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女子大生は危険がお好き  作者: まんぼう
第1章 人を操る男
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霊を操る術

鈴和が 慎二をひっぱたいた女の子を見て鈴和は

「この娘、気の状態がめちゃくちゃだわ」

そう感じたので、その子の肩を掴まえて、新たに気を送り込んだ。

すると我に返った感じで呆然としていたが

「あれ、私何やってるんだろう?」

そう言って周りを見回した。高村が

「君はこのタワーから飛び降りた処を僕達が助けたのさ、そしてこいつを「ひとでなし」と言ってひっぱたいたのさ」

そう言うとその娘は顔を真っ赤にして

「すいません、すいません、私何だか夢みたいなのをずっと見せられていたような感じがするのです」

そう言って慎二に詫を入れた。

鈴和はその娘に

「あなた、夢を見せられていた様な、って言っていたけど。具体的にはどんな感じなの?」

そう訊いてみた。するとその娘は

「あ、私は辛島翠と申します。人文学部の2年です」

「じゃあ、私達よりお姉さんで先輩だわ」

それまで黙っていた美樹が嬉しそうに話す。

「翠さん、良かったら話してくれないかしら、自殺を試みる様な夢なんて……」

鈴和の言葉に翠は

「そうですね。思い出せる範囲でお話します」

それを聴いた高村は

「ここじゃ不味いよ。きっと翠さんを殺そうとした奴が何処かで見ているかも知れない」

そう言って鈴和に注意を与えた。鈴和もそれは感じていただけに

「じゃあ、私の家ならここから近いし、安全だし、どう?」

元より皆異論はなかったので、すぐに移動することにした。

関わり合い上、慎二と美樹も一緒だった。


高村と慎二、鈴和と美樹、それに翠の5人は上郷家のダイニングテーブルに座っていた。

鈴和が皆にコーヒーを入れて配る。

鈴和もそこに座り

「翠さん、実は私とこの高村くんはある組織の一員で、警察が取り上げない犯罪や事件等を解決しています。超能力ってご存知かしら? 私と高村くんは能力は違うけど普通の人には無い能力を持っています」

そう話すと、翠は

「実は、私を助けてくれた時、高村さんが何時の間にか抱いてくれていたので、不思議には思ったのです。

それに鈴和さんは私がおかしくなっていた時に心の中に活を入れられた感じがして正気に戻りました。ですので、そのお話を信じます」

翠のその答えに鈴和は

「それでは、最初からお話願えますか?」

そう言って翠に言うと彼女は

「それではお話致します」と言って話し始めた……


……私は高校の頃から心理学に興味があり、大学もその方面に進みたいと思っていました。

子供の頃から霊魂は必ずあると信じていましたし、育ったのが田舎なので古い因習も全て信じていました。

だから、進学先は心理学では定評のある東山大学を選び、人文学部の心理学科 臨床心理専攻を選択しました。


ここまで聴いて鈴和と美樹は自分の直接の先輩では無いかと思ったのだ。

今後同じゼミなどに入れば、もっと良く知り合いになれるのかと思った


……2年になり私はゼミに入る事にしました。私の場合は就職よりも藤井教授にどうしても師事したかったのです。

そして、そこで3年生の先輩と知り合いました。

丸山貫地と言う先輩で、良く判らない私にとても親切にしてくれました。

何時のまにか男女の関係になっていました。

それ自身は私も望んだ頃ですので、別に構わないのですが、親しくなると彼は私に、

「自分の心理学のテーマに協力してくれないか?」

と言って来たのです。

私に異論はありませんでした。

と言うのもテーマが「霊魂の存在と心理学」と言うテーマだったからです。

これは、一口で言うと、霊魂も心理学的なアプローチが成功するか?」

と言うものでして、霊魂に対して色々と質問をしたり、実験をして人間の時とどう違うかを調べると言う事でした。


鈴和はそこまで聴いて、これは胡散臭いと思った。

人間と霊魂の時と同じでは無いのだ。

霊魂は絶えす進化をしなければならない。

人間として生まれて来るのはこの世に修行のために生まれて来るのだ。

だから、修行が終わり霊の状態になればそこには霊的な進化があるはずなのだ。

そいつに自分が言って教えてやろうかしらと鈴和は思っていた。


……彼は最初は大した事はしませんでしたが、何時の頃か強力な催眠術を私に掛けて、私の意識の外で色々な事をするようになりました。

今回も私を眠らせて、私の心に直接色々な事をやったみたいです。

目が覚めて「どんな事をしたのか」と訊いてみると彼は、私の意識を無くして直接私の心と言うか霊に、何をやったのか教え込んだのです。


「それはどのような事だったの?」

鈴和が訊くと翠は少し言いよどんで

「それは私を大勢の男の人が取り囲み、私に乱暴したというものでした」

「乱暴って……まさか……」

「はい、何人も何人もです」


そこまで訊くと鈴和は高村に

「私は翠さんを組織の医者に見せて来るから、高村くんはここで美樹と……なんて言ったっけ?」

「種村慎二です!」

「ああ、そうそう慎二くんと一緒に待っていてね。それから説明もしておいてね」

鈴和はそう言うと翠を抱きしめると、その姿を消して行った。

「やれやれ、。鈴和ちゃんはセッカチだからな」

高村の言葉に美樹も

「それは昔から変わらないわ」

そう言って笑ってる。

全く訳が判らないのは慎二だった。


「どういう事なの?」

慎二がそう呟くと高村は

「鈴和ちゃんと俺は特殊能力を持っていてね。まあ俺が持っているのは慎二も知っているだろうけど、鈴和ちゃんもそうでね。それで彼女は翠さんを医者に見せに連れて行ったと言う訳なのさ」

「つまり、鈴和さんは普通の人間じゃ無いという事なんだ……」

「そういう事」

高村の言い方が余りにも軽い言い方だったので、美樹は可笑しくなってしまった。

「慎二くん、それでも鈴和にアタックしてみる?」

美樹がそう言うと慎二はすぐに

「やります!特殊能力者でも人間に変わりは無いのでしょう? なら問題ありませんよ。僕はアタックします!」

「おお!みごと!」

そう言って高村と美樹が拍手をする。

「大丈夫だよ!私だって何の能力もない普通の人間で、悟は能力者だからね。でも仲よくやってるからさ」

美樹はからかってるのか、励ましているのか判らない言い方をしていた。



一方、組織に翠を連れて来た鈴和は翠を組織の医者に見せた。

まずは婦人科の医者に見せ、暴行の後があるか見て貰ったのだった。

「結論から言うと、特別な暴行の後はありません。但し、48時間以内に性交渉した後はありますが、これは通常の交渉と思われます」

メガネを掛けた女性の医師はそう言って暴行の可能性を否定した。


次に診療内科の医師に見て貰った。

これはちょっと時間が掛かった。

医師は鈴和に

「これは深層心理にかなりダメージが蓄積されています。どうすればここまで出来るのか、能力者以外では考えられえませんね」

鈴和とも親しい初老の医師は難しい顔をして

「ボスに確かめた方が良いですが、これは私も噂に聞いただけですが、どうも霊を操る事が出来る一族が居るという話なのですがね……どうもそんな感じがします」

医師の言う「霊を操る」とはどうのような事なのだろうか?

鈴和は、父に訊いて見る事にした。

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