08衝撃の瞬間
私と蘭は町にやって来た。
この日衝撃の瞬間を見るとは知らずに・・
そう・・・足立先輩の実態を・・・・・・
「でね――きゃははは」
あっ、足立先輩の声だ・・・・
アイスの順番を待っているとそんな
甘いこえが聞こえてきた。
きっと拓君と一緒だ・・・・
ハァ――と私はため息をつきながら
アイスを待っていた。
するとそこへ足立先輩がやってきた。
足立先輩は私たちの存在に気づか無かった。
そして何事も無かったように、足立先輩と
その男の人は別れた。
10分くらいたつと拓君が
やって来た。
「拓〜〜〜」
そんな甘い声・・・・・・
「待ってる間にナンパされちゃった〜〜」
「エ――さいてーだな・・・その男」
何も知らない拓君はそう言った
(だまされてるんだよ!!)
私は心の中で何度もそう言った。
拓君に通じ無いのは、分かってる・・・・・
だけど心の中でもいいから伝えたい・・・・。
そう思ってると拓君が私の視線に気づいた。
「あれ!!神田じゃん!!偶然。西川と
一緒なの?」
コクンと私は頷いた。言葉が出なかった。
と言うか出てこなかった・・・・
だって足立先輩が凄い形相で見ていたから・・・・
あの足立先輩の顔は忘れられない・・・・・
私はその場で座ってしまいそうだった。
足が・・・・・・震える・・・・・・・
私の心の中の声も震えていた・・・・・・。
「じゃ私たち先行くね・・・」
私は無理に笑顔を作った。
そんな私を蘭はずっと支えてくれた。
私達は路地裏に入った。
「大丈夫?あんな足立先輩の顔なんて
忘れられないよね・・・・」
私は覚悟を決めた・・・・・・。