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異世界転生したミーハーOLは美少女インフルエンサーになる  作者: トマト
第2章 うる艶リップと乙女の恋
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3 開発準備

王都の図書館で候補となる素材を3種類見つけたミモザは屋敷に戻ってすぐに、屋敷の薬草園の管理をする使用人にその素材の取り寄せと栽培を依頼した。

文献によると、それらの植物は日本で言うところのハーブのようなものらしく、繁殖力が強そうなので、比較的簡単に育ってくれそうである。


ジルと商品開発部のメンバーとの打ち合わまであと3日。


その間にミモザは素材の準備と、パッケージデザインを検討することになっていた。

素材の準備は一旦は落ち着いたため、ミモザはパッケージデザインに着手することにした。


まず、商品ラインについては、貴族用の商品と街に流通させる領民用の2種類というのはもうミモザとジルの会話の中で決まっている。

日本で言うところの、デパートコスメとドラッグストアで売っているプチプラコスメのような棲み分けをしなければ。

あとは商品ラインそれぞれのバリエーションとパッケージをどのようにするかが問題である。

リップなのだからそれなりに色のバリエーションはほしい。

ただ、それぞれの色に対して、パッケージを変えるとなるとコストがその分掛かるだろう。

貴族用のものはそれでもお金を出すかもしれないが、街で売るものはそれだと採算が取れない。


ミモザはそれぞれの商品ラインのコンセプトを3つの単語で決めることにした。

「早い・安い・美味い」みたいなやつだ。

なぜ3つなのかというと、3という数字は人間に信頼性を感じさせるらしいとOLをやっていた時に会社の研修で習ったことがあったからだ。

なんでもプレゼンで理由づけをする際は、3つの根拠がありますと最初に示すのが良いらしい。それも2つしか根拠がなくても、嘘でも3つあると最初に言ったほうがいいらしい。

最も、それが何故なのかはすっかり忘れてしまったのだけれど。


ミモザはうーん、と考えてそれぞれのラインの商品のコンセプトを決めた。


まず、貴族ラインのリップについては


・高級感

・艶感

・保湿力の持続


にすることにした。


ある程度の高級感がないと貴族にはウケが悪い。使っていてドレスにも合わないもんね。

それに化粧品を好むのは貴族のマダムに多い。そうすると、可愛らしい感じというより艶感の方が大切だろう。

もちろん、貴族家の令嬢たちにも受けるように落ち着いた色だけでなく可愛らしい色もバリエーションとして加える。

また、夜会などで飲み物を飲んだりした時になかなか塗り直す機会もないので、保湿力が長持ちすることも重要である。


続いて、街ラインのリップについては


・可愛くてモテる

・リーズナブル

・サステイナブル


にすることにした。


貴族ラインの商品とは打って変わって、街でネモフィラ商会の雑貨を買う層は若年層の方が多い。そうなると、リーズナブルとモテは必須だ。

色も基本のバリエーションを4色程度に固定し、可愛らしいイメージにしておくべきだろう。

さらにこの国の国民性として、物を大切にする文化がある。そうなるとサステイナビリティ(持続可能である)というのは結構重要だ。前世の日本でも、サステイナブルがすごく流行ってたっけ。

ケースと中身を別売にしてケースを店に持ってくれば、中身だけ販売するスタイルは結構流行るかもしれない。


ミモザはシルビアに紙とペンを持ってきてもらい、考えたコンセプトに従ってパッケージ案を書き始めた。


貴族ラインのリップはパッケージをスティックタイプにして、夜会などのお手洗いで

ささっと塗りなおせるようなデザインにした。

色はジャンパンゴールドのケースにラインストーンを上品にあしらって、高級感を演出するようにした。

リップの色はスティックの底の色で判別できるようなデザインである。


街ラインのリップはラメを含んだスケルトンの樹脂素材のケースで、ケースを宝石のような形にデザインした。中に入れたリップの色が透けて見えて分かりやすく、お洒落だ。

素材も樹脂で作ればリーズナブルに生産できる筈である。

ケースを持ってくれば中身だけ販売するようにするが、コスメフリークの若者は複数色買うためにケースも一緒に買ってくれる見込みだ。


ミモザは出来上がったデザインについての意見を屋敷中の使用人の女性達に回った。

デザインは概ね好評で、改善意見は積極的に取り込んでいった。


「素敵なデザインで、どんどん欲しい気持ちになってきました。 発売したらお嬢様のメイクに使うのにすぐに使いましょう」


とシルビアが言った。彼女もどんどん乗り気になってきたらしい。

ミモザはそれが嬉しくて、販売まで一生懸命頑張ろうと思うのだった。


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