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NEXT  作者: system
第八部 UNICORN's(可能性の獣たち)
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第八部 第3話 Snow-White(少女)

 「お兄ちゃんっ!アンちゃんがヤバい!!私の白雪姫、出せる?」

ポーネルさんがアンの置かれてる状況とかずっと教えてくれてたけど、今回のはマジでヤバい。私のNEXT-Leve(ネクストレベル)l、ナメんなよ?ってアレ?言ってなかったっけ?いや別にヒミツにしてるつもりはないんだけどさ、ここ(ADaMaS)じゃあ気にする必要ないから、聞かれたら答えるけど、自分から「NEXTですっ」って言うってことも無いんだよね。

 って、私のこたぁ、今はどーでもいいっての。何なの?このアンに近付こうとしてるヤツ。ヤバいなんてモンじゃないよ。そーね、例えるなら・・・マックスヤバい!

「え?白雪姫??ああ、Snow-White(スノーホワイト)ね。うん、出せるよ?けど、空の上だろ?」

「いやいやいや、お兄ちゃん?知ってるゾ~?あの子、イケるよね?」

親指突き立てて〝グイっ〟って空の方指してやったわ。いーっつもみんなからマニュアル読めって言われる私だけど、読んでないんじゃないんよ。キョーミあるとこしか見てないってだけ。私版マニュアルによると、あの子にイケないトコは無い!

 〝白雪姫〟ってのは、私の専用Mhw〝Snow-White〟のコト。もっちろん命名はワ・タ・シ。初めて見たときに〝ビビッ〟と来たんだよね~。お兄ちゃんってば相変わらず、Mhwの造形センスだけはパねぇわ。メッチャキレイなんよね~。で、白雪姫に使われてる特殊な装甲と、ウィングケープって呼ばれてる専用装備を使えば、白雪姫は単体で大気圏の往来が可能って書いてあったモン。

「なんでそんなトコだけ読んでるんだよ・・・まぁ、理論上は行けるよ。機体コントロールが厄介だけど、マドカなら余裕だろうね・・・行くのか?」

「うん。アンがちょっと厄介なヤツにストーキングされるっぽいからね」

たぶん、私の表情はすこぶる爽やかだったと思う。だって、何か褒められたよーな気がしたし。

「そんなにアブないヤツなの?」

「うーん・・・ヤツって言うのも何かチガウっぽいんだけどね。男だとは思うんだけどなー・・・う~ん、でもどっか・・・ホラ、あのミリアークって人っぽい感じもするんだよね」

自分で言っておきながら、男なのに女っぽいってどういうコト?聞いてきたローズお姉ちゃんもそんな表情してるよねー。

「得体が知れないってコトとアンちゃんがキケンってコトは理解したよ。うん、マドカ行っておいで」

ヤタっ!これで白雪姫、初起動じゃん!しかもいきなり大気圏突破とか、かなりモエる~。いや、ホントに燃えたら困るんだけどね。まぁ、お兄ちゃんがソコに触れないってコトは、自信あるってコトだし、ビューンって行ってサクっと助けちゃおう!

「ありがと、お兄ちゃん!それじゃあちょっと行ってくるね~」

「おーう。気を付けてな。この船も準備出来たら追うから、みんなで降りておいで」

 ってコトで早速単機緊急発進。白雪姫ったら初稼働だってのにすんごいスムーズね。ま、お兄ちゃんだからソコは、この子の性能は疑ってないんだけど。まだだいぶ上空だけど、チカチカと戦闘の光も見えてきた。

「え~っと、アンはどこかなぁ~・・・あ!いたいた!おっと!だいぶピンチっぽいね」

アンほどのNEXTなら、ちょっと探せばすぐに見つけられる。けどぉ・・・向こうも私に気付いていいよーなモンなのに、相手がしつこ過ぎてコッチに気付かないみたい。ストーカーってホント、イヤよね。それにこっからじゃあ、エグぃスピードと空気の層とか?が邪魔して上手く通信繋がんないし。せっかくADaMaS製Mhwのみの通信回線あるのに、コレじゃイミ無いじゃない。まぁとにかく急ぐ必要アリってね。

