たんぺん
てすときかん
【注意】自殺未遂・うつ・自己否定描写あり。苦手な方は閲覧をお控えください。助長・美化する意図はありません。フィクションです。
「自分で自分を泣かせる文なんて無いよな
自分で書いた文でさえ何を言ってるのかさっぱりだし、
なんかそんな気がするんだ。
文だけじゃ伝わらない感情や壮大さ、そしてまだまだ言語化できてないあまりの感情の多さに圧倒されて、
もう疲れたよ」
親友のAはそう言って、命を断った。
(あの時、なんで声をかければ分からなくて私は戸惑った。
「そう、私も同じ、感情を言語化しようとしても難しいよね。」そんなのは励ましにならないと知っている。
だって、Aはかなり自分の感情を見事に言語化している。それなのに「難しい」とか、ふざけてんじゃ無いかって思う。)
歩きながらボソボソとBは喋る。
「おおっ!B!なんかあったか!」
そう元気そうにCはしゃべるけど、
残念だ。
私にはそれに「うん」とも「いいや」とも答える権利はない。かつ、気力もない。
学校へ歩くだけで足に負担がかかりもう死にそうだってんのに。
それでも変わらずCは呼びかける
「なんで話さねーんだよ!分かった!俺別の友達と話してくるわ!」
去ってしまった。私のせいで。私がつまらないから。私が応えなかったから。
そんなヒステリックな思考を思い浮かぶことさえ自分に対しての被牓に感じる。
学校へつき、宿題を提出して、席に座り、頭を抱える。
「なんでこうも私は不器用なんだろう」
調理実習も味配分を考えずに無茶苦茶にしてしまって怒られたし、
授業中も先生の話を聞かず友達とくっちゃべって怒られたし。
家に帰ってゲームをしても、操作ミスばっかでイラつくだけだ。
それが恒常的な私の習慣。と言うわけではないが、あまりの不器用さに虐められたり、揶揄われたりされないか、心配だ。
今日も授業が始まる。
昨日の夜に夜更かしをした。
落ちる瞼に消える視界。
なすすべなく頭を机に打ちつける。
「やんぬるかな…ってメロスにあった…よ…ね…」
そのまま寝てしまった。
授業が終わる直前に目が覚めて、「あっ」と周りを見渡す。
かなり重要そうに机に貼られた一枚の紙。
「放課後職員室へ」
その文字一つ一つを読む度に焦燥が程走る。
「ぜったい、、おこられんじゃん…」
そうおもいながら、次の授業も、そのまた次も寝てしまった。
人間の三大欲求には抗えない物だ。
結局ほぼ全ての授業を寝て過ごし、先生たちはイラつきの嵐だろう。
放課後、私はドクドクと波打つ心臓を何度か鎮ませる。
「お、きたかB」
私は何も発せずに先生の前に立つ。
「B、お前大丈夫か?」
寄せられたのは心配の声だった。
その言葉は優しさを持って私の耳に入ったが、その瞬間に自分の中の蟠りが暴走する。
次第に心臓に出来ていた大きな穴が肥大化する。
「随分と長い時間寝ているようだが、昨日は何時に寝たんだ?」
かけられる心配の声とそれに呼応する心臓の穴。
呼吸は荒くなり、喉も潰れたように声を発せない。
「どうした?大丈夫か?」
脳内で家族の自分を批判する声が聞こえる。
「将来のことは考えてるの!」「いい高校に入りなさいよ!」
もう頭はパンパンで詰めどころがなく、視界の情報も耳からの情報も、どちらも脳は拒んでいた。
「私は…私は…」声が出ない。この先の言葉が出てこない。
「ゆっくりでいいからな、ゆっくりで」と、先生は宥める。
もう。いやだ。この空間には私とその先生以外にも居る。
そんな中で私の、醜態を曝け出して、恥ずかしくない方がおかしいんだ。
私は常識はずれ。そして卑屈。未来のことなんか考えてない、頭のおかしい知的障害者なんだ。
だから…だから、
私は気づくとその場から走って去っていった。
追いかけようとする先生から逃げる。
階段で転けて、頭を打ちつけて、血が滲み出る。
関係ない。走れ。
走るんだ。
走れ。
部活も先生も学校バッグも放り出し、家に帰ろうとしていた。
けれども家に帰ると、また怒られる。
いやだ、そんなの。いやだ。
私は家を通り過ぎて、近くの橋へ行った。
「ここで、死のう。」
もう限界だった。
どうせなら存在ごと消えてしまえば良いんだ。
さよなら。
自由を求め落ちる体が、
途中で止まる。
逆さまの体の足に掴んだ手。
Cだ。
やりやがった。Cがやった。
Cは何とか私を引き上げようとするけど、力が足りない。
そこへ、追ってかけた先生もやっときた。
「☆☆$×5++」
なんか言ってるけど耳に入らない。
先生の力は圧倒的にCより強くて、私を吸い込むように引き上げた。
そして、引き上げられた私は足がガクンと落ちてすべてを諦め光が消えたその目で2人を見る。
怒って…るよな。
「」
ただ沈黙が続いた。
と言うよりかは、私の脳が2人の声を遮断している。
何も聞こえない。何も見たくない。
私は無気力な手足のまま家へと連れていってもらった。
「あぁ、もうどうでも良いや、」
ぼやけた視界が母を捉える。
おこられる!
私は足を無理矢理にでも動かそうとした。
痙攣しただけで何も変わらない。
その痙攣した僅かな振動で私は倒れそうになる。
そこをすかさず母は抱きしめる。
「♪☆1111・$☆♪!」
相変わらず何も分からない。けども、肩に感じた、あの濡れた感触。
そうだったんだ、そうなんだよね…
私も思わず溢れ出た。
次の日、もう時刻はとっくに登校時間を過ぎていた。
だけども母からは何も言われなかった。
「学校に行かなきゃ」
でもまだ体は動かない。
あの疲れを一日で取るのは不可能に近かった。
「暑い」「寒い」も自分で調節が出来なかった。
ただ、昨日の後悔と失念が感情の渦に巻かれていた。
「何も出来やしなかった。」
「私は悪くない。悪いのはあの2人だ」
あれ…あの2人って誰だっけ…もう覚えてないや。
そんな事を思い浮かびながら今までの不眠分を取り戻すように二度寝した。
Bは1人でに起きて、歩き出す。
方向は玄関。
ドアノブを捻り外に出る。
今日の外の気温は-1℃。
寒いけども知ったこっちゃない。
そして、凍える息の漂うこの場で、
Bはただ一言、
「A、また会えるよ。」
それだけを、残した。
てすとだるい




