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巫女姫と魔法の暗殺人形(仮)  作者: 榊 唯月
桜舞う季節
46/50

二十幕:試験勉強(演者・・・春日美久)

凰璃学園

元々はどの国にも属さず、ただ太平洋に浮かぶ人工(アーティフィシャル)(•フロート)にある魔法学校だった。が、後に日本国の要請を受諾し、日本国所属の魔法学校、『凰璃学園』と名を改める。

全国の魔法学校は、例えば地中にあったり水中にあったり海上にあったりと様々な場所にあるが、浮遊しているものは稀である。これについては、充分な魔力の供給や浮遊石の確保が難しいからとされている。なので、珍しいからや、空が好きだからという理由で凰璃学園に来る外国人も少なくない。しかし、凰璃学園では多重結界や天候操作により、本物の空が見れることは極めて少ない。

 プスプス、と何処か焦げた匂いのする室内。珍しくさつきちゃんの顔が少しひきつってたです。はぁ………


「ううー、難しいのです~」


「えーっと、美久……そうだなあ☆ ちゃんと詠唱もできてるし、多分、魔力のコントロールができていないだけだよ。よし、もう一回!!」


 スーハースーハーと深呼吸をして、呼吸を整えます。


「……四大元素(エレメンツ)が一つ 神より与えられし偉大なる炎よ 我が命を聞き届け 数多あまたの矢となれ 『炎の矢(ファイヤーアロー)』」


 一言一句、間違いのないはずな詠唱は、炎になどならず、また焦げ臭い匂いが部屋に充満するだけだったです……


 うー、てっきり、魔法か陰陽術、どっちか選べると思ってたです。それは正しいですが、選べるのが、中間試験後だったのです!! なんでも、短時間で選択するにはあまりに重要なことだし、双方のことを学んでおいて損ではない、という理由だそうです。なので、私の様な魔法を初めて知った(ビギナー)者達は中間試験までに陰陽術と魔法の両方の初歩的な術を使えるようにしなくてはいけないのです……。


「うーん☆ まあ陰陽術の方はできてるし……」


「フォローになってないです!! それに、私は魔法を選択したいですよ!?」


「あー、例の白馬の王子様がいるからね、はいはい」


「会ったんです!?」


「そりゃ、術の時間はクラス関係なく分けられるしね☆」


 そうだったです……私達ビギナーズは中間試験までは一緒の授業ですが、さつきちゃんやトール君達は使う術の系統とかによって分けられるだったです。


「まあ、いいじゃん☆ 普通の授業は席、隣りなんでしょ?」


「そうですけど、中間試験後に席替えするですよ!!!」


 赤井先生が言ってたです。ちなみに次の席順は、くじ引きだそうです。……うー、私、運ないのにです。いっつも小学校でのくじ引きは、しゅう君の隣りだったですし。ええと、しゅう君の隣りが嫌だ、というのではなく、おんなじ人がいっつも隣りっていうのは流石にちょっと……と思ったのですよ。


「そういえばうちのクラスもそうかも☆ じゃあ、今の内に仲良くなっちゃえば? 魔法を教えてもらうとか」


「そ、そんな事は無理です!!! トール君は風紀委員のお仕事で忙しそうなのですよ。邪魔しては悪いです」


「そんなこと言ってたら前進しないと思うけどな〜。ただでさえ、土御門様と仲いいんでしょ、彼。風紀委員(レークス)の仕事も一緒だったら、さらに仲が発展しちゃう思うけどな☆」


「それは……そうですけど。でも、私なんかが風紀委員会に入るだなんて、無理です!」


 風紀委員は、完全な実力主義です。魔法初心者(ビギナー)が一年目に入った例はほぼない、とのことです。


「やってみないとわかんないって☆ それに、中間試験の成績がよければ、星雲寮に入れるかもしれなんだよ~?」


 星雲寮……トール君が、王子(拓都君)が、そして、瑞稀ちゃんがいる寮です。


 とってもすごい寮で、あの炎剣さんや中等部風紀委員長さんが所属しているらしいです。私もさつきちゃんと一緒に、入寮試験を受けようと行ったけど……結果は門前払いだったです。


「だから、頑張ってみようよ☆ 中間試験がよければ、移動教室も同じ班に誘いやすいしね」


「そうですね……」


「大丈夫☆ 美久は魔力の量自体はスゴイから」


「……それは遠まわしにコントロールが悪いと言ってるです?」


 アハハ☆と笑って誤魔化すさつきちゃんに、心の中で励ましてくれてありがとうです、と言ってから、また魔法の練習に戻ったです。











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