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第十部 Preparation(準備)
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第十部 第2話 FailwahtあるいはMahal

 「なぁ、ウテナ。俺のMhw(ミュー)Lyuut(リュート)がいいとは言ったけどさ・・・ナンダコレは?」

俺はそれほどMhwに詳しくは無い。だから俺とローズ、そしてウテナの3人は適材適所でADaMaS(アダマス)をやってきた。いや、誤解しないでくれ?全員大切な仲間だと心底思ってるし、ウテナに関しちゃ〝親友〟だと思ってる。

「Lyuutだよ?どっからどう見ても、さ。この状態はFull(フル)-Arms(アームズ)-In(イン)-Large(ラージ)-Wide(ワイド)-All(オール)-Hit(ヒット)-Target(ターゲット)、略してFailwaht(フェイルウォート)、それで、砲撃武装を外した状態がMahal(マハル)って名前だよ」

〝砲撃武装〟・・・まんまだな。Lyuutはもともと重量級のMhwだ。ソコに惹かれてるのは間違いないが、正直、目の前にあるLyuutはやり過ぎ感がハンパない。

 両肩には3連装ミサイルポッドそれも弾倉は2連結。背中にはMhwと変わらないんじゃないかと思うほどの大型コンテナ。そのコンテナと接続されていて、右肩からはツインミドルキャノンが突き出してる。で、反対側には折り畳み式の大型ビームキャノン。もともとLyuutは、地上でホバー移動する性能を持ってるが、コイツの重量だと浮かばないらしく、代わりにコンテナに熱核ジェットを搭載してやがる。ここまでくると、ホバーというより「ムリヤリ」だ。

 極めつけが、たぶんコイツのメイン武装だ。ガトリングガン・・・いや、ガトリングバズーカだな、コイツは。

「えーっと・・・六連か?形状からしてガトリングだよな?」

「いいだろぅ?六連式ガトリング・バズ。あのドラムにはバズ弾頭がギッシリだよ?」

 そりゃそーだろーよ。ガトリングなんて、連射してナンボの兵器だぞ?弾数がものをいう兵装じゃねぇか。弾丸と弾頭のサイズを考えろってんだ。バズーカをガトリングにするコイツはアホか?重量級どころか、弾だけで〝ドスコイ級〟じゃねぇか。

「ちなみに、予備のバズ弾頭ドラムカートリッジも背負えるよ?」

この上まだ重量増やすのかよ。と言うか、コレ、弾薬部分に1発でも被弾したら、それこそ外宇宙までスっトンで逝けるんじゃないか?何と言うかまぁ・・・〝砲撃戦のオニ〟だな。

 「コレ、俺に乗りこなせるのか?まぁ、カラーリングに関しては文句ナシだが」

カラーリングは砂漠迷彩だ。しかも、よくある迷彩パターンと、〝スプリット迷彩〟をミックスしてある辺り、俺のストライクゾーンど真ん中だ。このヘンは親友ならではだな。

「問題ないはずだよ?ナナクルは周囲が良く見えてる。そんなナナクルとコイツの相性をさらに高めるよう、セシルと特殊なOS組み込んだしね」

〝マルチロック〟プログラム。それがこのFailwahtに搭載された専用OSらしい。説明を聞く限りじゃ、視線でターゲットをロックオンできる。それも無制限に。例えばソレでガトリング・バズのトリガーを引けば、誘導性能のある弾頭が1発ずつ、ロックした敵機を襲うらしい。1機に対してバズの雨じゃなく、例えるなら〝部隊〟に対してバズの〝嵐〟をお見舞いするってことだ。

「じゃあ何か?オマエは俺に1人で敵部隊でも殲滅させようってのか?」

いや、まぁ、説明どおりの性能と実力を発揮したなら、それも可能だろうがな。

「まさか。コイツの性能はむしろ援護向きだと僕は思うよ?もちろん、ナナクルが乗ればの話だけどね」

 オイオイ正気かよ?この重砲撃を、味方の後ろから浴びせろってのか?

「それじゃあオマエ・・・」

「大丈夫」

いや、ナニがよ?

