変化
時間を遡る違いを………
「貴様――⁉︎」
ロアンは抵抗しながら城内へ目を向く、オーゲーストを助けを求めるつもりだ。僕は『あれ』を少し刺し込む、もう決裂ようなものだ。これ以上やっても大差はない。
ロアンは体に刺す刃を感じ、すぐ抵抗を止め、大人しく一緒に城頭まで上がる。
ロアンは疑惑の目で僕を見ている。無理もない。僕今の行いはもうずっとザーランダーの後ろに隠れるゲイブン・ノットと掛け離れている。
城頭を上がった時、外の戦闘はどんどん激しさを増する。
ザーランダーは騎兵隊を率いてゴブリン群にあちこち突撃して、精強のオークとオーク狼騎兵を避け続ける。上手くやると見えるが、まだ本当危険はハマっていない。それに、ザーランダーはまだ奥の手……火球杖を装備する『キャスター』は出していない。まさにファンタジーの戦場重砲だ。退路は確保する限り、全身引き上げるのは問題ではない。
「オーゲースト、なんのつもり?」
僕はロアンを盾に後上がっている者に向かった。フルメイルを着ている戦士がその強壮な体型と似合わない素早しさでこっちに駆け付ける。ロアンの権勢を盾に横暴に振る舞う侍従長オーゲーストだ。
「ゲイブン様、よくも閣下を誘拐するとは!」
「誘拐? どうやら侍従長は誤解したようです。ただ兄に城外の戦況を見ていただきたいだけです」
「そうだとすればその手の武器はなんだ‼︎」
「武器? これのことですか?」
僕は手元の木剣をオーゲーストに見せ、ロアンはこれを見て自分の腰を触って、服は破ることはなかったと確認した。
「バカな! さっき、アンダは包丁で――」
「兄上、僕はあなたに何をする訳じゃないでしょう」
僕は手を放し、ロアンはすぐにオーゲーストの側へ走り――
「お前はさっき俺を殺すと脅迫した! オーゲースト! コイツを殺せ‼︎」
ロアンは完全に怒りをとらわれた。それは僕に対する恐怖によるものだ。さっき僕は確実に殺気でロアンを怯えさせたから、それに従わないならその場殺すのもやもえない。僕は盾を上げ、用心して後退する。
「兄上、例え男爵でも人殺しも正当の理由は必要です。冗談だけでやるのか?」
全身武装の5級戦士、例え伝説級戦士の経験があっても慎重に対処しないといけない。
ここはトレル星だ。地球じゃない。
『術法』と呼ばれる魔法がある。戦士はマナと同調するゆえに、身体素質は地球と特殊部隊隊員を凌駕する。特にジョブを手に入れる『戦職者』は更なる『加護』を得られる。
5級とは聞くだけで弱いが、実際は超人の仲間入りだ。どんなジョブレベルは職業者に尋常を超える力と手段を手に入れる。
このノット城では最高の職業者は9級バーバリアンのノラだ。外で戦うザーランダーも7級の戦士だ。
「……閣下」
オーゲーストは迷ったのは良心ではない、僕はゲイブン・ノット、自分が忠誠を誓った家の一人、僕を殺せば法的な責任以外、ザーランダーから血に洗う復讐を受けることになる。
「やれ! 責任は俺が取ってやる‼︎」
ロアンはもう報復しか目がない。その様子を見て、ロアンをよく知っているオーゲーストも分かる、やらねば後自分にロクの目がないと――
オーゲーストは僕へ突進して剣を刺する。あんな力が入っていない剣を見て分かる。ただ命令執行すると見せ掛けしようとしている。僕はそれを合わせ、オーゲーストの剣撃に防げず、無様の姿を見せる。
「振り切った! 戻ってきたぞ!」
「総員! 口を開け、騎兵隊の道を開くだ‼︎」
「ゴブリンを構うな! 騎兵隊戻ったら掃討出来る!」
この叫びと馬蹄の振動……騎兵隊が帰って来た――
そう考えて僕はオーゲーストの剣を盾の亀裂口にわざと受け……盾が両断される共に左手が一太刀受けた。盾の半分はそのまま城門へ落ちった。
丁度城門へ帰還したザーランダーは落ちって来る盾を見て、こっちの状況を瞬時認識し、馬を跳ばし、その背中を基点にジャンプして、城頭にいる僕の前に飛び降りだ。
振り返って血が湧く僕の腕を見て、ザーランダーの目から冷酷を沸き、二言なく剣でオーゲーストへ斬る。
ポン、ポン、ポン!
ザーランダー嵐ような剣撃にオーゲーストは防御した徹するしかない。ロアンに先はゲイブンワサと彼の斬撃受けた。自分は殺意はないのに、心の中僕に対して恨みが湧くだろう。
オーゲーストはザーランダーの攻撃を防ぐ中、僕はベルトからティアポーションを飲み、傷を治した。ティアポーションはヒレン大陸の治療手段、プリエストとドルイドが聖力と自然力の精華を取って作った物、これほど重傷も一瞬治せるとは、科学ならナノマシン技術を普遍化達していない限り無理だ。
ポン!
オーゲーストはザーランダーに蹴り飛ばし、一回転してロアンの後ろに着地、ここでザーランダーは動きを止まった。今目の前には忠誠を誓った相手だ。軽々しく剣を向く相手じゃない。
「……どういうことだ?」
先に告る。
「先兄上に正しく戦況を見ていただきたいですが、逆に侍従長に僕を殺そうと命令した」
完全に弱者を演じて、ザーランダーにロアンの悪行を告る。
「――お前が俺を殺そうとするから!」
「侍従長を護衛する兄上に僕がどうにか出来るとも⁉︎」
「もういい! 起因はどうあれ、侍従長たる者がノット家の人に剣を向くべきじゃない。今異常事態でなければオーゲースト、貴様を斬り捨てなければならん。ゲイブン様、謝罪だけでことを済みましょう」
「………隊長がそう言うなら」
今度は冤罪を被って、相手を利する取り引きを答えしかない表情をする。
僕の演技が上手いほどロアンとオーゲーストの怒りが更に増す。オーゲーストは怒りを強引に押し込んで――
「申し訳ありません。ゲイブン様、さっきは剣向くべきでは――」
「待って、俺が了承しないぞ!」
ロアンが激しく反対するが――
「男爵閣下はまだ何か?」
ザーランダーが全身血塗れの姿でロアンを睨んでいる。
「そ、それは………」
今ロアンが何を言ってもザーランダーは信用しない。子供の頃からロアンはずっとゲイブンを虐め、ゲイブンは父に告して、ロアンの信用を削った。今ロアンの言葉はオーゲーストは有利に利用する以外、ノット領のみんなは誰も本心で信用しない。
「……オーゲースト、行くぞ」
「待って」
ザーランダーはロアンを呼び止め――
「男爵閣下、先日の提案、お考えはいかがですか?」
傲慢で父愛を失う兄とそのゆえに更に虐められた弟。