やわらかいやつ
ぷに ぷに
僕はやつに手を伸ばす
ぷに ぷに
僕はやつを掴もうとする
手を伸ばせば届きそう
手を伸ばしても届かない
近いようで遠く
現実のようで夢想
あの綿菓子のような笑み
僕の中でふわふわと浮かぶ
掴んで食べたらとろけそうな
甘い甘い風菓子
水蒸気がいくら近くにあっても掴めないけど
やつになっても掴めない
山脈の霧に守られる花は
努力をしたら掴めるのかな?
ああ、やつは遠いところに行ったのだ
ああ、やつは遠いところに旅立ったのだ
いくら田子の浦をこぎ渡っても
出会えぬとわかってるのだが
それでも僕は忘れられない
君が今ここにあったのを
感想をお願いしてもいいでしょうか……