禁断のパンツ
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金、金、金は、美しい。
世界には、赤、青、茶、緑と色々な素晴らしい色があることを、俺は、十六歳の誕生日以降、グラビア雑誌ではなく、自分の眼で確認することができている。
まだ、まだ、お目にかかっていない黒や銀、黄色にピンク。
ピンクは、見たことあったけど。まだ見ぬカラーコレクションを求めたくなるのは、いけないことなのでしょうか。カラーハンターなんだきっと俺は。
しかし、やっぱり、あくまでも個人的意見としての見解であるが、金って、素晴らしく美しい色である。金も、濃い金から薄い金、赤みがかったピンクゴールドから、黄色みの強いイエローゴールド、世の中で、金の価値が変動しているように、俺の好みの色も変動しています。
この頃のゴールド・ラッシュの中で。
「マーク!ヘンタイ!誰が、かた焼きそばを腿の付け根に付けているんですって!」
「束子だよ、亀さんの束子ではなくて、かた焼きそばのタワシちゃんって言うのがピッタリだったのよ」
「何よ!かた焼きそばじゃないわよ、もっと、可愛いんだから、ほらっ」
カボスは、裾を捲りあげて、俺の鼻先に突き出して来た。
「あっ、しまった!マークは、男だったんだわ!バカっ~っ」
かた焼きそばみたいな可愛いタワシちゃんは、これこそ禁断の果実のような甘い香りを漂わせながら、ヒラリとした裾の奥へと隠れていった。いつものことながら、不可抗力でいい思いをしているんだけれども、その後で、エッチで変態扱いされるのは、本当に納得がいきません。
「ロコ、今日の夕飯は、かた焼きそばにしておくれ」
「絶対にしません」
「美味しそうなのになぁ~」
「赤い、かた焼きそばなら、・・・・」
「ロコ!」
「夕飯が、ちゃんと食べられるのかしら?」
「ロコのご飯、食べたいわよ、私も」
ご飯どころではないか、今は、このままだとオロチちゃんにチューちゃんをお口に突っ込まれそうで、ちょっと不安。
「ところで、あなた達は、禁断の果実の事をどこで知ったの?」
「黄泉の国っていう魔法の国がどこかにあるって、風の噂を耳にして、そこから、禁断の白桃の話も、小耳に挟んだんだよ」
「どこで、小耳に挟んだのか、聞いているのよ、この国の者以外は、知らないはずよ」
「北を示す星の真下で聞いたんだよ」
「真下じゃないわよ、北を目指す√2分の一地点よ」
「いいです、いいです、もう、どこでもいいです」
「いずれにしても、この国の秘密を知ったから、捕まっちゃたのね」
「違うよ、捕まったのは、カボスとスダチは、どこだって聞いたら捕まったのよ」
「本当に私たちの事?」
「うん、チューちゃんの行方を捜していたからさ」
「チューちゃんって、この、ネズミ?白かったり、ガイコツになったり、気持ちの悪い魔法のネズミだったのね」
「ガイコツになったの?またなったんだ、それで、光ったのかなぁ」
「チューちゃんが、光る時は、何かある時だもんね」
「ところで、ネーブルは、どうなっちゃったのかしら?」
「ネーブル?」
「あなた達の事を一緒に探してくれた娘よ、ボインボインの」
「ボイン、ボイン?」
「そうよね、マーク好みの金髪ボインよねぇ」
「好みはよけいだよ、確かにボインちゃんだけど」
「好みじゃないの?」
「・・・・、好みです」
「・・・・」
「イタっ、どうして、みんなして、抓るんだよ」
ネーブルも探さなくちゃいけないな、あれだけ面倒を見てくれた、人の良い可愛い子ちゃんだもの、いわれなき拘束と尋問という名の拷問をうけているであろう、ゾクゾクしてきちゃった。
俺が、ロコにチューちゃんに探索をお願いするように頼むと、チューちゃんは、ハーネスとリードを付けたまま壁の中に飛び込んでいった。
その頃、ネーブルは、俺達の想像通りに尋問室に繋がれていた。
見事な拷問室という感じの空間に後ろ手に革のロープで縛られたネーブルは、これまた両足を椅子の脚に革のロープで縛りつけられたまま空間の真ん中にポツンと腰掛けさせられている。まるで放置されているようにみえるが、部屋というべきか、この空間の四方八方から、尋問の言葉が浴びさせられている。
ラッカセイと白いネズミを発見して持ち帰った張本人であるカボスとスダチよりも、遥に厳重な投獄状態で、尋問も拷問をも伴った酷い聞き出しようである。まるで首謀者が、ネーブルと断定した扱いようである。
「何故、お前は、珍しい物を発見したという者をさがしていたのだ」
「お前と一緒にいた五人は、何者だ」
「カボスとスダチと共謀しているのだろう」
「白状した方がよいぞ、お前が二人を使って、反乱を起こそうとしておるのだな」
「今のうちならば、苦しまない命の取られ様を授けてやれるぞ」
