最近そんなの多いね。」


「全く、どうなってるんだか・・・。」


蜘蛛女の件を思い出し、眉間に皺を寄せてしまう。こんな事が立て続けに起こるなんて、本当に呪われているんじゃないだろうか?


しかも、さっきの女の襲撃なんて・・・桜子ちゃんが来なかったら俺は死んでいたかもしれない。

そう思うと今になって恐怖感が増し、手が震えだす。



「くそっ!僕がその場にいたらその女の人を口説いたのに!!」


「・・・アホか。すぐに包丁突きつけられて人生終了するぞ。」


「いや、ホワイトキャッスルNo.2ポストである僕の魅力にそのストーカー女とやらはメロメロになるはず!!」


「あー、うーん、ストーカー女には・・・好かれるかもね、うん。」


チラリと桜子ちゃんの方を見ると、笑顔で虎之助を見つめつつ、刀が入った袋を摩る姿がとても不気味でした。


はぁ、この兄妹は本当に・・・。どんな状況になっても、何年経とうとも変わらないこの空間が、案外俺は気に入ってるのかもしれない。


じゃなかったらとっくの昔に縁きってるわ。



「なんにせよ!!その女の人の事をちょっと調べようよ!このままじゃ海くん安心して家に帰れないでしょ?」


「次現れたら遅れはとらないけど・・・まぁ、家にいるのに常に警戒態勢ってのも嫌だからね・・・」


「私も、幽霊なんて初めてみたので、怖いです、兄様ぁ」



なんやかんやで夜は更けていき、気がついたら朝日が昇っていた。

一睡もしてない。桜子ちゃんは虎之助のベッドで幸せそうに眠り、虎之助も寝ていないはずなのに、物凄く元気に朝風呂へ向かった。


俺も、仮眠を取ろう。休める時に休んでおかないと、いざという時に動けないからな・・・


おやすみなさい。



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