挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
俺と君達のダンジョン戦争 作者:トマルン

第一章 導入や基本的な諸々

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

19/81

第十八話 神殿探索

 ギリシャの神殿を彷彿させる白い石造りの神殿群は、不気味なほどの静けさに満ちている。
 神殿群の中心に位置する台座からでは、近くの神殿が邪魔をして、神殿群の全貌を見渡すことはできない。

 しかし、魔界と言われた最初のダンジョンと異なる開放型のこのダンジョンでは、上空からの偵察を可能とする。
 俺達が保有する20機の42式無人偵察機システムは、情報面で先のダンジョン以上に力となってくれることだろう。

『目星』

 だが、俺がやるのは、まず目星……!

 先のダンジョンと同様に、スタート地点である台座の上は安全地帯かもしれないが、敵が近くに潜んでいた場合、ここから出た瞬間に無人機が撃墜されかねない。
 いくら全環境型迷彩システムを搭載していようが、起動するところからずっと目で追われてしまえば、流石の最新鋭システムも見破られてしまう。

 このダンジョンに通じる扉の絵から、敵は天使のような翼の生えた種族。
 思い出すのは、人類連合軍(暫定)と激戦を繰り広げていた敵。
 あんなレーザーや大砲モドキの飛び道具で武装されていたら、こちらとしてはたまったものじゃない。
 万が一を考えて、慎重策をとるのは当たり前だろう。

 相手の対空戦力を警戒して行った目星だが、運の良いことに反応は何もなかった。
 念のため捜索も行ってみたが、同じく反応なし。
 少なくともスタート地点を見張られている心配は取り越し苦労だったみたいだ。

 周囲のクリアリングが済んだので、無人機の管制タブレットを操作して、2機ずつの編隊に分かれて哨戒を指示した。
 その内の1つの編隊には、俺達の上空に止まって、空から周辺を警戒させる。
 無人機が哨戒を始めると、神殿の中も含めてマップがどんどん作成されていく。

「……どうやら、敵は北側に分散配置されているようだね」

 リアルタイムで更新されていくマップを見ると、敵らしき物だと人工知能が判断した物体が、北側の建物内に分散配置されている様子が分かった。
 幸いにも、まだ無人機に撃墜判定ロストが出てないので、敵に感知はされていないようだ。

「敵に俺達を知らないうちに、各個撃破して敵の情報を集めようか」

「すにーきんぐみっしょんってヤツですねー。
 腕が鳴ります!」

 「美少女隊は武装を短機関銃へ変更し、減音器サプレッサーを装着。
 美少年隊は隠密を第一とし、高峰嬢と同時に剣で敵を一撃で処分するように」

 ロボット達に指示をだし、自分も愛銃の26式短機関銃に減音器サプレッサーを装着して準備を整える。

「今日も元気に皆殺しですよー」

 高峰嬢の号令一下、俺達はタンジョン探索を開始した。



「前方、建物内に敵影8を確認。
 建物入口に2、中心部に6。
 裏口から入ろうか」

 スキルポイントが23に上昇した結果、半径23mの全球を探知可能となった索敵マップとタブレットの哨戒結果から敵情を容易に把握できる。
 他の神殿に潜んでいる敵を警戒しつつ、目標の裏口から慎重に侵入した。

 神殿内は敵がいない区画だからか、明かりもない薄暗く黴臭かびくささが漂っている。
 俺の聞き耳、捜索、索敵を活用しながら、俺達は敵にばれないよう神殿内の探索を進めていく。

 神殿内は長年管理せずに放置していたのか、所々に埃が積もっており、かなり汚れていた。
 木の扉は朽ちかけており、今にも崩れそうな家具と合わさって、滅んだ文明の残り香の様な廃れた雰囲気を醸し出す。

 そうして探索を進め、敵が潜む広間に辿り着く。
 広間は、幾本もの太い柱が等間隔で設置されており、入り口から直接繋がっているために、ある程度の明るさは確保されていた。
 しかし、明かりは灯されておらず、光源はもっぱら自然光頼りのようだ。

 柱の陰に隠れながら、敵の姿を観察してみる。
 広間の中心に設置されている像へ、静かに祈りを捧げている集団。
 扉の絵にあった通り、そいつらの背中からは純白の翼が生えており、頭上には光の輪が浮いている。
 それ以外の姿形は人間と大差ない。
 古代ギリシャの様な白い布を巻きつけたような服を着ており、腰には剣、祈りを捧げる体の横には槍が置かれていた。

 彼らの姿は所々が薄汚れていて、廃れた神殿の雰囲気と一体化していた。
 人外の姿も相まって、まるで一枚の絵画絵を見ているかのような錯覚に囚われる。
 どこか神聖なその姿には、戦いを躊躇させる不思議な魔力を感じてしまう。


 そんな彼らの中心に、高峰嬢が、舞い降りた。


 煌めく銀閃。
 彼らにとって幸福だったのは、何が起こったか知ることもなく逝けたことだろうか。
 高峰嬢が刀身を伝う血の滴を払って、マントの中に収めると同時に、静かに頭がずり落ちた。

 敵の見張りがいた入り口を見ると、既に彼らの喉からは、美少年に握られた剣の先端が突き出されていた。
 そして俺はこの瞬間、とんでもない事実に思い至る。

 もしかして彼らの死体、解体しなくちゃいけないの?

 ゴブリンやオークと違い、明らかに人の姿をした彼らを解体するのは、流石に躊躇われた。
 翼と輪っかが付いてるだけで、他は人間と同じやん。
 そこまで考えて、ふと気づく。

 あれ………… 今俺、首チョンパは普通にスルーしてませんでしたか?

 高峰嬢に影響され始めてきている自分に戦慄した。
首チョンパくらいだとグロだと思わなくなった今日この頃。(初期症状)
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