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天狼さん物語  作者: 葵邑
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ぷろろーぐ 

今まで、私を育ててくれた全てのモノに感謝を。

今、私を形成する全てのモノに感謝を。

だから今、その全てに誓おう。


「私は、私の王であれ。

 そして、私だけの王であれ。」


目を瞑り、握った右手を胸に当て、

言霊と共にしっかりと魂に刻み込む。


大丈夫。私はもう、私に負けるほど弱くはない。

けれどまだ、誰かを背負えるほどには強くない。


「1つ、毎朝、魂の誓いを確認すること。

 1つ、朝夕の鍛錬を日課とすること。

 1つ、私以外には従わないこと。

 1つ、私以外には命令しないこと。


 以上の誓いは、

 王たる私が定める有事の際を除き、

 必ず守ること。」


私は、私の王であれ。

それは弱くて醜い心に負けず、

常に理想の自分である為の誓いだ。

王たる私とは、理想の自分。

これからの人生、

私は、常に理想の自分に監視されることになる。


ぶっちゃけ鍛錬は嫌いだ。

でも必要だと思う。

仕方ないから誓いにする。

そうしないと、サボる自信があるから。


私以外には従わない。

といっても別に、我儘に生きるわけじゃない。

人の言うことを聞くか否か、

命令に従うか否かは、王たる私に相談する。

王が許可すれば他人の命令だって聞くし

誰かに仕えることだってあるかもしれない。

けれど、決定したのは王である私だから、

何があっても、決して他人のせいにはしない。


私以外には命令しない。

忠告はする。意見も言う。

知ってる知識を披露することもある。

けれど、命令はしない。

だから、人の行動の責任は取らない。

私の心を守る為の防衛策。

まだまだ弱くてごめんね。


最後の特記事項はまぁ、保険。

毎日の誓いや鍛錬は、絶対に無理な場合だってあるだろう。

心の弱さからくるサボりじゃなく、

理想の私が見ても仕方ない状況であれば、しなくても構わない。


さて、頑張ろう。

せめて物語の中でくらい、理想の私であれるように。


『決まったの?』


「はい。女神様、よろしくお願い致します。」


『そう、良い誓いね。

 じゃあ、刻むわよ。』


私が立てた誓いは、もう決して破られることはない。

なんせ女神様によって、本当に魂に刻まれるのだから。


・・・鍛錬の日課は早まったかなぁ。

嫌だなぁ、でも必要だよなぁ。


私の名前はユウ。

私は今日、異世界に行きます。

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