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巫女姫と魔法の暗殺人形(仮)  作者: 榊 唯月
桜舞う季節
37/50

幕間:魔法の鏡

魔法の鏡

白雪姫の話が一番有名。魔道具職人の憧れの作品である。今現在では、紫堂高貴のかばんによく入っている。

 昔々、ある王国に、とても優れた宮廷魔導士がいました。しかし彼は、その強大な魔力故に孤独でした。彼は、ずっと思っていました。気軽に話せる友人が欲しい、と。なので、彼は考えました……ならば魔法で創ればいい、と。



 彼は、王宮にある、自室の鏡に魔法をかけました。



 鏡は、人と話せる知能と自我、そして大いなる『知』を与えられました。その世界のことなら、問われれば何でも答えられるのです。


 彼と鏡は、話をしたりして、穏やかな生活をいとなんでいました。しかし、ある日…………王国が、隣国に宣戦布告をしました。


 この王国の宮廷魔導士である彼は、きっと世界で一番強い。だから、この王国は必ず勝てる、と思った王様による宣戦布告でした。


 戦争が、始まりました。


 彼と鏡が一緒にいる時間は減っていきました。

「ごめんね。今は少し、仕事が忙しいんだ。でももう少ししたら、終わるから。少しだけ、辛抱(しんぼう)してほしい」

 鏡は彼の言葉を信じ、つらい一人ぼっちの時間を耐えました。


 王国は苦戦しました。というのも、王国に優秀な魔導士がいたのに対し、隣国には優秀な剣士がいたのです。


 戦争も、王国の敗北で幕を閉じそうなころ。彼は問いました。

「鏡よ鏡、私と隣国の剣士、どちらが強いかな?」

 鏡はわかっていました。隣国の一番強い剣士と、彼が戦ったら十中八九、彼が負けることを。しかし、鏡は彼にそのことを言って、嫌われたくなかったのです。なので、鏡はこう言うしかありませんでした。

『あなたの方が強いです』




 彼は王国のため、隣国の一番強い剣士に一騎討ちを挑みに行きました。剣士は戦いを承諾しょうだくしました。


 ……鏡の知ることは、わかることはすべて真実です。なので当然ながら、彼は負けました。

「私から挑んだ戦いだ。勿論、私を殺して構わない。だが、大切なヤツに最期のメッセージを送りたいんだ。どうか、どうか、頼む」

 剣士は了承しました。


 王宮は遠く離れていたので、彼は余力を振り絞って念話(テレパシー)を使って、鏡に問いました。

『鏡よ鏡、私のことは嫌ってはいなかったか?』

 彼には、無機物に勝手に自我を生じさせた罪悪感が、鏡を一人ぼっちにさせた罪悪感があったのです。

『なんでそんなことを聞くんですか? 勿論、大好きですよ』

 彼はその言葉に安堵あんどしました。

『私……も好………きだ……よ』

 ザザザザと、ノイズの様な音が混じりながらの返答でした。彼の魔力は、もう尽きかけていたのです。


 彼はこれだけ言えれば満足でした。

「待たせて済まなかった」

 剣士は首を振って否定すると、すっとその手にある剣を構えました。



 血が、飛び散りました。



 彼は帰ってきませんでした。


 鏡は知ってしまいました。自分のついた嘘のせいで、彼が死んだことを。

 鏡は恨みました。自分自身を。自分のついた嘘を。

 そしてーーーーー










 とある国には、かつて魔法の鏡があったそうです。

 その鏡は、どんな質問にも答えます。

 ただし、本当のことしか言えないそうです。


 それは今、日本に渡ったそうです。








11月11日に33話を投稿。丁度、11の倍数ですね。なんか、縁起がいいです。


本日2話目です。一応関係あるものです。

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