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イジメ

いつも読んでいただいている方、ありがとうございます。がんばります。


 俺は、全員に厳戒態勢を告げて、ルルの少しエッチなボールギャグを三つ手にした。


 耳栓も万全だが、マリーの以心伝心のおかげで、しゃべる必要もない。


 チューちゃんを先頭に六人が船底へと向かう階段を降りていく。階段を下へ下へと下っていくにつれて、空気の振動を肌に感じ始めてきている。

 

 恐らく声の振動なのだろう。魔女の言葉が依然として続いているのだと予想される。結構な時間だが唱えているんだなぁ、もしくは、叫んじゃっているのかしら。耳では聞こえないにしても、この振動により骨伝導で言葉の魔力が効いてこないものかと心配になってきてしまう。


「マリー、相手の三人にも、以心伝心が出来るように、ショックを頼むよ」

「オッケー、向こうの防御魔法で打ち消されなければイケルと思う」


「防御魔法なんて、あるんだね」

「上位の者ならば、私は、無力よ。クリスティー様やティーナ様とは違うもの」


 先に船底に降りていたチューちゃんが戻ってきた。ロコに言わせると猿轡を外した時と変化なしとのことだ。只、三人は、パクパクと口を動かして何かを話している様子らしい。


 さぁ、どうやってこのボールギャクを装着しましょうかね。近づいても大丈夫かしら、それとも、マリーの魔法にお願いするか、もう一度、チューちゃんに一肌脱いで頂きましょうか。


 ぐるぐると脳みそを回転させながら階段を降り進んでいると疲れてきちゃった。試験勉強でもしている気分だ。ダメだなぁ。


 船底の床板に足が着くと、床板からビンビンと振動が伝わってくる。


 これが本当に声の振動だなんて、まるで工事現場で地固めでもしているかの様で、エンヤ~っ、コラって合いの手を入れたくなっちゃうのは、俺一人の様だ。


 バカを言っている場合ではない、凄さと恐怖心から蒲の穂綿が三分の一くらいに縮小しているのが感覚的に分かっちゃう。


 男のアンテナ、センサーって敏感なんですね。


 俺を先頭にマリーが続き、しんがりは、オロチちゃんに固めてもらう。もしかしたら、後ろからも何かくるかもしれないからね。


 歩み寄っていくと、三人の美しい娘が鬼の形相で全身をくねらせながら叫んでいる姿が目に入ってくる。聞こえはしないが。


 その三人を包み込むように、鮮やかなオレンジ色の炎がメラメラとし、船底の階層全体を煙が充満してきた。これは、時間を掛けたくない感じだ。


 とっても現実的に見えるこの炎も煙も幻影と見て間違いないだろう。熱くも煙くもない。


 俺達がこの船を見つけた時の煙も正に狼煙として、三人が上げていたに違いない。その釣りの餌に食いついてしまったのが俺達ということなのだろう。


 でも、どうして、こんなにも敵対心、敵意むき出しなのだろう?助けを求める狼煙ではなかったとすると、エサに食いついたモノを食らう為だったのだろうか?自分達は、手枷、足枷、口枷の状態なのに?それとも何かのプレイ中だったのであろうか?


 俺は、最後尾のオロチちゃんを呼んで目配せをした。


 すべてを理解したオロチちゃんが、女の子の姿のままで抱き着いてくる。そして、みんながいるその前で、久々に、久々だったよね、お口にチューをしてくる。


「オロチン!何しているの?今?」

「マーク!チューしたくてオロチちゃんを呼んだの?」

「私にも、チューして!」


 口づけをした二人の身体が溶けあうように一体化していく。


 そうです、この身体中がジンジンと波打つ感覚、お久しぶりですな。


 ファミリーは、初めて見る光景に嫉妬とびっくりに目が点となっている。それは、転がっている三人も同様の様子だ。


 ほらほらって、思っていると、みるみるとテカテカと黒光りした大きくて、逞しい大蛇が出現してきた。


 以前に、俺を助ける為にオロチちゃんがしてくれた、合体変身の技、オロマークでボールギャグに挑戦だ。


 三人娘にしか聞こえないが、シャカシャカと鱗を滑らせる音を響かせて床を滑らかに近づいていく。

 

 ロコが切り解いた猿轡の紐が床に散乱している。一部使えそうな長さのものを拾って三人の足枷と後ろ手の手枷を結わいてやると、それぞれは、胸とお腹を突き出したようなCの字の様になって苦しそうな顔を向けている。


 いい顔です。素敵です。


 この体勢では、呪文を唱えることさえしんどいことでしょう。カワイイお口をパクパクとしている合間を見計らって、ルルのボールギャグの丸いお月さんをお口に押し込んでみよう。


 勿論、黒光る大きな顔を近づけて、とても目立つであろうピンクの二股に裂けた舌でグイっと奥まで押し込んじゃう。


 ディープキッスの要領で。


 ディープキッス?経験あったっけ?


