表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/122

サファイヤ・ブルー


「マリー、そういえばさぁ、アロンの笛って、ロコちゃんが持っていたんじゃないの?」

「はい、そうです、天使の笛とセットにしています」


「じゃぁ、その笛は???」

「今、消えちゃったルルの模造品ですわ」


「へぇ、ルルちゃんは、なんでも作れるのね、金属じゃないのに」

「ロコの木片と、ルルの手先技術みたいですわね」


「もう、模造品じゃないわよね、スーパーコピーより、本物でないホンモノよね」

「はい、そのホンモノきっかけで、ルルは飛んでいっちゃいましたわ」


「仕方ないわねぇ、・・・・・、様子を見ましょうね」

「私も行きたいですわ」


「私も」

「私も~」

「わたしも」

「あたしも~」


「やれやれ、もう少ししたら、考えましょう、三桃ちゃんたちは、行ったら処刑でしょ?」

「こっそり、いきますわよ、それに、ファミリーの技で逃がしてもらいますも~ん」


「ちゃっかり、しているのね、流石に末っ子ちゃんね」


「じゃぁ、様子見ながら、押しかけますかね」

「きっとですよ、クリス様~」



 大浴場では、ネーブルによる聞き込みが、ほぼ終了して、カボスとスダチを探すことだけとなった。


 それならばと、ゆっくりと身体を洗って、汗をしっかり流していこうと、五人でゴシゴシとシャボンまみれになっている。正に、ソープランド?シャボン天国じゃぁ~。


「ここのお風呂は、本当に大きいわね」

「洗い場もこんなに広い、大自然のジャングル風呂って感じね」


「うんうん、お湯は、湖。洗い場は、ジャングルって、ロコの言う通りね」

「俺もよく洗おうっと」


「ネーブルも、俄然やる気を出してくれているものね」

「だって、ここまできたら、最後まで付き合うわよ」


「いい子だ、いい子だ、いい子にしてれば、さきっちょツンツンしてあげるね」

「アッ、イヤ~ん、マークは、さきっちょ、大好きなのね」


「大好きなんだよ~」

「エッチねぇ」


「マーク、私も・・・、して」

「さきっちょは、毎日、ツンツン約束だったでしょ~」


「エアルは、モテモテなのねぇ~」

「ティーナは、マークにツンツンしてもらわないの?それにエアル?」


「マークは、名前が二つあるのよ、それに、エアルは、私の子供みたいなものだから」

「一番若いティーナの子供???」


「そうよ」

「まあ、いいわ、あなた達は、私たちとは、違う不思議の人間ですものね、気にしないわ」


「ネーブル、声が大きいよ、もう虐めないから、仲間として探索頼むよ」

「まぁ、マーク、また、ネーブルに狙いを付けたのね」


「違うよ」

「悔しい~」


「オロチちゃんも、ロコも、つねっちゃ痛いじゃないか」


 洗い場では、俺の身体が温められて赤くなっているだけではなく、抓られて、所々、赤くなっている。

跡が残っちゃうでしょう。加減しておくれよ。


 ネーブルも、もう、怖がってはいないし、よそ者の俺達と不思議と馴染んでいる。順応性の高い働きバチさんだこと。


 俺の足元、その洗い場の石畳にキーンっと金属音が鳴り響いた。


 聞き覚えのある甲高い澄んだ金属音。もしやと、俺だけではなく、ロコ、オロチちゃん、ティーナちゃんが、音のする足元に目を落とした。勿論、聞き覚えのないネーブルも足元の音に引き寄せられるように注目している。


 クルリクルリと、銀色に輝く輪っかが、床石にメビウスの輪を描きながら、転がっている。

 

 あららっ、やっぱり、プラムのアンクレットだ。今度は、カランカランと転がり音を響きだし始めている。誰かに気付かれる前にと俺は、転がるアンクレットを拾い上げ、手に取って、胸に抱きかかえる様に咄嗟に隠した。

 次の瞬間、身体に纏っていたシャボンが爆発するように飛び散り俺は、洗い場の石畳の床に押し倒されたのだろうと思う。


 身体を押さえつけられるような圧迫感と、ずっしりとした重量感を感じながら、起き上がろうとするも起き上がれない?

 息苦しいこともさることながら、顔に重みと心地よい柔らかさを感じながら、窒息死しそうな気もしている。

 そっと、目を開けるも、シャボンの白さが、七色に反射するように光っているだけしか見えてこない。シャボンを吹き飛ばそうと、フーフーするも、そのフーフーが出来ない。

 お口も柔らかいもので塞がれている。


 誰か助けてくれ。


 顔を左右に振りながら、シャボンを振り払おうと試みると、目の前に、鮮やかな青、輝くサファイヤブルーが広がるというか、密着している。

 

 まさに、濃厚な蒼玉の草叢に飲み込まれてしまったようなのだ。


「あっ、ルルっ」

「ルル!どうして、飛んできちゃったの?アンクレットで」


「な、な、なんだぁ、この青い髪の魅力的なグラマー美人は??????」

「声が大きい、しっ~」


 ティーナちゃんが、ネーブルを制して、他の誰にも気が付かれないようにと、囁くような小さい声で、呟いた。


「ブルスカ・ショックっ~」


 みるみる輝くようなサファイヤブルーの美少女は、ネーブルも目の錯覚と思えちゃうほどの素早さで、金髪美人に変化している。


「あら?青くないわ?キレイな金髪、長めの髪ね???」


 何やら周りの騒がしさが静かになっていくのにつれて、俺の意識が遠くなっていく。


 眼の前の蒼き草叢からは、甘い香りが漂っていて、眠りを誘ってくる。このまま、眠ったら、もう目が覚めないぞと自分に言い聞かせるも、眠いのだ。

 ここは、雪山か?お風呂場だったはずだ。ジャングル風呂?最後の力を振り絞って、もう一度目を開けると深い色合いのサファイヤブルーの草叢は、俺の顔を完全に覆い隠しているままだ。


