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巫女姫と魔法の暗殺人形(仮)  作者: 榊 唯月
陰陽道黙示録
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百鬼夜行第弐怪:年齢ノ詐称ノ恐レアリ

土蜘蛛

源頼光に一度倒されるも、その後怨霊として彼をたたる。しかし彼には安倍晴明という友人がいたので、あっさり封印される。封印の地の近くに土御門家本邸ほんていは建てられた。

 


「なかなかの腕前のようで」


「ありがとう。嬉しいよ」


『茶……飲まして貰った。かたじけなし。実にうまし』


 ……どうしよう。すっごくほのぼのしてるよ。


『して、そこの人間。何か用か?』


 土蜘蛛から聞かれた……あ、気づかれていらっしゃったんですね、はい。


「あー、妖気反応があったので……俺は陰陽寮所属なので、確認に」


「ふむ……この土蜘蛛なら我が式神になった。故に、心配はいらぬよ」


 謎の少女の言葉に耳を疑った。え?土蜘蛛を、式神に!?


『了承しとらんぞ、主』


「そうか。では封印し直すか?」


 えっと……脅威にはならなそうだな。でも、話を聞いてもやはりあの、封印されてた土蜘蛛だろう。となると、陰陽寮に報告しとかないと……あと、この子誰だろう?妹と同じくらいだよな。いや、ちょっと年上か?


『……よろしゅう願い(たてまつ)る』


「ん。で、そっちの。私は土御門瑞稀と呼ばれる者だ」


 そっちのって俺のこと……だよな。ちょっと、呼ばれ方が哀しい。


 ……土御門!?あの土御門を名乗れる人って、本家の人間?やべえ、俺、不敬で処分されるかも。


「はい。土御門様。此方は雲母(かける)と申します」


「そうか。では夫人、世話になった」


「いえいえ。また来ておくれ」


 ん?何かあの、話がまとまった的な感じになってるけど……あれ?


 土御門様。何故このような所に。そう、聞こうとして、俺はようやっと転移したことに気づいた。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇







「えっと……ここは、どこでしょうか」


 落ち着いた雰囲気の和室。もしや、この子の私室とか……?


「お前、霊障受けてるな」


 完全スルーでした、はい。しかし、霊障?もしかして、あの夢のことか?


「はい、多分ですが……」


 確証は持てないが、多分あれのことだろうなと思う。


「ふーん。あと、あの土蜘蛛のことは忘れろ。以上だ」


 結局何だったんだ?


 すっと、また転移させられそうだったので慌てて声をかけた。


「あ、あの! 俺は、何の霊障を受けてるんですか?」


「……お前の頭は何かの飾りか?」


 カチンときたものの、子供相手にムキになるのは大人げないと抑える。それにしても……上から目線だ。土御門本家のお嬢様なら仕方ないのかもしんないが。


 土御門本家の子は2人いた。その内の長女は落ちこぼれ、妹は超優秀ないい子とよく聞く。……どっちだ?落ちこぼれなら土蜘蛛を従えなどできないだろうし、かと言ってあんな性格のいいと聞いていた妹の方とは思いづらい。


 ……そういえば、彼女たちはどちらも小学生らしい。これが?小学生?


 俺の中の小学生の定義がガラガラと崩れていく。……妹のような、反抗期でもいい。子供っぽいあどけなさが残る子が本物の小学生だよ!年齢詐称してないか?


「ま、闇に呑まれたら死ぬぞ」


 俺がそれを聞く前に、そんな不吉なことを言って強制的に転移させられた。


 ………やっぱ年齢詐称してないか?本気で。







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