 オロチちゃんは、いつもこんな感じで俺にしているんだと思いつつ装着していく。


 押し込まれたお月さんは、先ほどルルで実験済の様に、お口にフィットした後、回りの輪っかが顔と頭をしっかりと捕まえて放さなくなった。


「マリー、頼む!」


 マリーは、三人の魔女を過剰に意識しているのか、いつもは上に向ける化粧筆を目標へと指し示すポーズをとった。


「ブルスカ・ショック~っ」


 マリーのショック直後に、耳を劈く、もとい、脳内に響き渡るように断末魔が聞こえてくる。



「貴様たちは、何者だ!」


「我々を辱めに来たのか!」


「カルボーアからの処分屋か?」


 三人の魔女と思われる娘の話は、何を意図しているのだろうか?


 意味不明な事この上なし。


 多少弱気になってきているらしくも感じられるが、もう一押しして、真意を聞き出してみたい。


「マリー、もう一回頼む、三人を天井から吊るしてくれ」

「えっ、このまま吊るしちゃうの?アンコウみたいに?マークって本当にヘンタイさんになっちゃったの?」


「帰ったら、私にもしてくれる?」

「だから、次は、私なのよ、マリーは、最後」


「どうして?プラムなのよ?私が次でしょ」

「次にしてくれなきゃ、三人を吊るさないわよ」


 早くしてくれと言わんばかりに、ガラガラの尻尾の先でマリーのオッパイをチョンチョンっと弾いてやると。


「あっ、イヤ~ん、やっぱり、マークは、私を選んで、うふふっ」


「ブルスカ・ショック~っ」


 Cの字の娘たちが、手足の繋がれた部分、Cの隙間が空いている所を支点として、天井からぶら下がっている。


 とてつもなく刺激の強い、俺には、まだ早い、見てはいけない光景が目に飛び込んできた。


「マリー、ありがとう、チュッ」

「わーい、久々のチューだ、でも、オロチちゃんも混じったヘビのチューじゃんか」


「そういうなよ、チューには変わりないだろ、それから、マリーって、結構エッチなんだね」

「なによ!そんなことないわ、これは、マークの趣味でしょ」


 そうだったのか、俺の趣味なのかなぁ。


 でも、綺麗で美しく見えるから、マリーの言う通りヘンタイさんになっちゃったのかなぁ。


 三人は、涙目で口からは、涎を重力に任せて垂らしながら、俺を見つめている。


 なんて、可愛いらしいのだろう。やっぱり、おかしくなってきているみたいかも・・・。



「どうして、こんなことになっているのか、説明してくれないかい?」


「魔法を使って危害を加えないなら、下ろしてあげてもいいよ」


「何を、こんな風に辱めているのは、貴様だろ!」


「そうじゃない、何故、縛られている?何故、この船に三人だけ乗っている?」

「貴様が、縛って、吊るしたんだろ!」


「お話の分からない娘さんたちだな、みんな帰ろうか?」


 俺とオロチちゃんの合体版の大蛇が、踵を返して、いや、鎌首を返して、戻ろうとすると、


「また、同じか?やるだけやって、ほっぽりぱなしか?」


 またって?どういう事だろうか?


 俺は、オロチちゃんに分離をお願いして分身するかの如く、黒光りの大きな蛇から二人の身体を実体化させた。

 至近距離にて、その光景を見せられた魔女っ娘たちは、お月さんから涎だけでなく、カニさんのような泡をアワアワと吹き出し始めた。


 なんと、器用な芸当の持ち主たちだろう。


「どうだい、少しは、ちゃんと話す気になったかな?」

「とにかく、オロシテ頂戴、それからよ」


 マリーに目配せすると、すぐさま指をパチンとならした。三人の魔女っ娘たちの身体がズドンと床に叩きつけられた。


「イテテっ、貴様たちは、随分と酷いことをするんだな」

「まずは、どうして、この船に、三人だけなのだ」


「捨てられたからだ」

「捨てられた?誰に?」


「・・・・」

「どこから来たのだ?」


「・・・・」


 イライラした形相のプラムが、いきなり前に歩み出て、俺の手から果物ナイフを取り上げた。


「状況が、まだ、飲み込めていないようね、アナタたち」


 果物ナイフの剣先で、ズバっと、下着姿である魔女っ娘の纏っている上と下の布切れを切り剥がしてしまった。


 パラリ?ハラリ?ペロ~ン?


