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女子大生は危険がお好き  作者: まんぼう
第1章 人を操る男
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反撃

慎二は早速高村に電話をしたが

「……あれ? おかしいな、出ない……」

鈴和がそれを聞いて

「じゃあ私が美樹に掛けてみる」

そう言って電話を掛けると

「あれ?出ないわねえ……まさか!」

鈴和はスマホをしまうと慎二や翠、それにウイに向かって

「大変、美樹と高村くんに連絡がつかないのよ。丸山が高村くんのアパートに行ったのかしら?」

そう言いその身を案じた。

3人も頷いている。

「行ったほうが良いよね?」

鈴和がそう3人に訊くと、3人がそれぞれ

「様子を見に行った方が良い」と慎二

「何かあったのかも」と翠

「ちょっと心配ですね」とウイ

それぞれが同じ様な反応をしたので、鈴和が慎二を、ウイが翠を抱いて高村のアパートにテレポートした。


アパートの前に姿を現した4人は鈴和を先頭に高村の2階の部屋に行き、ドアをノックする。

やや間があって「あ、は~い」と美樹の声がしてドアが開いた。

「あ、みんなどうしたの?」

とぼけた表情で、美樹がドアをすぐ閉めて表に出て来た。

髪が乱れていて、殆どの人が、今まで美樹と高村が何をやっていたかが判る。

「美樹、あんた……まあ何も無かったら仲良くしてくれても良いんだけどね」

「いやぁ、ねえ……一緒にいて、悟が私を守ってくれていて、抱きしめてくれていたら、そうなるでしょう? ねえ?」

そこまで言って美樹は鈴和が今まで男の子と交際さえした事が無い事を思い出した。

「あ、ごめん! 鈴和経験無かったんだっけ……」

美樹がフォローにならないフォローを言っていると、ドアが開いて高村が顔をだした。

「皆さん……心配させてすいません。ちょっと気分が高まってしまったもので……」

二人はアドアの前で揃って詫びを入れるのだった。


「外に出れられる?」

鈴和は気を使って二人に問いかけると美樹が

「大丈夫だよ。部屋の中は見せられないけどね」

そう言ってまた笑っている

「じゃあ近くのファミレスにでも行こうよ」

鈴和はそう言って歩きだした。

「はあ~、私達が必死で戦っているのに、美樹達はいいことしてるななんて、なんか差があるなあ~」

鈴和が歩きながらブツブツ言ってると慎二が心配して

「鈴和さん、交際の経験が無いんですか?」

ストレートな言い方に鈴和の方が驚いて

「慎二くんは、経験あるの?」

そう訊くと慎二は笑いながら

「いや、僕も無いんですけどね」

そう言いながら真っ赤になった。

鈴和はそんな慎二を見て『そんな悪い子では無いのかも知れない』と思うのだった。


5分ほど歩いた先にあるファミレスに6人は席を取って、鈴和は先程の丸山とのバトルの事を美樹と高村に話していた。

「そんな危なかったんだ……なのにわたしたち……ごめんね鈴和」

「いいよ、もう。でも二人が無事でよかったわよ」

どうやら鈴和の機嫌は直った様である。

それを感じたのか翠が

「鈴和さん、先ほど言っていた作戦って何ですか」

やっと話が本題に入って来た様だ。

「そうそう、それなんだけどね」

鈴和も思い出して自分の考えた作戦を語り始めた。


「あのね、今回丸山と戦って、アイツの弱みは、戦った私達はもう知ってるわよね。

でも高村くんと美樹は知らないって思っているんじゃ無いかしら?

そこを逆手に取って丸山をおびき出して、ウイさんにも手伝って貰って一気に決着をつけようと思うのよ」

それを聞いてそれまで黙っていた高村が

「もしかして、俺と美樹が囮になるとか?」

そう訊いて来たので、鈴和は

「まあ、そうかな。高村くんのアパートって2部屋でしょう?」

「ああ、そうだよ」

「だから隣の部屋に私と翠さんと慎二くんとウイさんが控えているのよ。そのままだとバレるから、ウイさんに私達を結界で覆って貰うのよ」

「それだって、バレないかい?」

「ウイさんんも結界は私達のとは違うから、その存在を知らない丸山には判らないのよ」

「そんなものなのか?」

高村が疑問に思うとウイが

「そうですね。サングラスでも色々な色があるでしょう。そういう事なんですよ」

そう言って説明されたが、全員「何か例えが違うんじゃ無いか?」とは思ったが、誰も口に出しては言えなかった。


翌日から大学から帰って来ると一定時間予定通り高村の部屋に潜んでいたのだが、何日か経っても一向に襲って来る気配が無かったので美樹が段々焦れて来た。

「もう、悟と二人でいたいのに……」

そう呟いていると、高村が

「少しの辛抱だから」

そう言って慰めてくれた。そんな日の夜だった。

高村はアパートの外に異常な気配を感じた。

「なんだ?」

窓から表を覗くとアパートの外に以上に人が大勢集まっている。

やはり隣の部屋の鈴和とウイも異常を感じたらしい。

「ねえ、あれもしかして円山に操られている人かしら」

鈴和が高村のいる部屋に襖を開けて訊いてくる。

ウイが部屋の窓から外を確認すると

「そうですね、あれは完全に操られていますね。どうしますか?」

鈴和はそれでもウイの結界に守られている自分たちは円山には気が付かれていないハズだと思っていた。

美樹が窓から表を見て

「なあにアレ、あれが操られているの? 丸山本人は何処に居るのかしら」

そう言いながら表を見ていると

「あれ! あそこに居るの丸山じゃ無い?」

そう言って指を指した。

その方向を見ていると、確かに操られている人の中に丸山が立っている。

鈴和もそれを見て

「あいつ、何をやっているのかしら? 何でもいいわ、こっちはやるだけだから」

そう言うと慎二に向かって

「慎二くん、この前みたく私の肩に触って、気を送り込んでくれる」

そう頼み込む。高村と慎二は

「それで何をやるの?」

揃って訊いてしまった。

その答えに鈴和は

「うん、慎二くんが私の力を大幅にUPさせてくれるから、私の増大した能力で円山の霊を幽体離脱させるの。そうすれば万事解決でしょう」

そう言うのだが慎二は兎も角高村は

「幽体離脱させればアイツの能力は消滅するのかい?」疑問を投げ掛けた。

そこまで聞いていたウイが

「可能性としては悪く無いと思いますが、そう上手く引っかかってくれるでしょうか?」

そう言って更に疑問を呈する。

「それはどう言う意味ですか?」

翠がウイに訊くとウイは

「何だか、向こうが誘って居るような気がするのです。まるでこちらの動きを読んで行動してるみたいな……」

そのウイの言葉は予感だけでは無かった……

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