ショック
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「曲者だ」
俺達の周りを大勢の兵隊バチの金髪娘が、取り囲んでいる。
透かさずに、禁断の果実を取り出したロコは、掴めるだけ掴んでは、天井を目掛けて投げ上げる。こちらも、大量に撒ける様にと、ロコは、南京豆として、禁断の果実を選択したようだ。
「この木の実は、禁断の果実ですよ、食べれば、言葉を操りし者になれますよぉ~」
「そうだ、本当だよ、みんなお口に入れてごらんよ」
「ロコも、マークも木の実ですって、南京豆は、木の実じゃないわよね」
「そこは、みんなが分かりやすい様に、言っているだけでしょ、何でもいいのよ、そもそも、南京豆じゃなくたっていいんだから」
「大量に撒ける様に、南京豆なのでしょ、城前の広場での果汁の雨と同じことよ、ここは、室内だから果汁は、よしたのかしらね?」
「お行儀が良い、ことだこと」
講堂内にいる連行されてきた働きバチ金髪娘たちは、轟々というくらいに、うめき声のような歓声とともに、南京豆を頬張り続けている。
俺達を取り囲んでいる兵隊バチの金髪娘さんたちは、親玉の命令として、取り押さえようとしながらも、講堂内の暴動になっている連行されてきた働きバチの金髪娘の状況を抑えることも出来ないまま、禁断の果実というの言葉に、疑心暗鬼と新しい力に対する貪欲さが、それぞれの判断に微妙な心の動きを与えていることが、ありありと見て取れている。
一人の兵隊バチの金髪娘さんが、堪え切れなくなったのか、南京豆を一粒手に取って、お口に放り込んでみた。
「これで私は、言葉を操れるのか?ねぇ、これ、食べてみて?」
彼女の一言で、隣の兵隊バチさんが、強制的に南京豆をお口に投入する。
「本当だわ、なんだか、力がみなぎってくるわ、あなた、逆立ちして、食べてごらんなさいよ」
そう言われた隣の兵隊バチも、そのまた隣の兵隊バチも、そのまた隣の金髪娘さんも、下着が丸出しになるように逆立ちをして、南京豆を口に運んでいる。
これを見てしまった俺達を取り囲んでいる兵隊バチもいや、講堂にいる全ての兵隊バチの金髪お姉さんが、我先にと南京豆を取り合い始めてしまった。
醜態を晒すことなどお構いなしといったその様子は、本当に人は、現金な生き物ってことが分かりますね。
ごった返した講堂の奥から、パチンっと指を鳴らす音が響き渡った。その音が、鳴り終わると、逆立ちしていた娘さんも我に返ったように、逆立ちを止めてしまった。
シーンっと、静けさが講堂内を支配するが、次の瞬間には、次から次へと、また、新たな言葉が発せられ、紡がれて、新しい、言葉の魔術が、乗数計算の如く、講堂内に広がっていく。
パチンと指を鳴らして、一時的にせよ、リセットさせたのは、間違いなくこの講堂の親玉、リンランとランリンであることは、説明してもらわなくても、よく分かることである。
「お前たちは、何者だ、禁断の果実の在処は、女王しか、知りえないはずだ」
「お前たちが、城に騒動を巻き起こしている張本人だな」
「張本人?この国は、客人を持て成すという常識はないのかな?」
「客人?客人などこのカルボーアにあり得ない」
「おたくが、ここを取り仕切っている親玉かい?赤い金髪、赤みを帯びた金髪で、イエローゴールドちゃんを虐めている次期女王なのかな?」
「貴様、我らを探っているのだな」
「リンラン、大勢で子供まで連れて、やって来るなんて、旅行気分の愚か者たちね」
「器量よしも、いるじゃないの、一緒に売り飛ばすか、処分しちゃいましょう」
「ふざけた事を言うんじゃないよ、俺達は、他の国、言葉を変えれば、別の世界から来た、魔法の調査隊だぞ、別に怪しいものでもないし、争うつもりもないんだけどね」
「別の世界の者が、ここへ、自ら、来られる者なんて、あり得ない」
「あり得ないって言われても、難儀したけれど、やっと来られたんだよ、禁断の果実も、その樹木も手に入れちゃったけどさ」
「そもそも、女しかしないこの国に、おっ、おっ、お前は、女では無いな」
「ご名答、俺は、間違いなく、女ではない、オトコですわっ、おっほっほ」
「こやつ、言わせておけば」
リンランとランリンは、今度は、指を鳴らすことではなく、腕を振り上げて、その指先を俺達に突き刺すように向けて、ある言葉を叫ぶように投げつけた。
「ショックっ~」
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