「ナナクルは味方に当てない。キミは本当に周りをよく見ている。周囲の個々の動きに合わせて自分の動きを変えられる。そして何より・・・ナナクルは点で見ることも、面で見ることも、俯瞰で見ることもできる」

ふむ・・・なるほどね、そこまで知ってたのか。っていうか、俺の視点をウテナも見てるのか?けど、だからこそのバズってワケか。誘導性能が高い弾頭らしいから、仮に直撃しなかったとしても、敵機の動きをかなり制限できる。そこまで加味した機体だってことか。

 確かに実際の視野に限らず、俺はいろんな角度でモノを見ることがクセづいてる。ピンポイントで集中することもできるし、視野を広げて広範囲を一度に認識することも可能だ。それはADaMaS内の役割として長年培ってきたモノだ。

「さすが親友だな。人知れず努力してきたつもりだったが、しっかりバレてたってわけね」

「何年親友やってると思ってんだよ?ナナクルの払った〝努力〟には頭が上がらないよ」

コノヤロー・・・ちょっと琴線に触れたじゃねぇか。とは言え、それは起業家としての話であって、それがMhwにも活きるのかというとズイブンとチガウ気もするな。

 「なぁ、ウテナ?俺の特技は社会で通用してきたけど、Mhw戦に適合するモンなのか?」

「いやぁ、すぐにとは行かないだろうけどね。けれど、戦火の絆を見てる限りですぐに通用しそうなモノもある」

「ふーん・・・ソイツはこのFailwahtの特性ともマッチするんかい?」

「Failwahtの戦場での役割にって感じだね。ナナクルはとにかくタイミングの取り方が異常なんよ。ソレができるから、後ろからバズ撒き頼めるんだよね」

 へー・・・ソイツは俺自身も気付いてなかったな。にしても、異常ってナンだよ・・・ウテナのことだから誉めてんだろうけど、一向に褒められた気がしてこないわな。まぁ、何にしても、だ。この手の話は教えてもらったかたってヘタに意識し過ぎないことが肝心よな。もともとタイミングなんてものを意識して何かしたこともないワケだし、戦闘中ともなったら、んなコト意識してるヒマなんて無いだろうからな。

 「そういやよ?この状態がFailwahtだって言ったよな。で、ゴッテゴテの武装取っ払ったのがMahalだっけ?なら、Mahalにはどんなヒミツが隠されてんだ?」

FailwahtもMhwとしては崩壊してんじゃないかってぐらいの武装だけど、コイツのコトだ。Mahalになった途端、それまでからは予想もできないMhwに変わるってコトは予想できる。ある意味、ウテナがマトモなMhwを造ったトコは見たことが無いからな。

 「Mahal?性能ってコトか?・・・いや、何期待してんのかはシランけど、カラーリングに凝っただけのLyuutだけど。そもそもMahalでの戦闘なんて想定してないし」

ナンテコッタ・・・1つ忘れてたわ。ウテナってヤツは大体の場合、想定どおりに動いた試しが無い男だった。しかも、ただの想定外じゃない。コッチの予想の若干左斜め上辺りを行きやがる・・・ん?どういうことかって?そりゃ、言われてみれば「あー、ナルホドね」とか「そりゃそうか」って思えるけど、実際には考え付かないってコトよ。

 たぶんコイツ、ハナっからゴッテゴテ武装前提で造ったんだろうな。で、出来上がってみたら武装外せるってコトに気付いたんだろ。別に機体名なんて一緒でも良かったんだろうが・・・俺に「Mahalにも何かある」って思わせる為だけに、機体名を別にしたな?

「オイ、ウテナ・・・このMahalとFailwahtの名前ってさ・・・俺で遊ぶためだけに付けたろ?」

「・・・アレ?気付いた?うん。ぶっちゃけて言うと正解。だからナナクルもそのつもりで乗ってくれよ?もし全弾撃ち尽くしたら、Mahalになって構わんから、とっとと船に戻れよ?」

「そりゃそん時考えるわ。それよりMahalって名前・・・癪だから3日前に保護した犬の名前にして俺が飼うわ。そしたら〝Mahal〟って名前にも味が出んだろ?」

「おー・・・あの犬か。やけにナナクルに懐いてたもんな。大事にしてやれよ?」

俺の愛犬と愛機だぜ?そんなの当たり前だってーの。

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