 どの表現が相応しいのか迷ってしまうけれど、三人分の六つの布切れが床に着地する。お腹前のCの字スタイルの娘達は、隠すことなんてできやしない。


 スゴイです。絶景かな、絶景かな~。


 ドキドキで、俺のトップシリンダーが爆発して飛び出してきちゃいそうな感じがする。


 俺って、ホンモノのヘンタイさんになっちゃったみたいかも?ゴメンナサイしちゃう。


 透き通るような白い肌の全身が、ピンクを通り越して真っ赤に燃え上がっている三人は、声とも言えない声を押し殺して、唇を噛んでいる。


 なんて、美しいのだろう。俺って、本当に大丈夫か?ちょっと、怖くなってきちゃった。


「もう、許して、ご勘弁を・・・・」

「なーんだ、やっぱり金ね。魔法使いって、やっぱり金が多いのかしら?ねぇ、マリー」


「プラムは、それが知りたかったの?ティーナ様は、きっと金じゃないわよ」


 そんなことの検証の為に、こんな大胆なことをしてしまうプラムって、ファミリーで一番冷静で賢いと思っていたんだけどなぁ。

しかし、これが口を割らせるには、物凄く、近道って思ったのかもしれないね。


 でもさ、でも俺には、初対面の間近の強烈なゴールドは、眩しすぎて目が潰れちゃいそうだよ。そもそも、髪の色が見えているんだから予想できていたことではあるが、実物は、キョウレツなんですよ。


 マリーの金とは、金が違って見える。ゴールドって感じがしっくりとくる。十人十色、みんな素敵であることを勉強させていただきました。


 プラムのおかげだね。


 本気で泣いている魔女っ娘三人を見ていると、傍から見れば、なんだか俺達が無抵抗な者をイジメているようにしか見えないのでは、なかろうか?


 イジメているつもりはないが、イジメとは、そもそもしている方は、得てして無自覚なものだと言われている。


 本当に気をつけましょうね。


 プラムの握っている果物ナイフを返してもらって、手枷と足枷の繋ぎを切り離すと、今までのスタイルと反対のお腹を引っ込めたまん丸い、丸裸のCの字が完成した。


「話す気に、ナリマシタカ?」


「絶対に、本当に、俺達に、危害を加えませんか?」


「どの口が言っているのよ、危害を加えているのは、貴様たちだろ!こんなに辱めてっ」

「約束できるね、ウソついたら、ゴールドちゃんを毟り取っちゃうよ」


「も~う、もう、降参です。ていうか、初めから降参しているでしょ」

「呪いの魔法もなしよ、耳栓してるけどね」


「グスンっ、どうにでも、してちょうだい!」


 金色に輝くゴールドちゃん達は、本当に観念した様子なので、手枷、足枷を外して、完全なる身体の自由を与えてあげましょう。


 救出という一つの目的を成し遂げたと言えるだろう。本当かな。うふふ。


 ボールギャクは、艶めかしいからこのままでいいかしらね。違った、せっかく、ルルに作ってもらった新しい品物だし、また違った、マリーの以心伝心で話せるから、このままでいいよねってことが言いたかった。


 三人の魔女っ娘を取り囲むように俺達は、床に腰を降ろした。


 半べそというよりも、顔をクシャクシャにして、泣きはらした美しい娘さんたちって、ゾクゾクしてきちゃう。


 それも丸裸。ビューティフルです。


 これでやっと、以前に救出した時のルルと同じスタイルになったって訳だ。幻影の時から、救出する娘さんは、このスタイルじゃなきゃ、助けがいが無いですもんね。


 そういえば、船底の空間にメラメラと満ちていた炎と煙の幻影も消え失せて、静かな波の揺れだけが、お尻から伝わってきている。


「私たちは、追放されたのよ、追放といいながら、本当は、捨てられたの」

「そうよね、身体を拘束されたまま、野垂れ死にさせるために」

「食べ物も、水もなく」

「自らの手を汚さない形の処刑ってことなのよ、死刑にされたのよ」


 三人は、少しずつではあるが、どうしてこの船で縛られていたのかを話し始めた。どこからか追放されてきたことだけが理解できた。


 縛られたままだし、食料も水もなしとなると、そもそも助けるつもりは、実行側にはないと考えるのが普通だろう。それほど、この三人が重罪を犯したのであろうか。はたまた、実は、善側で、悪側に葬り去られたということも考えられないだろうか。


 ただ、この美しい娘さん達は、普通の人間ではない。魔法使いなのだ。魔法使いなのだから、ただ捨てられただけで、本当に葬り去ることなんて、できるのだろうか。何某かの策をねじり出してもいいと思うんだけど。


 そのねじり出したことが、俺達を呼び寄せたってことなのだろうか。


 もう少し落ち着かせて、よくよく話を聞いてみない事には、始まらないってことなのだろう。


 俺は、下着や着物の調達に長けているマリーにハダカん坊の魔女っ娘ちゃんたちに衣を纏わせるようにお願いする。


 そして、その三人には、俺達の船でゆっくり話をするように提案すると、ぐったりと疲れ果てた表情ではあるが、コクリと頷いてくれた。


 可愛いじゃないか。



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