かた焼きそば
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「禁断の果実ですか!」
「そうだよ、白くて、かわいい産毛の生えている白桃、長生きできると言われている天界の果物」
「長生きですか?女王の魔法を授かるのではなくて?」
「とにかく、美味しそうじゃんか」
長生きできる果物じゃなかったのか?
家の三桃ちゃん達は、そんなこと言ってなかったもんね。声と言葉を操る魔法を授かったんだった。長生きできる桃は、雲に乗れるお猿さんが食べちゃった御伽話と混同してちゃっているんだな。
でも、長生きできそうですよね。禁断の桃。
禁断の果実ってさ、不老不死って印象に頭が引っ張られている感じがしませんか。勿論、不老不死を求めてここまで来た訳では、ないけどね。
禁断の果実って言うくらいだから、もっと、有難いものであってほしいと思うのは、俺だけじゃないですよね。
まぁ、美味しい水菓子が俺は、大好きってことも大いにあることが一番だけど。俺だけじゃないね、俺のファミリーは、美味しい水菓子が大好きなんです。
だって、瑞々しくて美味しいですもんね。ピチピチの金髪ちゃん大好きです。ちょっと、方向性がズレちゃっているので、本題に。
「あなた達の魔法は、この牢屋でも効果があるんですもの、すごいですわ」
「まだ魔法なんて、まだ、使っていないよ」
「えっ、ネズミもヘビも?この牢屋は、魔法が無効化されるようになっているのよ」
「そうなんだ、魔法は、特に使ってないけど、使えないのかしら?ティーナちゃん」
ティーナちゃんが、指を鳴らすと、俺達五人の姿が、本来の姿に戻った。
ティーナちゃんの魔法は、先ほどの鍬の柄を灯した松明の時と同じように難なく効果を発揮している。松明の灯が、ペテン師発明の柄の力の効果だけではないことを証明してみせてくれた。
「わぁ、それが、あなた達の本当の姿ですか?お、お、お、おっ、おとこが」
「マーク、魔力の効果は大丈夫ね」
再度、ティーナちゃんが指を鳴らすと、カボスとスダチの目の前には、元通りの金髪五人娘のみが立っていた。
「おおおおおお、おとこ」
「男?いませんわよ」
「あっ、いいです、いいです、何も見ませんでしたわ」
「カーチン、この人たち、怖いわ、すごい魔法の使い手ですわ、上層部の方々みたい」
俺達は、二人を驚かそうとしている訳ではない。
何故、この二人は、珍しい物を探していたのか、たまたま探し出した、チューちゃんと南京豆を何故に、わざわざ自慢気に報告してしまったのか、この国における魔法の考え方なんかを聞きたいのである。
これらのことを、二人に尋ねてみると、カボスとスダチは、状況を教えてくれた。
我が家の三桃娘が、禁断の果実を食べちゃった事件を皮切りに、自身の魔法能力を向上させる貴重で、希少な品々を探すことが殆どの者たちの目標となっているらしい。
しかし、これには、代償が伴う事が多いのが常である。現に三桃娘は、これで、処刑されたのである。俺達と遭遇していなかったら、完全に消されていたのである。この代償をもっても、魔法向上を授かるかもしれない品々を探すのは、この国の階級重視の体勢にあるのだろう。
「私たちの見つけたラッカセイは、処分されるくらいの代物だったのでしょうか?」
「それは、わからないわね、俺達には、なんでもないモノだけどさ」
「私たちは、有無を言わせられない内に、こうなっちゃいましたのよ」
「あってはいけない物を見付けたり、現状を変えられそうな物が、いけないんだろうね」
「禁断の果実のありかは、カボスたちは、見付けたのかい?」
「いいえ、見付けられなかったし、探してないわよ、あれは、命を奪われちゃうもの」
「じゃぁ、何を探していたんだい?」
「何か、珍しいものよ、今日のラッカセイみたいに」
一生懸命に説明をしてくれるカボスの片足は、まだ靴を履いていないままだ。
その足は、おそらく、お風呂の前だったのだろう。靴擦れが出来てしまったのだろう靴下に血が滲んでいる。
「いっぱい歩いたんだね、靴擦れができてるじゃないか、痛いでしょ」
「あっ、うん、ありがとう、そうだ、痛くて靴を脱いだんだった、それで、叩きつけたら音が出ることに気が付いたのよ」
俺は、しゃがみ込んでカボスの足首を掴んで、靴下を脱がせると、手ぬぐいを割いて巻きつけてあげた。そして、出来上がりを知らせる為に、見上げながらカボスの顔を見ようと頭を振り向けると、丁度チューちゃん位の大きさの金色のフワフワっとした綺麗な束子を発見した。
ゴールド・ラッシュ!
「カっ、カッ、カボスちゃん、パっ、パンツ履いてないんだね。ノーパンなの?」
「えっ、そうだ、白いネズミを泉の傍で、捕まえた時に、泉に付けちゃって、脱いだままだったんだわ」
ノーパン、イズ、ノータリンなのかい、カボスちゃん
「マーク!どうして、カボスちゃんがノーパンってしっているの?」
「だって、履いてないんだもん、モロに金のタワシちゃん」
「タワシ?キンの?」
「イヤ、イヤぁ~、見ちゃダメ!」
見事な黄金の束子が、もはや、目をつぶっても、瞼の裏に焼き付いて、ハッキリと見えている。
我が家の三桃娘、マリーのゴールドよりも、濃い、艶々輝きながら、濃厚な山吹色の黄金色だった。
越後屋、お主もワルよのうって感じ。山吹色のおまんじゅうってのが、ピッタリな感じ。
俺は、金の鉱脈を掘り出すことに長けているのかもしれないぞ。
ちょっと、違うかな?
金鉱脈だけでなく、虹色揃い踏みのコレクションを目に焼き付けているのだから、美しいお花が咲き誇る大地を発見することに長けているのかもしれない。これは、どんどん伸ばしていきたい才能だと思っております。
内緒ですけれど。
本当に、いいものは、いいんです。そして、やっぱり、花々ってものは、素晴らしいモノですね。色々、それぞれ、十人十色なんですね。
金色も、みんな同じでは、ないんですね。
改めて、ナットクです。
「エアルって、本当に金が好きなのね、下品な金が」
「そうよ、赤をもっと、ちゃんと可愛がってよ」
「サファイヤブルーが、大好きじゃなかったの?」
「茶色が好きなのよねぇ、マークは」
「好き嫌いの話じゃないよ、かた焼きそばみたいで、すごく美味しそうだったなぁ、お腹すいてきちゃったよ」
「イヤぁ~ん、スーチン、大事な所、見られちゃった」
「大丈夫よ、カーチン、私も、ノーパンよ、ほら」
ゴールド・ラッシュ!
カボスは自身の大事な所、禁断の代物を見られて顔を真っ赤っかにしている。
スダチは、森の泉でパンツを濡らしてもいないのに、カボスの真似をしてノーパンになっちゃったようである。
シンクロしたかったらしい。
流石に双子ちゃんなのね。
ノーパンで、ノータリンちゃんなのね。でも、カワイイかも、かも。
「マーク!」
「マーク!」
「マーク!」
「やれやれ、色好みは、ペテン師譲りなのねぇ」
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