過酷な尋問をうけているネーブルは、現物を持っていた双子ではなく、本当に主犯格に疑われているのだ。可愛そうに、何も知らないネーブルは、何事をも答えられるはずもない。
そして、また、可愛いことに、俺達がよそ者であることも、隠し通している。
良い娘じゃないか。
どうしてここまで当局は、強硬にも現実をひた隠しにしたいのだろうか?女王の命令なのか、それとも、ちょっと前に流行した忖度ってやつなのでしょうか。
「なんのことですか?珍しい物を見つけた者の事を尋ねただけで、こんな目に合うのは、納得できません」
「納得などしなくてもよい、白状するだけだ、しないのならば、公開処刑で、今後このような事が起きないように見せしめに使ってやる」
「どうして?」
「禁断の果実事件の処刑を見せても、まだまだ、新しい物を求める異端分子がおるのだろう」
「異端分子?」
「お前も、その一派であることは、明らかだ」
「私は、何もしておりません」
「では、その身に着けているモノは、どのように作り出したのだ」
「なんのことですか?」
ネーブル以外は、誰もいない特別な取調室という、拷問専門の牢獄としか思えない空間に旋毛風のような局所的な風が巻き起こり、ネーブルの腿の付け根の方まで、裾を捲り上げてしまった。
真っ白なきめの細かい肌、腿の奥を露出させられると、キラキラと光沢のある薄いピンクのパンツが、どこかから見ているだろう取調官とネーブルの目に飛び込んできた。
「イヤ~ん、エッチな風」
風呂上りの肌が、眩しい。
きれいなパンツ姿も眩しい。
裾が捲れあがっているのが、またまた、眩しい。
うぅ~ん、ネーブルちゃんって、セクシーだ。
う~ん、セクシー。(どこかで聞いたことのあるようなフレーズですね)
「お前の履いておる裾除け、若者向けの腰巻は、なんなのだ」
「パンツがどうかしましたか?」
「えっ、あらっ、誰のパンツですか?」
「見苦しいぞ、申し開きもできまいて」
「こっ、こっ、これは、わっ、私が、魔法で造ったものですわ」
「ほほ~う、そんなものが、作り出せるのならば、さぞかし、珍しいモノもつくりだせるのだろう」
「・・・・」
「何処で、それを手に入れた、本当に作り出せるのならば、その魔法をいかに手に入れたのだ」
ネーブルが、言葉に詰まっている。
ネーブルのパンツは、そんなに珍しいのだろうか?薄ピンクのパンツは、セクシーで可愛らしいが、そんなに珍しくもない代物だろう。
そのネーブルのお尻の覆っているパンツは、オロチちゃんのピンクのパンツだったのだ。
同じピンクのパンツだったので、脱衣場で履き間違えて出てきてしまったらしい。
では、オロチちゃんのパンツは、そんなに珍しいモノなのだろうか。
オロチちゃんの緑の肌に映えるピンクのパンツは、我が家のパンツ屋さんマリーが作り出したモノである。生糸で紡がれたツルツルでピカピカ、キラキラのおパンツさんだったのだ。
ネーブルの木綿のパンツとは、違うのだ。
ぱっと見で良く見分けがついたものである。流石に調査官さんである。感心している場合ではない。でも、それがどうして問題なのだろうか。
南京豆と同様に、生糸、つまり、蚕が、この国には、いないのである。厄介なことは、ラッカセイのように、かつてあったというものではなく、もともと、お蚕さんは、いないのである。
故に、生糸の生地のパンツは、存在しては、いけない代物だったのだ。
「暫し、よく考えよ、正直に全てを打ち明かすのならば、一思いに命を召してやろう、考えが変わらなければ、市中引き回しの上、鋸引きで、苦しむことになるぞ」
その言葉を言い残して、取調室は、真っ暗となり、音さえも全く聞こえない空間となった。
ここは、とてもひどい牢屋と改めて認識できたのであった。
ネーブルは、現状の状態が現実の出来事さえもよく分からないまま、力なく縛り付けられた椅子に項垂れている。周りも見えなけれは、誰からも見られていない。無の空間に置き去りにされた感覚に包まれている。
どうすることもできずに、ただただ、現状を受け入れるしかないままのネーブルの椅子に縛り付けられている脚を何物かが、攀じ登ってくる。
「ウギャッ~っ」
「やめろ!」
「誰だ!」
ネーブルは、処刑が執行され始めたと思ったのか、喚き、暴れ出し、縛り付けられた椅子諸共に、床に倒れてしまった。
真っ暗のまま、何物かが触れてきて、驚かない者などいないであろう。
脛から太腿まで感じた何物かが、這い上がる気色の悪い感じも無くなった、音も光もない空間に、只々、ネーブルは、椅子に縛り付けられたまま、床に投げ出されている。
但し、何も見えないが・・・。誰にも見られることもないまま・・・。
んっ、見える者もいるのかな?
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