第十部 第10話 Orionと勘違い
「アイさん、どーしたらいいですか・・・」
ぶっちゃけ困ってます。いや、何がって・・・とある殿方がイケメン過ぎて・・・デス。
「何よ・・・リッカ?アナタ顔がスゴイことになってるわよ?」
アイさん、ソコはどーでもいーですよ。そりゃあね?あの人のことを考えただけで感情がグルグルしちゃうから、それが顔に出てるんだろうなってコトは解かってますよ。だってもう、ニヤけていいのか、苦悶していいのか、ワカンナイんだから・・・。
「だってもう・・・イケメン過ぎると思いませんか?アレはもう反則ですよ!」
「ああ、ナルホドね。一目惚れってヤツ?でも、リッカって見た目イイ方だから、ちょっとアタックしてみたらいーんじゃない?」
そんなコトできたらとっくにやってますよ、アイさん!知らないかもしれないですけど、私って、こういうコトにはかな~りオクテなんですってばぁ!せっかくADaMaSの食事は美味しいって聞いてたのに、うまく喉を通らないほどドーヨーしてるんですよ?私!
「こんばんは。ちょうど良かった。ご一緒してもいいですか?」
ちょっと、ダレよ?こっちはホンキで悩んでる最中なんだから、ヨケーなコトに神経使ってるヒマは・・・はうっ!
「あら、ルアンク少佐にオピューリアさん。それに、ポーネルさんにローズさん。皆さんご一緒ですか?」
「いえいえ、私とローズさんは偶然ですよ。それではルアンクさん、オピューリアさん、その件については前向きに。いいですよね、ローズさん?」
「ええ、願ってもないコトだと思うけど、一様みんなにも了解とってから正式に回答するわね。それじゃあ、また」
オイオイオイ!これはヤバい!しっかっも!ルアンク少佐、ものすっごく自然に私の隣に座ってるじゃないのさ!どーすんのよコレ!もうホント助けて、アイ様~!
いや、そりゃね?4人が立ってた位置からすれば、女性のオピューリアさんに、移動距離が短くて済む方に座らせるってのはとっても紳士的よ?けど、それぞれの階級で言ったら、アイさんは私より階級上よ?フツーならコッチには階級下のオピューリアさんが座るんじゃないの?それともナニ?もしかして、オピューリアさんの方が階級上なワケ?
「座っちゃいましたけど、良かったですか?」
「ええ、構わないわよ。ルアンク少佐に、オピューリアさん・・・でいいかしら?」
「もう軍属じゃありませんし、年齢も気にするコトないですから、ルアンクでいいですよ?」
「私もオピューリアで大丈夫です・・・あ!前はオペって呼ばれてたんですよ?」
で?その通称のオペはどっちの〝オペ〟よ?オピューリアのオペなの?それともオペレーターのオペなの?紛らわしい。
「そう言えばそうね。私たちもアイとリッカでいいわ。いいわよね?リッカ」
「・・・え?あ、ハイ。ゼンゼンだいじょーぶデス」
イキナリ振らないでよ、アイさん。焦った~・・・にしても2人はどんなカンケーなんだろう?そして2人は私たちに何の話があるんだろ?
「それで?ルアンクさん?まさか、私たち美女2人と一緒に食事したかっただけってコトでもないでしょう?」
あ~もぅ、アイさんヨケーなコトは言わなくていいってば!
「美女に囲まれての食事は、男の僕からすればイイものですよ?まぁ、ソレは置いといたとして、アイさん、アナタたちはあの混乱の中で部隊を連れて僕たちの前に辿り着いた。イヤな記憶もありますが、pentagramを率いていたのはアイさんですよね?」
ん?そりゃまぁ、タクヒのコトに整理がついたワケじゃないけれど・・・え~・・・アイさん狙いなワケぇ?
「ええ」
うわぁ・・・アイさん、ソレはちょっと素っ気無さすぎじゃない?これからのコト考えたら、もう少し仲良くしてもい~んじゃないかな。雰囲気悪くすると、隣のオペさんも責任感じちゃうんじゃないの?
「・・・アイさん。率直に言います。私たちと組んでもらえませんか?」
おおっと!?オペさんの重い空気、思ってたのとチガウのか。と言うか、え?ナニ?私たちと組むってどういうこと?
