序章「詩人の詩」
※この作品はフィクションです。実在の地名、人物、団体などとは関係ありません
※作者、作品に対する誹謗中傷などはやめて下さい
世界を旅する詩人は椅子に座り、リュートを弾きながら柔らかな口調で語る———
今より遥か古来秩序の神がこの地「ユグドラシル」に一つの種を落とし、大地を治める6の神を造った。主神、運命神、魔神、雷神、太陽神そして祖神———
それぞれの神と大地の民は共に助け合って生きてきた。民は神を崇め、神は民に平穏な暮らしを与えていた。
しかし、平和な日々は長くは続かなかった。秩序の神と対となる存在——混沌の神は平和な暮らしを許せなかった。混沌の神は自身を巨大な狼の姿へと化け、溢れ出た瘴気は混沌の眷属へと姿を変え、大地の民に襲いかかった。大地の民は抗う術などなく大地は血の海へと変わり果てた。
秩序の神より造られた神々は民を守るべく混沌の神に立ち向かい、混沌の神を地の奥深くへと封印した。これにて平穏な日常が取り戻せた———そう思っていた。
残った混沌の眷属は大地の民を再び襲い始めた。だが神々は封印で力を使い果たし混沌の眷属へと成す術を失っていた。
そんな時だった。神々に変わりに大地の民を守る者達が現れる。
神々よ、民よ
これより訪れし時代は混沌の世
集え、抗え、戦え、そして神を信じ、祈るのだ
さすれば光は訪れよう
長き混沌の世を終わらせ、其方らを救いし英雄達の名は———
「ヴァルキュリア」なり
さぁ、物語の始まりだ
フィンブルの冬 序章~完~