「ルル!早く降りなさいよ。お尻の下にマークがいるのよ」

「えっ?」


 ルルは、熱い物に触れた時の反応の様に、反射的に立ち上がった後に、すぐ横に腰を降ろした。前にも、同じようなこと、同じような場面ありませんでしたか。


 そんな声々が微かに聞こえる中、俺は、呼吸が楽になって、息が出来ていることに気が付く。


 サファイヤブルーの草叢は、消え去り、真っ白な柔らかい物が、顔の横にくっついていた。


「ルルちゃん、どうしたの?あら、ドジったのかしら?まだ、下が、金になってなかったわ、青のまま」

「やっぱり、この人、青の人ね」


「ネーブル!黙りなさい」


「それ、ブルスカ・ショックっ」


 今度もまた、蚊の鳴くような小さな声でのショックが、ルルの最後の鮮やかな青い部分を金色に変えていく。


「マーク、ごめんね、でも、いっつも、私の秘密の場所に、どうしてチューしちゃうの?エッチ」

「あれ、ルルだったのか、ほら、アンクレット返すよ」


「えっ、秘密の所にチューって?あっ、また俺の顔に座ったの?じゃぁ、あの鮮やかな青い草叢は・・・、チューしちゃったよ」


「バカっ、エッチ」

「エッチって、俺のせい?」


「ほら、マークだって、やっぱり、この人、青い人よ」

「ネーブル、目の錯覚よ、何処を見てもあなたと同じ金でしょ」


「でも~っ」


「マーク、ルルにしたことを、私にもしてね」

「ロコだけズルイわ、私にも」


「ロコ、オロチちゃん、私だって、してもらいたくて、シテイルわけじゃないのよ、マークの希望で」

「マーク、私は、そこにチューされたことないもの、ルルだけなんて許さないわ」


 どうして、俺の美しくて、可愛いファミリーは、本質と関係のないことに、こだわるのでしょか。いつものことで、嬉しい気持ちには、させてもらっているけどさ。


「そんなことより」

「そんなこと?」


「いいから、ルルは、どうして、来ちゃったの??」

「今から、寝るところだったのよ、みんなでアロンの笛の幻影を見ていて、アンクレットに触れちゃったら」


「来ちゃったの?」

「うん」


「だって、ペテン師の笛は、ロコが持っているでしょ」

「ああっ、私の木片でルルが作ったヤツを試したの?」


「うん、そしたら、お風呂で、金髪パラダイスが出てきて」

「出てきて?」


「来ちゃった、ゴメンナサイ」

「謝ることは、ないけどさ、ビックリしちゃったよ、俺の方こそ、甘い香りのチュー、ありがとう」


「マーク!」


「この人も、仲間なの?」

「そうだよ、ネーブル」


「ネーブルさん、ルルです」

「ネーブルでいいのよ、あなたも怖い人なのでしょ、私のヴァージンを奪うのね」


「マーク、奪ったの?」

「奪っていません」


「ルルまだ、奪ってないわよ、私が、ペロ~んって、舐めてあげただけ、ガラガラ尻尾も見せて」

「ああっ、だから、尻尾が出ていたのね、ペローンって、マークが私にしたこと思い出しちゃう」


「マーク!」

「どうして、俺が怒られるのさ」


「でも、今は、みんなの髪色が分かるのに、幻影では、分からなかったわ」

「しっ、私たちだけに、見えているのよ」


「えっ」

「ネーブルにも、他の人たちにも、私たち全員金髪に見えているのよ」

「そうなんだ」


「ここでは、金髪以外は、殺されるかもよ」

「なるほど」


「ねぇねぇ、ルルちゃんは、本当は、ブルーなんでしょ」

「えっ、気のせいよ、金髪よ」


「私、あなた達が、ここの人じゃないと知ってるもの」

「ネーブル、知っていても、知らないフリをするのが、オトナの女性よ」


「でも、私、あなた達の事、もっと、知りたいんですもの」

「知ったら、後戻りできないわよ、いいの?」


「う~ん、じゃぁ、本当に教えて欲しくなったら、お願いしちゃうわよ」

「うふふっ、覚悟を決めてからなら、考えてあげるわよ」


「オロチちゃん、ネーブルちゃんをあんまり虐めないのよ」

「はい、イジメていませんよ、ファミリーを守っているんですよ、ティーナ様」


 それでは、この城の調査については、俺とロコ、オロチちゃん、ティーナちゃん、ネーブル、そして、ルルを加えた六人で取り組んでみましょうかね。


 奇しくも、この城は、ゲトレの賭博場の門構えに酷似していることからも、ルルが飛んできてしまったことも、偶然とは、言い切れないかもしれませんものね。



少しでもご興味をもっていただけましたら、

ぜひ、ブックマークと評価をよろしくお願いいたします。

ご感想もお聞かせいただけますと、大変嬉しく思います。

執筆と更新の励みになりますので、作品と併せてよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