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ダメクロ ~ものぐさ冒険譚~  作者: 妖魔導師
6/6

面倒くさがりは力を隠す

戦うのめんどい、偽らざる本音だ


「後はスティンとアルフか・・・」


それ以外の人間は全員助け終わった、あんまり時間はかからなかった、騎士の奴等はもっと鍛えるべきだ。


余計な事を考えていると豚魔人の指示で同時に攻撃してきた、アルフは突撃、その上からスティンが同時に俺を狙ってくる


「鎧は弁償できんが勘弁してくれ」


俺は心具を振りかざし一刀で縦に並んだ二人を切り伏せた、ってあれ?


ガチガチの蒼鎧の中から出てきたのは金髪美女だった、アルフ、女だったのか・・・そういえば中は見たことないな、声は魔法で変えてたわけか、徹底してるな


「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」


「うるせえ!!」


いきなり叫ぶなよ豚野郎!!魔人の性別なんざ知らんがな!!


「俺の本気を見せてやるぞ下等な人間!!」


「よし、ならそれがお前の見せ場な、その後は俺がお前を始末する」


「出来るものならやって見せろ!!」


そういうと杖からだした虫を自らに寄生させ始める、とりあえず、やってみせたらこの豚魔人死ぬよな?


「グワハハハ!!どうだ!!これがインセクトドーピングだ!!」


大きさは俺と同じ位になり、真っ黒な表体、体も引き締まっている、すっごいダイエットだな


「死ぬがいい!!」


高速で動き杖で俺を吹き飛ばし、先回りしての乱打、乱打、乱打、豚魔人の猛攻が始まった


ーーーーーーーー


「ダメクロ、やばいんじゃねーか!?」


私の耳にスティンの言葉が聞こえる、鏡から見える映像は確かにクロトが一方的にやられているように見える、騎士たちも私の様子を伺っているようだ。


「いや、援護は必要ない」


私の発言は冷たいととられるだろうが逆だ、援護なんて不要なのだ


『とどめだ人間!!』


上空に打ち上げられ、地面に叩きつけられる、豚魔人は勝利を確信したように邪悪に笑い、まっている土煙に背をむける、が・・・


『よし、お前の見せ場終わりな』


何事もなかったかのようにクロトは立ち上がった、みな一様に驚いている、豚魔人も同様だ、だが、私は気づいていた、先ほどまでの攻撃、クロトは魔力で小さな障壁を作り出しすべて防いでいた、Eランクでできるような技術でないのは明白だ


『こっからは俺の見せ場だ』


クロトの言葉、そしてここからは私にも予想外だった


『久々だな、これ使うの』


クロトが作りだした魔法陣からは鎧、その鎧は間違いなく闇の勇者のものであった、見間違えるはずがない


その鎧にズブズブと飲み込まれるようにクロトが消えた、そしてその鎧はかたどられた幾何学模様を赤く初める、そして・・・


『いくぞ、ベルゼスト』


鎧の中のクロトの声に呼応するように黒い剣、ベルゼストは鈍く光る


『ガアッ!!』


咆哮、その咆哮と共に魔力が鎧の後ろからはじけるように放たれ一瞬、悪魔の羽をかたどる


『何だ・・・お前は・・・』


『クロト・・・クロト・リヴァイエだ、まあ、元闇の勇者、悪魔の鎧って言ったほうが通じるか?』


「あの男が・・・!?」


私も気づかなかった、まさかこんなに近くにあの時の仲間がいたなんて・・・


『とりあえず、てめーは死ね』


ベルゼストを居合いのように構え、体に強化の魔術を施しているようだ


『斬首断頭』


姿が掻き消えた次の瞬間、闇の勇者、いや、クロトは豚魔人の後ろにいた。


鎧も心具も既にしまっている、そして豚の魔人は、思い出したように恐怖をかたどった首がゴトリと落ち、体は血を噴き出しながら倒れ、いや、倒れる前に消滅した、残ったのは首と心具のみ、その二つ以外に豚魔人がそこにいた証拠はなくなっていた。


『回収完了っと、おーい、見てるんだろ?俺もそっちに戻してくれね?』


鏡とまったく違うあさっての方向を見て話すクロト、そんなクロトにより光の王都アクリアムの危機は回避された。

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