ぼくの好き
雨上がりの匂いが好き。
土や草花が喜んでいるような、そんな自然の香りがするから。
雨が降ってるときじゃだめだよ。
夕暮れ時の、雲の隙間から射す、綺麗なオレンジの光が好き。
ちょっぴり瞳に痛い光は、センチメンタルな心にそっと寄り添ってくれるから。
日が暮れて、少し経った頃の
お月様の光が好き。
これから夜が始まるよ、って合図みたいに
優しく照らしてくれるから。
道端の雑草にまぎれて咲いている
小さな小さな花が好き。
出しゃばらず遠慮がちで、
それでも見つけた人を癒してくれる。
冬の寒い朝の川沿いで
川に反射するキラキラが好き。
昔聞いたアイヌの民謡みたく
銀のしずくのように綺麗だから。
夏の森の中で空から射す
木々の隙間から漏れるキラキラが好き。
アイヌの民謡で聞いた
金のしずくの通り、とても素敵だから。
春の訪れを告げるように鳴く
ホトトギスの鳴き声が好き。
たまに鳴き声を失敗して
笑わせてくれるから。
秋が少しずつ深まる中、魅せてくれる
色とりどりの紅葉が好き。
ようやく私の番ですとゆっくりと
鮮やかなグラデーションを披露する。
好きなもの、嫌いなもの
色々あるかもしれないけれど。
好きなもののことを考えてるほうが
きっと、楽しいよね。