 見えてきた!今アブなかったと思ったけど、セウ中佐だっけ?流石にイイ仕事するな~。けど、あの赤くてデッカいの・・・ナンなの?こんなに歪で存在出来てるなんて。コレ、裏にあのミリアークっていけ好かない女が絡んでるっぽい?・・・そっか、だからあのオンナっぽいって感じたのか。

 「あっ!ダメ!!」

アンとお兄さんのユウさん、それにセウ中佐も気付かなかったみたいだけど、赤くてデッカいのがSWを飛ばしてた。やらしいわー・・・射出してもしばらく起動させずに漂わせとくとか。おかげで3人の意識の外からの攻撃になった。辛うじて反応したセウ中佐の機体がintegrity(インティグリティ)を庇って被弾しちゃったよ。さらにヤバいのはまだ終わらない。悪意が残ったままだ。そのままセウ中佐に追撃を加えてる。あれは・・・セウ中佐の機体、重力に捕まった!くっそ~!大気圏の突破って、思ったより時間かかるのね。たぶん逆なら重力が手伝ってくれるから早いんだろうけど、コレ、逆らってるんだもんな~。

 「ちょいちょいちょい!アン!それはダメだって~!」

なんてこったい・・・たぶん、ユウさんじゃなくてアンだと思うんだけど、落ちていくセウ中佐の機体を助けるために、チカラワザで強引に押し上げようと回り込んじゃった。いくらintegrityの出力でも、その高度で重力から逃れられる?って思ってたら、自分たちがさらに下がることを承知で、セウ中佐の機体を上に突き飛ばした!

 セウ中佐はスラスター全開のまま気でも失ったかな?そのまま戦域を離脱していくように見える・・・どうやら今回でセウ中佐までキャッチするのはムリっぽいね。となると2人は何としても助けなきゃ!来たイミ無くなるじゃん!

 「このまま大気圏内部でやるしかないかっ!ラッキーなんはあの赤いのがあれ以上降りて来れないってトコかな?」

けど、ナニ?あのエモノのデカさ・・・フツーのMhwが持つライフルじゃなくない?アレ、ゼッタイ撃って来るよ・・・ホラキタ!・・・けど、アレ?あの赤いのも重力に捕まってる?銃身がブレて狙いが定まってない。よし!今のうちだっ!

 「って!ちょいちょいちょい(2回目っ)!!えぇいっ!いーかげん繋がれっての!」

赤いヤツの射撃、直撃はしないまでも、武装類とか腕とかに当たってる・・・あのパイロット・・・なのかどーかよくわかんないケド、やるじゃないか。けど、サイアクなのは2人の判断の方だ。互いに相手だけでも助けようってのは解るけどさ、私がここまで来てるんだから・・・もぅ!いい加減気付けっ!!

 integrityがcaduceus(カドゥケウス)Kerukeion(ケリュケイオン)に分かれた。どーせどっちかを重力から押し出そうとするんだろうけど、それはしなくていいことなんだっての!

「アンっ!お願い、聞いてっ!あーっ!もう知らんっ!バレても構うもんか!のーりょく全開だぁっ!!」

 NEXT-Levelってさ、訓練次第で0にはできないんだけど、ある程度外部への影響力を抑えられるのよ。もうね?私レベルになってくると自然と抑えた状態を維持できちゃうんだけどさ、コレ、開放すればするほど相手からも感知されやすくなっちゃうんだよね。けどさぁ、別に隠さなアカンことなんてなーんも無いんだから、もう私のNEXT-Level、全開放でアンにぶつけちゃる!兄妹愛もいいけどさ、いーかげんコッチに気付けっての!

 「アン!聞こえてるね?マドカだよ。迎えに来た!早く返事してよっ!」

いや、通信が繋がってないから大声で叫んだって意味ないんだけどさ。そー言えばNEXT同士の念話?みたいのって、強弱どうやってつけてるんだっけ?自分の想いを相手に伝えよーとすると、どーしても力、入るよね?

「・・・マドカ・・・ちゃん?・・・どこっ!お願い・・・助けて!」

キタ――(゜∀゜)――!!

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