捕獲の森
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「ねぇねぇ、どうして森の中を歩いて城に戻らなくちゃいけないの?」
「ここへ来たように、飛んで城まで戻りましょうよ」
「いきなり城に戻るのは、今、どうなっているのか分からないから危険でしょ」
「じゃぁ、近くまで、飛びましょうよ、疲れちゃうもん」
「カボスまで、飛び癖がついちゃうんだから、一度知っちゃうと、後戻りできないものなのね」
「まぁ、人間なんて、そんなものだよね」
「まぁ、マークって、失礼ね、あなた達は、人間なの?女神さまもいるし」
「もちろん、人間さ、ふつーのね」
「聞かなかったけど、ネーブルやカボス、スダチは、・・・・人間?じゃないよね」
「えっ、なに?」
「失礼ね、人間よ、自然系の魔法が使える人間よ」
「人間なの?でも、私たちとは、違う種類の人間よね、だって、みんな女王の子で、男なしの世界だし」
「そうか、じゃぁ、うちの三桃娘も私たちとは、人としての種類が違うのね」
「違ったっていいじゃないか、問題ないよ」
「マークは、ゴールド大好きだもんね、気にしないわよね、でも、タマゴで生まれたり、男が要らなかったら、マークの出る幕なんて無いんだから、うふっ」
「タマゴって、良く知っているのね、私たちは、タマゴから出てくるのよ」
「ネ、ネ、ネーブル、本当なの?からかっているんでしょ」
「みんなは、違うの?」
「本当に、種類が違うのね、種類っていうより、違う生き物なのよね、きっと」
「でも、その者たちが、外の世界にでると、俺達と同じになるんじゃないのかな、だって、ここが、魔法と魔法使いの起源だとすると、俺達の世界の魔法使いの元の姿なんだろ」
「なるほどね、そうすると、この国、この世界が、不思議の世界で、出ちゃうと、私たちと同じになるってこと?」
「そうかもしれないね」
「私たち、マークやロコたちと違うの?」
「全然、違うわね、同じになれば、タマゴじゃなくて、タマゴをお腹の中で抱くようになるのよ」
「そうなんだ、抱いちゃうんだ」
「そうよ、抱いちゃうのよ、抱かれながら、抱かれたことによって」
「ルルっ、そういうことを教えない、教えない」
「イヤーン、教えて、教えて、抱いて抱かれちゃうヤツ~」
「スーチン!」
西の森の中を俺達は、東へと向かって突き進んでいる。
歩いて戻ることに文句を言っていたカボスやスダチもおしゃべりをしながらの歩みは、さながらハイキングを満喫しているといったところだろうか。
斥候として先を進んでいたコンコンが、戻ってきてロコと話をしている。コンコン情報によると大勢の逃げ惑う金髪娘を血相を変えた金髪兵隊ハチさんが次々と捕獲しているというのだ。
「待て!待たなくても、どうせ捕まるのだ」
怒号と悲鳴が段々と大きく俺達の耳にも届くようになってきた。
身を潜めて、声を殺しながら光景を見ている。まぁ、二人の女神によって、風景にカモフラージュさせる魔法が施されているので、向こうからは、見えるはずもないが、逃げ惑う金髪かわいこちゃんが、目と目を併せて懇願の眼差しを俺達に向けてくる。
本当に、見えていないんだよね。
一人、また一人と、逃げる金髪娘は、捕獲されて城へと連行されていく。この後を付いていけば、この騒ぎの全貌も見えてくるだろうと、俺達も、着かず離れず後をついて城まで戻ることにした。
だって、どうせ、戻ろうとしている行先は、一緒ですもんね。
「みんなは、どうして、捕まってしまったのかしら?」
「おそらく、俺達が、いなくなったからじゃないかなぁ」
「脱獄がバレたの?」
「そりゃ、バレるでしょ」
「怖いわ、私たちも、また、捕まっちゃう」
そりゃ、このまま戻れば、捕まっちゃうことは、当然だろうさ。
しかし、俺達は、禁断の果実を食らい、また、切り倒されていない完全なる禁断の果実の樹木までを手にしている。
解放軍として、クーデターを起こしてやろうとしているんだから、もう少し、カボスやスダチ、ネーブルも俺達を信頼して欲しいものであるが、この国の恐ろしさを一番知っている者からすれば、これまた当然の心持なのかもしれない。
この俺だって、女神が二人もいることで過信しすぎていることは、否めないけれどね。
魔法の起源と推測しているその国の女王に太刀打ちできるかなんて分からないとしか言いようがない。まして、二人の女神は、俺の手を握り続けているマリーを元の姿に戻すことすらできないのである。
不安だ。
いろいろ、不安があることは、ある。
出たとこ勝負では、博打そのものだ。
策を講じない事には何事も上手くいかない。博打でさえ、そのはずだ。チンチロリンのシゴロの勝負だから、倍取りの勝負をしないといけない。
賽子を投げちゃうのは、いまかしら?ね。
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