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使いやすい種族と仕えやすい存在

作者: 小雨川蛙
掲載日:2024/11/20

 

 ある日、私は星々を旅する最中に素晴らしい種族を見つけた。

 それは牙も爪も持たず、持っている筋肉も獣のものに比べれば遥かに弱い。

 あえて言うならば脳だけは他種よりも遥かに優れていたが、それでも私からすれば児戯のそれと大差ない。

 つまり、有り体に言ってしまえばこの種族は反抗する力を持たないくせに、私からの指示を十分に理解して実行するだけの脳を持っている。

 なんと素晴らしいことだろうか。

 私は直ちにその種族、人間を支配下に置いたのだった。

 ・

 ある日、戦に疲れた我々の前に素晴らしい存在が現れた。

 現存するあらゆる兵器を用いても殺すどころか傷一つ付ける事が出来ないほどに強靭で、それでありながらも慈悲深い。

 あえて言うならば我々より遥かに強い存在ということは決定的な恐怖に繋がってはいるが、それについて考えだせばきりはない。

 重要なのは彼に仕えていれば、彼は我らを寵愛してくれるということだ。

 なんと素晴らしいことだろうか。

 我々は兵器を捨ててその存在、即ち神を崇め奉ったのだった。




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― 新着の感想 ―
皮肉が効いていて面白かったです。  「凄い存在」から見れば人間なんてそんなものだし、逆も然りなんですよね。 神様と感じてしまうでしょうね。  ありがとうございました。
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