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《夢天使》引き裂かれた二人。

『ここは・・どこだろう。白黒の夢?こんな夢、初めてかもしれない。白黒だからはっきりはわからないけど、ここはたぶん近所のみどりかぜ公園じゃないかな?池の周りのフェンスから、十歳ぐらいの女の子が池をのぞいている。その目線の先は・・・白黒だから色はわからないけど、ハンカチ?そのハンカチにはハシダテ アヤと縫ってある。』

はっ!今の夢は何?私と同じ名字"橋立"。

「さや。朝ごはんできてるわよ。」

「あ、はーい。ねえお母さん。今日変な夢見たんだけど、橋立アヤって子が出てきたの。私と会ったことある?」

「え!?あや?さ、さあ、どうだったかしら・・。そんなことより、昨日のテスト今日返るんでしょ?」

お母さん?何か隠してるんじゃ・・。 

 天国

「ユメ。なんであの子にあんな夢を見せたの?」

「あのあやっていう子はさやちゃんの双子の妹なの。つまり13歳。親の都合で二人は父親側と母親側に分かれて暮らしているの。だから、一度でいいからあの二人をあわせたいなあって。あの夢はこれから起こるあやちゃんの出来事。つまり予知夢かな。だから白黒な夢になっちゃったけど、会えるといいなあ。二人とも。」

「そうね。」

わたしたちは、ずっと見守ってるよ。あやちゃん、さやちゃん。

 人間界

「はあ・・・。今日の国語のテスト40点かあ。」

「そんなに落ち込むことないよ。」

りんはいいなあ。八九点だなんて。中学生になってから勉強が急に難しくなったなあ。もう十三歳だし。もっと中学生らしく頑張らないと!

「じゃあね。りん。」

その夜も、また白黒映像の夢だった。

『「なつかしいわあ。」あれはお母さん?アルバムを開いてる。その中の写真には、五歳ぐらいの私とお母さんと、あ。あれはお父さん?お父さんってこんな顔なんだ。あ!だめだめ。これは夢だからお父さんがこんな顔だかわからないじゃない!でも、私の隣で私と一緒にピースをしてる子はだれだろう。「それにしても、さやったら、どうしてあやのこと。」そこで白黒画面ふがとぎれて、カラーになった。そこにはわたしと同じぐらいの女の子がでてきた。「さやちゃん、私はユメ。あなたに夢を見せてる天使だよ。今見ていた夢は今お母さんがやっていること。つまり本当のこと。昨日見た夢は明日起こること。これを信じるかどうかはさやちゃん次第だよ。」』

 翌日、私は学校の帰り道にみどりかぜ公園に向かった。

「夢の中のことを信じるのもどうかと思うけど・・。知りたい。あの子のこと。」

私は池に向かった。そこにいたのは私と同じぐらいの背丈の女の子だった。池を見つめている。私も池の中をのぞく。するとハシダテアヤとかいてあるハンカチが落ちていた。

「あの・・。あのハンカチ・・。」

「私のハンカチ。昔お母さんが作ったらしいハンカチなの。お母さん・・どこにいるのかな。昔離婚していないんだ。」

「私の家も同じ。お父さんがいないの。ね、ねえ、もしよければ相談にのるよ。私は橋立さや。」

「え?」

「私の家に来てくれる?お願い。確かめたいことがあるの。」

「ただいま。お母さん。友達連れてきたの。」

そうして私はあやちゃんを紹介した。

「あや!」

お母さんはあやに抱きついて、私たちにすべて教えてくれた。

 小さいころ離れ離れになった私たちは、夢を通して出会うことができた。あの天使さんのおかげなのかな。それ以降、私たちはたびたびあって、お母さんとお父さんも再婚することになった。そして私たちは一生離れることはなかった。そしてあの不思議な夢も、私は二度と見ることがなくなった。

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