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ハチの巣


 光・火・水、全て自然現象から生じるものである。全ての根源と言っても過言ではないと思われる。


 その三つを操るという我が家の三桃娘、ネクタリン(愛称ネクター)・ボタンキョウ(愛称ボタン)・ハタンキョウ(愛称ハタン)は、俺達の世界で考えれば、言うところの、いずれは、光の女神、火の女神、水の女神と呼ばれる存在と成り得る者では、ないのではなかろうか。


 カルボーアは、俺が想像するところでは、仮説の域を決して超えるものではないが、女神輩出の源となる国とは、言えないだろうか。


 北の果てにて、隠されるように、まぁ、隠れているわけではないだろうが、人知れずに、結果的に、魔法を外の世界に広めている場所なのでは、なかろうかと考え始めている。


 三桃娘が家族に加わってから、魔法について考えているのだけれど、何故、我が家のあるゲリア村では、魔法使いが存在したのか。その力を利用し、技術と融合させる為に、天才錬金術師は、それを求めたのであろうか。今、現在、閉ざされていた海を開き、元々の海に分け入ってきたことで、繋がったものが、気になって仕方がないのである。


「ネクター、俺達との生活、我が家やお船にも慣れて来たかい?」

「うん、本当に、ずっと前から家族だった感じがしいてるわ」


「それは、嬉しいことだね」

「うちはさぁ、ただ家族って言うだけでなく、夫婦であり、恋人であり、姉妹であり、恋敵であり、お妃同士でもある、ドキドキワクワクの家族よね」


「三人は、本当にホームシックとかは、大丈夫なの?」

「うん、全然、結構、追放とか、旅出とか、巣立ちとか、多いのよ、うちのとこは」


「そうなんだ、みんなと同じ王族でも?」

「王族?マークの言う王族じゃないのよ。みんな女王の娘っていうだけ」


「みんな?娘なの?」

「そうよ、次期女王とか、本筋以外は、やがて他の世界に出ていく定めなのよ」


「三人も、そういう意味の追放だったのかい?」

「私たちのは、それと違って、本当に処刑ね」


「禁忌を犯したから?」

「うん、それね。そのおかげで、本来、授かるはずのない言葉の魔力を得ちゃったのが問題なのよね」


「その言葉の魔術、魔力って、本当は何なの?」

「一言で言うなら。言葉で人を支配できるってことかしらね」


「それは、怖い、いや、凄いね」

「本当は、女王だけが、授かる力でもあるのよ」


「女王だけが、禁断の果実を食べられるってこと?」

「違うわ、女王は、食べなくても、それをもっているのよ」


「じゃあ、女王でないもの、それも三人もが、女王の力を持ったってこと?」

「女王の力は、それだけじゃないけど、まぁ、簡単に言うとそうね」


「だから、旅出じゃなくて、抹消する必要があったのよね」

「でも、実質、殺されてないもんね」


「自然消滅を目論んだんでしょうけどね」


 今になって思えば、本当にこの三人を見つけて、良かったと思う。魔法使いが、ただ単に欲しいって打算ではなく。美しい家族が増えたことに加えて、俺達家族も一皮むけそうな感じがするんだよなぁ。


「女王は、食べなくてもいいなら、禁断の果実自体いらないよね」

「私たちは、儀式のための白桃を食べて、無理矢理に、次期女王擬きの力を持ったけど、次期女王は、定められた時に、その力を持って生まれてくるのよ」


「ネクターたちは、力が欲しくて、禁断の果実を食べたの?」

「違うのよ、禁断の味が知りたかったのよ、それに、本当に食べることで、その力が宿るとは、信じてなかったし」


「そうそう、因みに、次期女王の妹は、既に生まれているのよ」


「へぇ、つぎは、もう、決まっているんだね、妹なんだ」


 三桃ちゃん達から、故郷であるカルボーアのことを詳しく聞くのは、初めてのことになるだろう。


 魔法使いの国とは、聞いていたけれど、何やら複雑な、いきさつを抱えているみたいだな。みんな女王の娘というのも、不思議な感じだ。ていうか、本当の娘なのか?


