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白銀の騎士と7人の少女たち  作者: 中州乙乙
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第1話「異世界」

 俺の名前は北山泰邦(きたやまやすくに)。どこでもいる普通の高校生だ。


「やれやれ、今日も学校疲れたぜ…。」


 学校の帰り道、俺はそう呟いた。周りに人はいない。いわゆる独り言ってやつだ。え、なんで一人でさびしく下校してるかって?

 ハッキリ言おう俺はボッチだ。学校に友達など一人もいない。一日誰とも話さないなんてこともある。

 だが俺はつらくなんてない。なぜなら家には可愛い女の子たちが待っているからだ。まあ、二次元だけどね。


(お、あの子たち可愛いな。)


 俺の視線の先には幼女の集団。言っておくが俺はロリコンではない。ただ、小学生の女の子は嫌いではない。


(あれ?)


 その時、俺は気づいてしまった。ダンプカーが幼女の集団に迫っているのを。


(まさか居眠り運転か?とにかく、あぶねぇ!)


 俺は走り出した。幼女たちを守るために。


「うおおおおおおおおお!間に合えぇぇぇ!!!!!」




 バコッ!!!




 鈍い音が響く。俺はダンプカーに轢かれた。


(あぁ~、俺死ぬのか…。でもまあ、幼女を守って死ぬんだ…。本望ってやつよ…。)


 思えばつまらない人生だった。小学校のとき苛められたことがトラウマで人と話さなくなった。その結果、中学・高校では一人も友達ができなかった。登下校はいつも一人。休み時間は寝たフリ。昼飯は便所飯。


(あぁ、生まれ変わりたいなぁ。人生やり直したい…。)


 昔読んだラノベに確かそんな話があった気がする。死んだ主人公が目を覚ますとそこは異世界で…。まあ、そんなこと実際にあるわけないけど。


「その願い、かなえてしんぜよう…。」


 ん、誰だ…?朦朧とする意識の中、誰かの声が聞こえた気がした。





「ねぇ君、そんなところで寝てたら危ないよ。お~い!」


 声が聞こえる。女の人の声だ。もしかして、俺は助かったのか…?


「ん…ん~!」


 目を開ける。目の前には一人の女の子いた。


「お、やっと起きた。」


 その女の子は俺が起きたことに気づくと安心したようにニコッと微笑んだ。年は自分と同じくらいか。なかなか豊満な胸とポニーテールが特徴的だ。うむ、可愛い。


「君、こんなとこで寝てちゃ危ないよ。魔物に襲われちゃうよ~。」


 彼女はわけのわからないことを言った。魔物?なんのこっちゃ。


「えっと、起こしてくれてありがとう。俺は泰邦っていうんだけど、君の名前は…?」


「ヤスクニ…?変わった名前ね。私の名前はスピア。」


 スピアか…。髪も金髪だし、外国の人だろうか?でも肌の色は自分と同じだし、なにより日本語で流暢に喋っている。


「あの、スピアさん。」


「スピアでいいよ。」


「じゃえっと、スピア。ここはどこだい?」


 見る限り自分の知っている土地ではないことは確かだ。


「ここはヴォルン平原。ずっと西にいけばハルビンの町よ。」


 聞いたことない地名。そういえばさっき魔物とか言ってたな。まさか…!


「ねえ、もしかしてこの世界って魔法とかある?」


「え、そりゃもちろん。まあ、私は使えませんけど。」


 そう言うと彼女は西洋風の槍を掲げた。


「でも、私にはこれがあるから魔物に襲われても大丈夫だけどね。」


 とてもおもちゃには見えない。おそらく本物の槍だろう。


(やはり、ここは俺の知らない世界。いわゆる異世界ってヤツか…。)


 俺はようやく今の自分の状況を理解することができた。

 どうやら俺はダンプカーに轢かれた衝撃で異世界に飛ばされてしまったらしい。どういう原理かはわからないし、にわかには信じがたい。しかし、魔物や魔法が存在していて、女の子が平然と槍を持っているのだ。そう思わざる得ないだろう。


(まさかホントに異世界に来れるとはな…。ちょうどいい、人生をこの世界でやり直してやるぜ…!)


 こうして、俺の第2の人生が始まったのであった。

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