「タクヒの抜けた穴埋めかしら?」
「いえ、違います。先ほどリオカさんとフロイトさんが一緒に居ました。お二人は息が合うと見ています。そしてウルさんはすでに〝三姫〟として出撃されている」
「へぇ・・・私たち2人だけになっちゃったからかしら?それとも、ルアンクさん1人だから?」
ちょ~っと!アイさん、コワイってば!も~少しマイルドにしましょうよ・・・それとも、アイさんってば思ってたよりもタクヒのコトを恨んでる?その原因が隣のオペさんで、だからケンカ腰になっちゃったりしてる?
「アイさん、アナタの指揮は的確だ。オペはアナタを補佐できる。そして僕は空を制することができ、陸はリッカさんが制圧できる。個々のスキルがあればこそ、4人で戦場を制圧することが可能です」
いやいやいや、「陸を制圧」だなんてそんな~。ルアンクさんの空制圧だってスゴイじゃないですか~。って、アレ?うん、確かに言ってるコトは筋が通るな。
「そうね・・・確かに言ってるコトは正しいと思うわ。けどソレ・・・後付けよね?」
えっ!?そうなの?ソレってつまり、組むことの本当の理由を隠してるってコト?って言うか、アイさん、なんでそんなコト解かるワケ?
「あ・・・バレてました?いや、pentagramに感心したのはホントですけどね」
「やっぱりね・・・で?」
「え?」
「ん?」
「いや、ただ仲良くなりたいだけですよ?特にオペが。・・・はぁ・・・ま、実際そうなったら僕としてはちょっと恥ずかしかったりもするんですがね。さっきは胡麻化しましたけど、お二人ともホント、美人ですからね・・・」
えっと・・・?どういうコト?
「呆れた・・・でも、そういうのスキよ?オペさん、これからよろしくね」
「はいっ!こちらこそ、よろしくお願いします」
うっわ・・・オンナの私でもドキっとするほどの笑顔だな2人とも・・・
「あら、リッカ。アナタもずいぶんと嬉しそうね?」
え?私?・・・アレ?そう?いや、まぁ、オペさん美人だし、ルアンクさんイケメンだもん、そりゃ嬉しいけどさ、アレ?そんなに顔に出てる?
「そっか~・・・ウルは予想してたけど、隊長もかぁ・・・あ!pentagramって、実は隊長はアキラ・リオカだったんですよねぇ・・・ルアンクさん、引き継いでもらえたり?」
「ソコはアイさんでいいんじゃないかな?だけど、pentagramって五芒星ですよね?要るのかどうか分かりませんが、チーム名、変えます?」
あ~・・・そう言われるとそうだ。それにルアンクさんの部隊も確かAIR-FORCEだったもんな。私とアイさん飛べないからなぁ・・・
「Orion、なんてどうです?三連星ってコトですけど・・・」
「いいわね、ソレ!・・・あ・・・でもそれだとオペさんが・・・」
「え?私はいいんですよ、Mhw乗れませんし。何でしたら、三連星が形作るオリオンが私ってことで」
「あっはっは、Orion男だけどね。けど、ソレでいいなら、ありがとうだわ」
ホントにね・・・しかもオペさんとOrionってカンケーないですよね。まぁ、イイですけど。
「いや~、よかったわね、リッカ。この子ったら、ルアンクさんがイケメン過ぎるって困ってたホドなんですよね~」
「えっ?」
ナンデスッテ?
「ん?・・・チガウの?」
「違いますよ?・・・あ、いや、ルアンクさんもフツーにイケメンですけど」
アイさん、私がルアンクさんに一目惚れしたと思ってたの?違う違う!私が一目ボレしたのは・・・って、コレ、私白状する流れ?
「ち、違いますよ・・・」
「じゃあ、いったい誰なのよ?2人が現れた時から、様子がおかしかったじゃないの」
「で、ですからぁ・・・」
うぅ・・・言うの?
「あ~、もしかしてリッカちゃん、私たちの後ろに居たジェントルマン?」
はぁうっ!!もうそれ以上言わないで・・・顔から火が出る!
「えっ!ウソ!?もしかしてポーネルさんっ!?マジでっ!?」
ぐはぁっ!!アイさん、声デカい。もう食堂に居る人全員に丸聞こえじゃないか・・・これはもう・・・爆死。