 みんな娘って、男はいないらしいし。話からは、ある時期に男は、生まれてくるのではなく、調達されるらしい。ということは、カルボーアは、女だらけの国ということだ。


 女王が仕切る魔法使いの国、言葉で支配、統率する国。


 これが、本当に人間の集団なのだろうか。少しどころではなく、大いに違和感を感じざるを得ない。


 まるで、ハチの巣の論理だ。やはり、普通の人ではなく、別の存在なのかもしれない。女王蜂のハチの巣としか思い当たらない。女王にならない者が他に旅立ち、魔法を伝承する。もしくは、追放されて、他の土地に根付き、魔法を伝える。


 やはり、魔法の根源は、このカルボーアにあるということなのかもしれない。


 マリーは、勿論の事、クリスティー、アルカティーナ、マナニーニ、その師匠のティアラもカルボーアの支流が起源なのかもしれない。


「ねぇねぇ、ネクター、一度、カルボーアにいってみないか?」

「そんなことしたら、今度こそ、命がないと思うわ」


「そうか、隠れてもダメ?」

「隠れられないわよ」


「よそ者に対しては、どんな感じ?」

「排他的ね」


「魔法の起源がそこにあると思ったからさ・・・」

「それと男は、特に、危ないわよ、すぐ殺されるわ」


「男ねぇ」


 危ない所なのは、なんとなく説明を聞いて理解できた。


 男無しの女の世界で、三桃娘の世代毎の姉妹がワンサカ、北の方らしいけど、場所すら分からないままだ。


 三桃ちゃんたちが、全くホームシックにならないのも、本流ではない身の上と将来的には、集団離脱して別の世界へ、旅出を運命付けられているからなのかもしれない。


 現段階では、かもしれない、かもしれない、しか出てこないのである。


 只、何故だか、この気になる地が、魔法使いの元、女神の輩出の起源なのかを確認したい願望が芽生えてきている。魔法使い、魔法の元とペテン師の錬金術の相関が感じられ、俺達が受け継いだ諸々の道具、品々の意味を読み解くことができるかもしれない。かもしれない。


 かもしれない。


 自然系というカルボーアの魔法と時間をひん曲げる渦巻。


 ペテン師は、女神となる魔法使いとこれを実現させたのだから、その力が必要だったはずだ。


 まぁ、見学するくらいは、大丈夫でしょ。


 ハチの巣って、ミツバチじゃなくて、やっぱり、オオスズメバチなんだろうね。一発で、❝蜂の一刺し❞食らって、ブルスカ・ショックならぬ、アナフィラキシーショックで、お陀仏とならないように、刺されないことと、逃げ道を考えておけば、いけるでしょ。


 もしかして、女王は、三恵子さんって?言うわけないか。


 それと、俺だって、出来ることならば、その禁断の果実とやらの味が気になるのです。

 俺は、彼女たちの同胞ではないのだから、禁忌に触れることはない。只々、桃泥棒になっちゃうだけだよね。この白桃によって、新たなる錬金術の技に役立てることができないであろうか。三桃ちゃんに言葉の魔法を教えてもらうよりも、格段に手っ取り早そうでしょ。


 ドロボウだけどね。


 俺達の自慢のお船だって、泥棒しちゃったみたいなものだしね。成り行きとはいえ、必要なものを手に入れる手段は、後から意味付けできれば納得できるものなのさ。


 本当に、自分勝手でゴメンナサイ。


 危険性は、すこぶる高い使命となるけど、流星の衝突の時くらいの際どさかしら?ネクターの言う通り、止めておいた方がよろしいかしら?


 でもさ、その好奇心の擽られようが、冒険ってもんでしょ。


 いつになく、冒険に前向きじゃありませんか???


 もっと、ゆる~くね。


 実は、珍しい水菓子の白桃が、食べたいだけって言えませんもんねぇ。


 確認のために、俺は、そもそも、冒険家じゃありませんもん。



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